サッカー海外挑戦中の森下龍矢(ジュビロ磐田ユース出身)が語るポーランドリーグ「ゴリゴリ。たまに発煙筒が飛んでくる」
名古屋グランパスからポーランド1部レギア・ワルシャワに期限付き移籍している森下龍矢選手(磐田ユース出身)が地元の掛川市で静岡新聞社の取材に応じました。初の海外挑戦となった今季は「満足はしていない」と振り返り、日本代表と欧州五大リーグ挑戦への意欲を見せました。
一問一答
―シーズン途中の加入となった今季を振り返って。
「13試合に出場して半分くらいがスタメンだった。ポジションは名古屋のときと同じ左右のWB。左右どちらもやれるところが評価ポイントの一つだった。チームの成績はリーグ3位。個人としては満足していない。運動量や上下動の繰り返しなど自分の良さをぶつけることはできたが、数字としての結果を出せなかった」
―海外でプレーする難しさは。
「自分が外国人選手になるのはいい経験だった。『いいプレーだったね』だけではなくて、どう数字を残せるかが大変だった。結果を出して認めてもらわないといけない。
チャンスメークはできたが、得点とアシストはゼロだった。かなり悔しい。幸運にも契約はあと半年あるので、そこでしっかり結果を残せるように頑張りたい」
―ポーランドリーグの特徴は。
「フィジカルと空中戦。ゴリゴリです。ドイツにも似ているが、ドイツはもう1段階ブラッシュアップした感じ。日本人のクイックさやスピードはポーランドに入れば異質。そこを存分に出すことが、僕がポーランドやヨーロッパで生き残るすべなのかもしれない。
ホームゲームは3万人くらい入るスタジアムが毎試合満員。エンタメ要素やVIPルームがあり、楽しんでもらおうという雰囲気がある。サポーターも熱狂的で、たまに発煙筒がピッチに飛んでくる。彼らからすると普通らしい」
―ポーランドでの生活は。
「すごい楽しい。親日国で、文化的にも似ていて、ルールや時間を守るというところがすごく日本っぽい。ポーランド料理もおいしい。
たまに妻が日本料理を作ってくれて、故郷の味を楽しんでいる。現地はお茶やラーメン、アニメなど日本の文化もブーム。リスペクトしてくれている。チームも市内では有名なので、結構声をかけてもらえる」
―欧州五大リーグへの思いは。
「ブンデスリーガやプレミアリーグを目指してチャンピオンズリーグに出たい。ポーランドに移籍して、時差なくブンデスリーガを見られたり、チームメートがブンデスリーガに行ったり、そういうのを間近で見るとより近くなったと感じる。自分もいけるんじゃないかと。物理的に近づくことで、心理的にも近くなることに気づかされた」
―今回、日本代表に選ばれなかった。
「悔しいが、妥当。ポーランドでしっかり結果を残すことが代表につながる。代表は責任重大だが、ある意味で副産物。クラブでの活躍が評価されて代表がある。代表に入りたいという思いは大事だが、そっちにウエートがいくのではなく、クラブでの自分の姿を見つめ直し、突き詰めることが一番大事。とにかく焦らずです」
―静岡のサッカー少年にメッセージを。
「本気でプレーすることが大事。本気でやってこそ、反省、後悔、本物の改善策が生まれる。本気でプレーして本気のミスをしてほしい。僕はそうやって成長してきました」