「大丈夫だよ」と伝えるときの表現 ––––ニュアンスの違いをネイティブが解説 【ラジオビジネス英語】
「心配しないで。(私は)大丈夫」や「その件なら大丈夫だよ」など、「大丈夫」はいろんな状況で使われるひと言。It’s all right. / It’s OK.やNo problem. といった定番表現のほかにも、いろいろな言い方があります。今回は「ラジオビジネス英語」8月号の「Lisa’s Expressions」から、「大丈夫だよ」という気持ちを伝える表現をご紹介します。
It’s going to work out.
It’s going to work out.(うまくいくよ)
「どうなるんだろう?」と相手が心配している状況にピッタリの表現。「気にしていることはいい方向に進むよ」という気持ちが伝わります。
It’s going to work out. We have enough time to prepare.
(うまくいくよ。準備する時間は十分あるんだから)
No sweat. / No worries.
No sweat. / No worries.(問題ないよ)
「難しいことではない(簡単なこと)ですよ」「何の問題もありません」という意味の口語。両方ともほとんど同じ意味で使えます。
A:Can you finish up this report by Wednesday?
(このレポートを水曜までに仕上げられる?)
B:No sweat.
(楽勝です)
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A:Do you accept cash?
(現金でもいいですか?)
B:No worries. We do.
(大丈夫です。現金もお使いになれます)
No big deal.
No big deal.(大したことではないよ)
No sweat.やNo worries.と似た意味で使われるひと言。big dealは「大事なこと」ですが、(It’s) no big deal. /It’s not a big deal.で「大丈夫だよ」「気にしないで」などの意味になります。
A:I’m sorry for calling you late last night.
(きのうの夜遅くに電話して、ごめんね)
B:(It’s) no big deal. No worries.
(大丈夫。気にしないで)
It’s not the end of the world.
It’s not the end of the world.(世界の終わりじゃないよ)
「思っているほど悪い状況じゃないよ」「そういうことだってあるよ」といったニュアンスがあり、過剰に心配している相手を励ますときなどに役立つ表現です。ただし私は、深刻なときではなく軽いノリの会話で使っています。
A:The pot stickers are ready but there is no more soy sauce!
(餃子ができたのに、お醬油がもうないんだ!)
B:It’s not the end of the world. We have some hot sauce.
(大したことじゃないよ。ホットソースがあるじゃない)
Don’t fear for your future.
Don’t fear for your future.(将来を心配しないで)
「これからどう生きていこう?」と悩んでいる人には、心にストンと響く言い方かもしれません。「心配しなくてもいいよ、何とかなるものさ、大丈夫、明日のことなんてわからないよ」といったメッセージを含んだ言葉です。
A:The company I worked for went bankrupt.
(僕の勤務先が倒産したんだ)
B:Don’t fear for your future. You’ll get an even better job.
(これからのことを心配しなくても大丈夫。もっといい仕事に就けるよ)
★友人が骨折したと聞いて、 「彼なら大丈夫だよ。すぐによくなるよ」と言うなら……?
He will be all right. He will get better soon.
「大丈夫」の難しさ
上のような場面で「彼(第三者)なら大丈夫」と言うときにはそれほど問題はないでしょうが、話している相手のことについてIt’s all right.と言う場合は注意が必要かもしれません。例えば、悩みを抱えている本人や大きな失敗をした本人に言葉をかけるとき、It’s all right.とはなかなか言えない気がします。事情をきちんと把握していなかったり、状況がよくなるという根拠がなかったりするのなら、all rightなどではなく、I’m here.を使って、次のように言ってみてはどうでしょう?
I’m here. Please tell me how I can help.
(私はここにいるからね。どうすれば役に立てるか教えてね)
執筆者
リサ・ヴォート
アメリカ・ワシントン州出身。メリーランド州立大学で日本研究準学士、経営学学士を、テンプル大学大学院で TESOL(英語教育学)修士を取得。専門は英語教育、応用言語学。2007年度 NHKラジオ「ものしり英語塾」で講師を務める。現在、青山学院大学非常勤講師。また、写真家としても活躍している。『知ってる英単語で広がる英会話』『CD BOOK ネイティブ感覚で もっと伝わる日常英語』(ともにNHK出版)など著書多数。
※記事公開時点での情報です
■NHKテキスト ラジオビジネス英語 2024年8月号より