「やっちゃいけないことができて爽快」倍率は138倍!書店の床にゴロ寝もOKの夢のツアー
活字離れにあの手この手…。
読書の秋ですが、本好きにはたまらないツアーが札幌で開催されました。
本に囲まれて過ごす一夜。
”書店に住んでみる”ツアーに密着しました。
本屋さんで、あろうことか、床の上やベンチに寝そべって、本を読む人たち。
「めっちゃ爽快感ある。やっちゃいけないことを堂々とできて」
参加者がうれしそうに話します。
北海道で初開催の「書店に住んでみるツアー」です。
午後9時
10月25日午後9時、営業を終えた丸善ジュンク堂書店札幌店。
なぜか、止まったエスカレーターを歩いてのぼる人たちが…
「普段読まないジャンルの小説とかを読めればと思ってきました」
「せっかくのイベントなので、寝ないでたくさん本を読めるようにがんばりたい」
みなさんの目的は、この書店で一晩過ごすこと。
その名も「丸善ジュンク堂に住んでみるツアー2025」。
この企画は10年前、「ジュンク堂に住みたい!」という1件のSNSの投稿をきっかけに始まりました。
これまで年1回、東京、大阪など実施されましたが、ついに今年、北海道で初めて札幌で開催されることに。
MARUZEN&ジュンク堂札幌店の菊地貴子店長は「満を持して札幌での開催、大型店舗なので地下2階から4階までゆっくりお客様にご覧いただきたいと思っている」と話します。
閉店後の店内で一晩、本を読み放題という読書家には夢の時間です。
「690件の応募があり、それを勝ち抜いた5組10名様。すごい倍率だった」
抽選の倍率は、なんと138倍という狭き門でした。
「本を読むぞー!おー!」
参加者たちはやる気満々です。
午後10時
「1冊目は仕事関係の本。これにしました」
「なんか恥ずかしいですね…経済学の本」
100万冊を超える本に囲まれ、参加者たちは思い思いに読みたい本を手に取ります。
午前0時
さぁ日付も変わる時刻…みなさん眠くないのでしょうか。
「全くですね!」
「まだ2冊。映画の小説読んでいたら気づいたら1時間たってた」
徹夜に備えお菓子や飲み物なども用意されていて、好みの場所で本を読みふけります。
「いったん寝ます」
中には、早々に仮眠を取る人も。
午前3時
「めっちゃ爽快感ありますよ。やっちゃいけないことを堂々とできて。ただ人が通るとき恥ずかしくて」
クッションを持ち込み、床にゴロ寝で本を読むふたり。
「なんか明るいから全然3時って感じがしない。あんまりない経験だから表紙とかを見るだけでもすごく面白いなと感じる」
普段本を読まない取材ディレクターも1冊手に取ってみましたが…なんだか落ち着きません。
本好きのみなさんのように、本に集中できず、あきらめてしまいました。
26日午前6時
参加者の20代男性が「じつは30分寝ました」と教えてくれました。
「すっきりしました!スッと寝れてスッと起きられて気持ちよく。これはこれでありですね。本屋さんにずっと住みたいかといわれるとそうではないが…ホテルみたいな感じで非日常を味わいたいときに来たい」
20代女性は「読み切れるかなってちょっと不安になってきました。寂しい気持ちはすごくあります。終わっちゃうんだもう…もうちょっといたい」と名残惜しそうです。
午前7時30分で、ツアーは終了。9時間半の間に、10冊以上の本を読破した人もいました。
「ほんとにいろんなジャンルの本を読めてよかったと思います」
「何回でも応募して抽選を突破します。読書最高!」
今回の募集定員は5組10人。
応募が殺到して抽選倍率は138倍に。
参加は無料ですが、ツアー終了時に1人最低3冊の本を買うのが条件でした。
夜10時から翌朝7時半まで、地下2階から4階までの6フロアでビニールがけの雑誌など以外は自由に本が読めます。
ちなみに、今回の「住んでみるツアー」参加者には、終了後にこちらの特別住民票が記念に発行されました。
丸善ジュンク堂では今後も全国各地で、このツアーをおこなっていくそうです。
HBC・Sitakkeでは活字離れにさまざまな方法で文化を守っていく動きも記事で取材しています。
ちょっと読書から遠ざかっていた人も本を手に取ってみてはいかがでしょうか。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年10月27日)の情報に基づきます。