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顔面崩壊し、7か月前に2度目の顔面移植を受けた女性「ネガティブなことは考えない」(米)

Techinsight

身体の80%に火傷を負う前の女性の姿(画像は『7NEWS.com.au 2021年2月28日付「Domestic abuse survivor becomes 1st person ever to undergo second face transplant」(Credit: Carmen Tarleton)』のスクリーンショット)

昨年7月、アメリカ人として初めて2度目の顔面移植手術を受けた女性が、手術から7か月経った現在の心境を語った。女性は2013年の最初の顔面移植手術後に拒絶反応との闘いが続き、2019年夏頃からは顔面が崩壊し始めたという。『TODAY』『People.com』などが伝えた。

米ニューハンプシャー州マンチェスターに住むカルメン・ブランディン・タールトンさん(Carmen Blandin Tarleton、52)は2007年6月、当時の夫に野球のバットで殴られたうえ工業用の苛性アルカリ溶液をかけられ、身体の80%に火傷を負い、両目の視力をほとんど失った。

2013年2月、カルメンさんは1度目の顔面移植手術を受けたが、その後拒絶反応が強くなり、昨年7月に2度目の移植を受けた。

同一患者への2度の顔面移植手術はアメリカ初、世界では2例目と非常に少ないが、カルメンさんは手術に踏み切った理由について次のように述べている。

「最初の顔面移植手術を受けた後は、それまで続いていた顔の痛みが嘘のように消え、人生をやり直すことができました。私は人々をインスパイアするために全国を旅し、『希望を捨ててはいけない。どんな悲劇に見舞われても、怒りや憎しみは捨てよう』と講演を続けてきたのです。」

「しかし2019年8月頃から、首の激痛や耳の焼けるような痛みに襲われて顔が腫れ、唇のほとんどを失いました。またよだれが垂れ、左目に人工角膜を入れているにもかかわらず瞼が下がり、顔面の血管が狭窄や閉塞を起こし始めたのです。2度目の移植を受けるまでの形成手術は73回に及び、私は医師に『もし私が志願できるなら、2度目のチャンスが欲しい』とお願いしました。」

マサチューセッツ州ボストンにあるブリガム・アンド・ウイメンズ病院の形成外科医ボーダン・ポマハク氏(Bohdan Pomahac)によると、顔面移植は臓器移植と同じで移植した顔が一生持つわけではないという。ポマハク医師は、もうすぐ14年の付き合いとなる患者カルメンさんについて次のように語った。

「カルメンさんは2019年10月に移植希望登録を済ませ、幸運にも翌年7月にドナーが見つかりました。ドナーの女性とカルメンさんは身体的な特徴が似ていただけでなく、カルメンさんの免疫システムが以前より強くなっていたことなどから、2度目の手術のリスクは1度目よりも低かったのです。」

「それでも2度目の手術はかなりの量の出血があり、失血や血栓を防ぐために約半分の過程を終了したところで一旦休止しました。40人のチームはその夜、十分な休息をとり、新鮮な気持ちで翌日の手術に臨むことができたのです。手術は2日間、20時間以上を要しました。」

一方のカルメンさんは、手術後の自分について「2度目の手術では片耳を除いたドナーの顔が移植されました。手術後は傷の痛みはありましたが、それまでの首の痛みなどは全くなくなりました。私は目がほとんど見えないため自分の顔をしっかりと確認はできないのですが、鏡に近づいたり、自撮りしたものを引き延ばして見ることで雰囲気をつかむことはできるのです」と明かした。

そんなカルメンさんは最近、ドナーとなったケイシー・ラブリエさん(Casey LaBrie、36)の家族にオンラインで面会したという。15歳の娘がいるケイシーさんは昨年7月5日にヘロイン中毒で亡くなり、カルメンさんを含む6人に心臓、肺、腎臓、肝臓などを提供したそうだ。

ケイシーさんの義姉は「私たちは最初、ケイシーの顔の提供には反対でしたが、今はドナーになったことを喜んでいます。なぜならカルメンさんは、絶望の淵にいた私たちにポジティブになること、希望を持つことを教えてくれたのですから。パンデミックが終わったら是非、カルメンさんと直接お会いしたいです」と述べている。

そしてカルメンさんは「ケイシーさんの家族には心から感謝しています。特に私は、長いまつげがとても気に入っているんですよ」と笑い、こう続けた。

「医師には『2度目の顔も最初の時と同じように7年しか持たないかもしれない』と言われていますが、この顔はきっと私がこの地球を去る日まで持ってくれると信じています。3度目の移植はもうないでしょうね。この顔はドナーが与えてくれた私の顔。私はこの顔を見るたびに、ケイシーさんのことを考えるのです。」

「私の成功の秘訣はネガティブなことは考えないことです。不平や自分ができないことを言うのは簡単ですが、もし自分がポジティブになれなかったら、惨めで、障がいがあって、目が見えなくて、依存する人間で終わってしまう。それに心的外傷後ストレス障害を抱え、気分も滅入ってしまうでしょう。だから私は世間のネガティブな意見には耳を貸さず、自分ができることを頑張りたいのです。だって2度の顔面移植によって、私の人生は確実に自由で、素晴らしいものになっているのですから…。これからどんなことが起きるのか、今からとても楽しみにしています。」

画像は『7NEWS.com.au 2021年2月28日付「Domestic abuse survivor becomes 1st person ever to undergo second face transplant」(Credit: Carmen Tarleton)(Credit: NBC)』『TODAY 2021年2月28日付「Domestic abuse survivor becomes 1st person ever to undergo second face transplant」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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