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海釣りの代表的な3つの仕掛け自作方法を徹底解説【胴突き・ウキ釣り・ブッコミ】

TSURINEWS

(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

市販仕掛けを使ってある程度釣果を得られるようになった頃、ふと考えたくなる「仕掛けのコスト」。月に1回程度の釣行であればそれほどでもないが、毎週釣りに行くとなると、ランニングコストがかかりフトコロが痛い……という方も多いのではないだろうか。今回は、低コストで出来る海の餌釣り用自作仕掛けについて紹介していきたい。

初心者にオススメの自作仕掛け

まずは、初めての仕掛け作りでオススメしたい仕掛けと、その仕掛けで堤防から狙える対象魚を紹介しよう。

胴突き仕掛け

どの釣具店でもほぼ確実に入手できるのが胴突き仕掛け。全長が短い物から長い物、小物狙いから大物狙いまで、実に幅広いラインナップが存在する。造りがシンプルなので、初めての自作にピッタリだ。

根魚狙いに最適(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

ウキ釣り仕掛け

道具立てが非常にシンプルなウキ釣りは、エサ次第で様々な魚種を狙える万能仕掛けと言える。道具さえ揃えてしまえば自作する部分は少ない為、初心者でも対応しやすい。

様々な魚種が狙える(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

ブッコミ仕掛け

こちらも非常にシンプルな仕掛け。オモリ、ライン、サルカン、針があれば作ることが出来る。針周辺に夜行ビーズをセットして集魚効果をアップさせるなど、シンプルが故に様々な応用が出来るのも面白いところ。

ブッコミと言えばアナゴ(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

胴突き仕掛けの作り方

まずは根魚やカワハギに有効な胴突き仕掛けを紹介しよう。

胴突き仕掛け全体図(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

胴突き仕掛けとは

胴突き仕掛けは、1本のミキ糸と複数のエダスで構成される仕掛け。針数は多いが比較的造りやすくアレンジも用意だし、複数針があるためにダブルやトリプルヒットもありえる。最初は針数を2本~3本程度で作成するのがおススメだ。

対象魚

堤防から使用する際に主な対象魚となるのは、メバルやガシラ(カサゴ)と言った根魚、近年近畿地方で大人気のカワハギなど。サシエを工夫すると小ダイやグレ等も狙えるほか、1本針にアジを付けてノマセ仕掛けとしても使用できる。

作り方

(1)まずは仕掛け全長と針数を決める。今回は根魚狙いのものを紹介するので、仕掛け全長は1mとする。この場合、ミキ糸となるライン(2.5号程度)は1.1m程度で用意しておく。そして糸の両端に、サルカンとスナップサルカンをそれぞれ結んでおこう。

(2)ハリスを用意する。今回は15cmで作るため、1.5号のラインを20cm程度にカットし、針を結んだものを3本用意しておこう。

針の結び方は外掛け本結びがおススメだ。

(3)幹糸にハリスを結んでいく。こちらはいわゆる「8の字結び」を用いる。

通常の8の字結び(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

この8の字結びを、ラインを「2本束ねて通常通り結ぶだけ」で、エダスをミキ糸に結びつけることが出来る。

2本束ねてやればこうなる(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

あとはハリスが直角に出てくるように、ハリスをエダスに1周巻き付けてから輪の中に通す「ハーフヒッチ」を行えば、エダスのセットは完了だ。

ハーフヒッチで留める(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

後はスナップサルカンにオモリをセットすれば完成となる。ちなみにカワハギ狙いなら、針をカワハギ針の3号~6号、ハリスは2号~3号、ミキ糸は3号~4号に変更し、ハリスの長さを3cm~5cm程度にすると良いだろう。どの魚種を狙う時も基本の作り方は同じなので、是非一度覚えてみてほしい。

また、筆者の過去記事も参考にしてもらいたい。

ウキ釣り仕掛けの作り方

続いて、様々な魚種を狙えるウキ釣り仕掛けを紹介しよう。

ウキ釣り仕掛け全体図(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

ウキ釣り(仕掛け)とは

様々な形・浮力のウキを用いて、一定のタナをキープしながら釣る釣り方をウキ釣りと呼ぶ(ゼロスルスルなど特殊な釣りは除く)。ウキや針・ライン・オモリのサイズを変更することにより、あらゆる魚種を狙うことが出来る万能な釣りだ。

対象魚

アミエビを使ってアジ・サバやサヨリ、撒き餌を使用してやチヌ・グレ、エビ撒きのメバルといったところから、エサを小魚に変えればタチウオや青物・ヒラメまで狙うことが出来る。工夫次第で、堤防で釣ることが出来る全魚種が対象になる、と言っても過言ではない。

作り方

こちらは大変シンプルなので、実際に「作る場所」はハリス部だけとなる。堤防で釣れる魚種(根魚やアジ・コッパグレ/メジナ等)をオールマイティに狙いたいなら、ハリスの全長は50cm~1m程度とし、ハリスは1.5号~2号、針はチヌ針の2号~3号を使用すればいい。それ以外は、ウキ留め糸、シモリ玉、ウキ、クッションゴム、ウキに合わせたオモリを、先ほど紹介した仕掛け全体図の注釈順で通していくだけだ。

ブッコミ仕掛けの作り方

最後に、簡単に作成できて気軽に大物を狙えるブッコミ仕掛けを紹介しよう。

ブッコミ仕掛け全体図(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

ブッコミ釣り仕掛けとは

オモリ、サルカン、ライン、針という非常にシンプルな構成になっており、実際に作成するのはサルカン~針までのハリス部のみになる。重いオモリで底まで沈めて釣るため、アナゴやキスなどの底生魚を狙うのに有効とされる。どんな竿・リールでもOKなのが嬉しいところだ。

対象魚

夏場はウナギやアナゴといった長物、キスやカレイといった投げの対象魚の他、場所によってはマダイやチヌ・スズキといった大物が狙える。潮通しが良い場所やサーフで小魚をエサにすると、マゴチやヒラメといったフィッシュイーターを狙うこともできる。

作り方

こちらもウキ釣りの仕掛けと同じように、実際に作るのはハリス部のみ。これが初心者向けと言える所以だ。アナゴやウナギを狙うならオタフクオモリは8号~10号程度を使用し、ハリスは3号~4号、針はウナギ針の12号程度でOKだ。

キスを狙うならハリスは1号程度、針はキス針7号~8号。河口で大物を狙うなら、ハリスは5号~8号、針はチヌ針6号や丸セイゴ針15号程度を使用する、といった具合に調整してみてほしい。

手作りの仕掛けで対象魚に挑もう

著者は小学4年生の頃から釣りを始めたのだが、両親の方針もあり「物を大事に」と教えられてきた。そのため、海釣りで市販仕掛けを使用した後、まだ再利用できるサルカンや針等を全て集めておき、真水で洗って研ぎ直してから、別の釣りに使える仕掛けを手作りしていた。

こうする事で小学生の月数百円のお小遣いでも、近所の川やたまに釣れていってもらう海で沢山釣りを楽しむことが出来た。今でもその習慣は変わらないので、釣りにかかる費用は最低限に抑えられていると自負している。仕掛けを自作すれば腕も良くなるうえにコスパも良いので、是非仕掛けを作ってみてはいかがだろうか。

<荻野祐樹/TSURINEWSライター>

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