多めは逆効果!? 知って得する柔軟剤の正しい使い方、プロが教えます!
においが気になる季節、おすすめのタイプとは!?
皆さん、洗濯をするときに柔軟剤は使っていますか?柔軟剤を入れると香りが付いたりタオルがふわふわになったりと良いことばかり!と思いますが...。実は意外と知らない「柔軟剤の正しい使い方」について、洗濯・シミ抜き職人で生活情報サイトAll About洗濯ガイドの神崎健輔さんにSBSアナウンサー松下晴輝が話を聞きました。
松下:最近は商品がたくさんあるので柔軟剤を香りで選んでいる人も多いかと思いますが、そもそも柔軟剤の役割って何でしょう?
神崎:衣類の生地をやわらかくすることで静電気を軽減し、その効果によって衣類の着心地を向上させることが本来の役割です。近年は「防臭効果」、「シワ軽減」、「抗菌」など機能のバリエーションが増え、「香りの持続化」は2000年以降に追加され始めた機能です。
松下:柔軟剤といえば香り付けのイメージが付いてしまっていますが、近年追加された機能なんですね。私も番組スタッフも同じ柔軟剤を1年を通して使っていますが、季節ごとに変えた方がいいなど使い方のコツはありますか。
神崎:梅雨の時期は部屋干しのにおいが気になるので「抗菌タイプ」、夏は汗をかくので「吸水性の高いタイプ」など季節ごとに必要な機能で変えてみるのがおすすめです。そうすることで洋服をもっと楽しめると思います。
多めの使用は吸水性低下や黒ずみの原因に
松下:普段、タオルを枕元に敷いて寝ているのでタオルを柔らかくしたくて、気持ち多めに柔軟剤を入れています。これは問題ないですか。
神崎:柔軟剤を適量の2〜3倍入れることはNGで、デメリットしかありません。例えばタオルを洗濯する時に2〜3倍を使ってしまうと吸水性が悪くなり、汗を吸わなくなります。
また、衣類を柔軟剤多めで洗ってしまうと黒ずみが生まれます。横型のドラム式洗濯機で洗っているとどんどん少ない水で洗ってしまっているので洋服をさらに汚しやすくなります。だから柔軟剤は適量が鉄則なんです。
松下:柔軟剤は多く使えばその分いい効果が2〜3倍増えると錯覚していましたが違うんですね。多めはNGとのことですが、少ない場合はどうですか。
神崎:多少効果が薄くなるくらいの感覚で特にデメリットは感じません。入れすぎる方がはるかにデメリットが大きいので普段から少し少ないくらいで使ってください。
こんな使い方もNG!
松下:ほかにも柔軟剤の使い方としてNGなことはありますか。
神崎:例えば洗濯用洗剤と一緒に使うのはNGです。柔軟剤と洗剤は逆の効果を持っているので、一緒に使うことでお互いの効果を打ち消してしまいます。汚れが落としきれなくなり洋服に付着したまま柔軟剤が汚れを封じ込めて洗ってしまうことになり、それを繰り返すことでなかなか汚れが落ちなくなり、においの原因にもなります。
松下:洗濯機にある柔軟剤投入口に入れておくのは問題ないですか。
神崎:全自動洗濯機は、すすぎのタイミングで柔軟剤が使われるので間違いありません。
松下:柔軟剤や洗剤を入れる部分は頻繁に掃除した方がいいですか。
神崎:できれば毎日!と言いたいところですが、1週間を目安に確認して汚れていたら掃除しましょう。特に柔軟剤は残りやすく、すすぎにくい部分があるので入れる部分が比較的汚れやすいです。雑菌やカビを増やしてしまうのでこまめに掃除をしてください。
正しい柔軟剤の使い方をおさらい
松下:改めて柔軟剤の正しい使い方について教えてください。
神崎:水の使用に合わせて適切な量を守ることが一番大切です。汚れをしっかりと落とす洗い方はもちろん、洗剤と一緒には使用しないでください。
松下:汚れをしっかりと落とすといえば...汗ばむ季節はワイシャツの首や襟元がすごく汚れます。そんな時は青棒石けんで落としてから洗濯機に入れる方がいいですか。
神崎:いいと思います。私たちプロも襟まわりは洗浄してから洗うようにしています。そうすることでワイシャツも白い状態を維持できますよ。
汚れ落としは青棒石けんや食器用洗剤が効果的
松下:ちなみにワイシャツの白を維持するためのおすすめアイテムはありますか。
神崎:やはり石けんの効果が絶大で効率がいいので青棒石けんがおすすめですよ。手元にない場合は代用品として食器用洗剤を塗って洗うだけでも十分に落とすことができます。
松下:へぇ〜。食器用洗剤を使うのは発想になかったです。いい勉強になりました!
汚れをしっかり落としてにおいを抑制
神崎:においが気になって毎日洗えないという人も多いかもしれませんが、乾かし方に気を付けてみてください。そして洗濯物を溜めずに洗ってください。洗濯物は溜めると汚れが落ちにくい原因を作ってしまいます。
それから、梅雨の時期は水量を1ランク上げてみてください。節水機能が進んでいますが、汚れを落とすのは水の力です。水をたっぷり使うと汚れ落ちが良くなり、汚れが落ちると雑菌のえさを減らせて、におわない洗濯ができます。
松下:水は多めですね!
神崎:もし満水状態になってしまったら、洋服を少し取り除きスムーズに洗濯機が回る状態で洗ってください。
松下:季節によって洗濯の仕方やコツがいろいろとあるんですね。
神崎:夏は粉末タイプ、冬は液体タイプと、季節で洗剤を変えるのもおすすめです。
香りを付けたくない時はクエン酸で代用
松下:クエン酸が柔軟剤代わりになると聞いたことがありますが、これは正しいですか。
神崎:抗菌効果もあるので洋服がふわふわになり、におわせない効果にもつながると思います。
松下:クエン酸はあくまで柔軟剤の代用ですね。
神崎:雑菌の繁殖を抑えて嫌な匂いを防いでくれます。
松下:すぐに実践できる工夫やコツがたくさんで勉強になりました。ありがとうございました。
※2024年5月24日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。今回お話をうかがったのは……神崎健輔さん
洗濯・シミ抜き職人。実家の老舗クリーニング店「白洋社」部長。株式会社クラスタス CTO。宅配クリーニング「Nexcy(ネクシー)」CTOとして、全国から集配可能なクリーニング店の運営も行う。またそれらの経験をもとに、「洗濯ハカセ」として、家庭でもできる洗濯・シミ抜き術を発信中。テレビ雑誌等、メディア出演多数。