ハゼ釣り仕掛け全6種類を徹底解説 市販されているオススメ仕掛けも紹介
ハゼ釣りの仕掛けには、ミャク釣り仕掛け、ウキ釣り仕掛け、ちょい投げ仕掛けといったエサ釣りの定番仕掛けから、ハゼスプーンやハゼクラ、ワームを使った仕掛けなどルアーを使った仕掛けも近年は登場しました。今回はそんなハゼ釣りの仕掛けについて解説。オススメの市販仕掛けの紹介も含めて解説します。
ハゼ釣りの仕掛け
ハゼ釣りの仕掛けは様々で、ミャク釣り一つをとっても多くの仕掛けがあります。仕掛けの種類を紹介する前に、まずは多くの仕掛けに共通する針やハリス、エサなどについて解説します。
ハゼ釣りの針
ハゼは口が小さく吸い込むように捕食するので、フトコロが狭い針が最適です。主に長軸で流線型のハゼ専用針や、短軸の袖針が使われます。
流線型はしっかりとハゼがエサを食い込めば抜けにくく、口の大きいハゼや、じっくりとエサを食わせる釣りに向きます。一方の袖針は、短軸でハゼの口に掛かりやすいので、小さいハゼや、素早くアワセて掛けに行く仕掛けに向いています。
針の大きさも重要な要素の一つでハゼのサイズに合わせた号数を使いましょう。10cm程度のハゼなら流線型は5号程度、袖針は3~4号程度が基準となります。アタリがあっても掛からない場合は、針のサイズの不一致が原因なことも多いので、小さくするなど調整してみましょう。
また、ハゼは視覚でもエサを追うため、水色や光量によっては赤や金色など派手な針の色にアタリが増えることがあります。
ハゼ釣りのハリス
ハリスは0.6~1号程度を使うことが多いです。ハゼ釣りではハリスが基本的に底に着いているため、多少号数が太くてもアタリは出ます。そのため、ハゼの食いに応じて太さをを調整するといった場面は少なく、障害物の多い場所や底を引きずるような釣りでは太めの号数を選択するのが良いでしょう。
一方で、ミャク釣りやちょい投げ釣りにおいては、ハリスの長さが釣果に影響することがあります。ハリスの長さによってアタリの分かりやすさやエサの漂い方、食い込みの良さが変わるためです。アタリが分かりづらい場合はハリスを短くし、食い込みが浅くて掛からない場合は長くしてみると効果的です。状況に応じて調整することで、釣果が向上するでしょう。
ハゼ釣りのエサ
虫エサが定番で、中でも細身で柔らかいジャリメやゴカイがおすすめです。アオイソメもポピュラーなエサですが、ジャリメなどに比べると硬く太いことが多いため、小型がメインとなる夏場では吸い込みにくく、釣果が落ちることがあります。購入時には必ず細いアオイソメを選ぶようにましょう。
その他、タンパク質には広く反応する魚なので、初期シーズンにはベビーホタテを割いたものも有効。ハムや海老などを小さくちぎって付けるなどしても釣ることができます。
また、視覚でもエサを追う習性を活かして、生餌ではなくワームやクランクベイトなどルアーを使っても釣ることができます。
続いてハゼの仕掛けの種類と、種類ごとの釣り方やおすすめ仕掛けを紹介します。
ハゼのミャク釣り仕掛け
ミャク釣りはアタリが手元にダイレクトに伝わるのが特徴で、基本的には竿の届く範囲を探る釣りです。手返しよく釣ることができるので、数を伸ばしたい場合におすすめの釣り方となります。
ミャク釣りの仕掛けはさまざまですが、シンプルな構成としては、ナス型オモリにスナップを付けてメインラインに直結し、スナップの横からハリスを出す仕掛けも定番。
メインラインの先にサルカンを結び、その先にハリスと針、そしてサルカンの上にカミツブシオモリや中通しオモリを付けるものもよく使われます。こちらはメインラインに目印を取り付けてアタリを視覚的に分かりやすくするのも効果的です。
また、小さい片天秤を使った天秤仕掛けも使われます。天秤のアームによって仕掛けが絡みにくく、アームがしなってフッキングをアシストしてくれるのがメリットです。
使うオモリは竿の範囲を探るため、感度重視で0.5~2号程度の軽いものが使われます。流れなどに応じて、底が取れる重さを選びましょう。
ハゼスプーンも有効
ハゼは派手なものや動くものに反応しやすいので、ルアーのスプーンやブラーの先に短いハリスと針を結んだ仕掛けも効果的。スプーン自体のフラッシング効果や、ヒラヒラとした動きでハゼを誘うためアピール力は高く、大きくなって警戒心が出てきたハゼや、低活性のハゼに対して特に有効です。
ハリスは短めがおすすめ
どの仕掛けを使うにしても、ミャク釣りはハゼがエサを咥えた瞬間にアワセに行く釣りなので、ハリスの長さはレスポンス重視で短めがおすすめ。ベテランになると3cmほどのハリスを使う人もいますが、短くするほど食い込みは悪くなりアワセのタイミングはシビアになります。初心者の場合は、まずは5cmぐらいで始めて状況に応じて調整してみましょう。
ミャク釣りのタックル
ノベ竿なら、長さは足場の高さやポイントの距離に応じて2~4m程度を使い分けます。特に、2.7~3.3m程度の長さが汎用性が高く、多くのシーンで活躍します。竿の種類はヘラ竿や渓流竿、量販店で安く売っている万能竿、小物竿など幅広く使えますが、硬調で先調子な竿のほうがアタリを捉えやすくアワセを利かせやすいので最適です。竿に結ぶミチイトはナイロンやフロロの1号程度を使用します。
リールタックルの場合、感度の良いアジングロッドやメバリングロッドなどのライトゲームロッドが最適です。ノベ竿と比べると長さがないので竿下で探れる範囲は限られますが、ちょい投げに切り替えて探れるのがメリット。リールは1000~2000番程度の小型スピニングリールを使用し、ラインには伸びの少ないPE0.3~0.5号前後を巻きます。また、リーダーとしてナイロン0.8号20cmほどを簡単なノットでいいので結んでおきましょう。
ミャク釣り仕掛けの釣り方
ハゼが居着いている障害物周りなどを狙うのが基本です。仕掛けを投入したら道糸を張りつつ、常にオモリが底に着いている感覚を維持しながら、竿先や手元に伝わるアタリを待ちます。
投入地点で待つことも有効ですが、ハゼは動くものや落ちてくるものに反応するため、竿の動きやリールを利用して底をズル引きしたり、底を切って落とし直したりする誘いも効果的です。
アタリがあった際は基本は即アワセ。このアワセのタイミングを掴むことが数を伸ばすポイントになります。アタリはあるのにどうしても掛からない場合は、少しアワセのタイミングを遅らせてみたり、ハリスの長さの変更や針を小さくしたりなど仕掛けへの工夫も試してみましょう。
おすすめのミャク釣り仕掛け
・ささめ針/道具屋ハゼ片天秤
アワセて掛けに行くのが基本のハゼのミャク釣りでは、アーム長の短いレスポンスの良い小型天秤が向きます。「ハゼ片天秤」は感度もよく、定番のアイテム。天秤があることで初心者でもアワセを利かせやすく、手返しよく釣ることができます。
・ゼスタ/ハゼスプ
ゼスタの「ハゼスプ」は名前の通りハゼ専用のスプーン。独特なフラッシング効果によるアピール力が高く、活性が低いときに強いアイテムです。釣果はやや落ちるものの生餌ではなく小さなワームや人工餌を付けても釣れます。
ハゼのウキ釣り仕掛け
ウキ釣りは視覚的にアタリが分かりやすいのが特徴です。仕掛けの構成としては、ミチイトにウキ止めとウキを通し、その先にサルカンを結びます。サルカンの先には、ハリス0.6~0.8号を約30cm結び、その先に針を付けます。オモリはウキに合わせた重さのカミツブシオモリなどをサルカンの上に付けましょう。
ウキの種類には棒ウキ、玉ウキ、シモリウキなどがあり、小物釣り用の小型のものを選ぶと良いでしょう。浮力が高すぎるウキはアタリが出にくいので注意が必要です。
ウキ釣りのタックル
ノベ竿が主流で、長さは足場の高さやポイントの遠さに応じて2~4m程度を使い分けます。ミャク釣り同様に2.7~3.3mぐらいが汎用性が高いです。ミチイトはナイロン1号程度を使用します。
ウキ釣り仕掛けの釣り方
ウキ下の調整が重要で、ハゼの習性上エサが底をはうように調整します。ウキ下が浅すぎてエサが底から離れるとアタリが出ません。オモリまで底に着くとウキにアタリが出にくくなるので注意が必要です。ウキにちょんちょんとアタリがあったら、ウキが十分に沈み込むのを待ってアワせます。
おすすめのウキ釣り仕掛け
・OWNER/はぜポリウキ仕掛
シンプルな玉ウキの仕掛けで、のべ竿にチチワ結びでセットすればそのまま使えるので初心者にも最適です。根掛かりもある釣りなので、ハゼのサイズに応じて糸付きの替え針とガン玉、替えのウキも用意しておくと便利です。
ハゼのちょい投げ(ブッコミ)仕掛け
ちょい投げ仕掛けは投げて広範囲を狙えるのが大きなメリットです。遠浅のポイントで広範囲を探る場合や、秋以降の深場に落ちたハゼを狙うのに適しています。
仕掛けは片テンビンを使った仕掛けが基本。ハリスと針は市販品などの2~3本針のちょい投げ仕掛けを使うのが一般的です。ただ、浅場にいる高活性の時期なら、ミャク釣りの延長のようなイメージでショートハリスに1本針といった仕掛けで、アタリを取ってアワセに行くのもおすすめ。ただし、投げて釣る場合はアワセのタイミングが遅れるので、ハリスを極端に短くするのは避け、10cm以上の長さに設定すると良いでしょう。
オモリは浅場にいる時期なら1~3号程度でも十分ですが、ミオ筋などを狙って投げて釣る場合は10号程度まで使用します。
ちょい投げ仕掛けのタックル
タックルは1.8mから2.4m程度のスピニングロッドが適しています。軽いオモリで浅場を攻める場合はメバリングロッドやアジングロッド、重いオモリで広く探る場合は5~10号程度を背負えるバスロッドやエギングロッドなどを使います。リールは2000~3000番程度の小型スピニングリール。ミチイトはPE0.5~0.8号で、リーダーはナイロンやフロロの1.5号程度を使います。
ちょい投げ仕掛けの釣り方
狙うポイントは沖のカケアガリや障害物の周りです。投げたら底を取って、リールをゆっくり巻いてサビいてきたり、たまに仕掛けを跳ねさせて誘います。いずれの場合も、誘ったあとは仕掛けを数秒ステイさせ、食わせの間を作ることが大切です。
アタリがあった場合は軽くアワセたほうがいいこともあれば、少し食い込ませてから巻き上げるほうが掛かりやすいこともあります。このあたりは活性や使う仕掛けに応じて色々と試してみましょう。
おすすめのちょい投げ仕掛け
・ハヤブサ/ライトショット 投げハゼセット
独特な逆V字型の天秤「ライトショット 立つ天秤」がセットになった仕掛け。この天秤は道糸とハリスが一直線になるためアタリが分かりやすく、仕掛けがふわりと漂うので落ちるものに反応がいいハゼへのアピールになるのが特徴です。
ただ、サビく速度が速かったり、ハリスが短すぎたりするとエサが底を常に離れてアタリが出なくなることもあるので使い方には注意しましょう。
ハゼのルアー仕掛け
ハゼはルアーでも狙うことができます。エサよりも難易度は上がりますが、ゲーム性の高さが魅力です。
使うルアーは小さなクランクベイトで狙う通称「ハゼクラ」や、ワームなどがメインとなります。
ハゼクラの仕掛け
ハゼクラではハゼ専用やトラウト用の25~30mm程度のクランクベイトを使用します。基本は浅場を狙うのでフローティングタイプを使うことが多く、アイテムごとに潜航深度も設定されているので水深に応じて選びましょう。
仕掛けの構造としてはリーダーにスナップを介して接続、または直接結束すればOK。フックは口以外にフッキングすることも多い釣りなのでバーブレスフックを使用します。
ワームの仕掛け
ワームを使う仕掛けはミャク釣りの項で紹介したスプーンを使用した仕掛け、またはジグヘッドにライトゲーム用のアシストフックを付けたものなどを使います。
ワームはアジングなどに使用される1~2インチ程度の細身のワームをまっすぐ刺しましょう。パワーイソメなど、臭い付きの人工餌だとより簡単に釣ることができます。
ルアー仕掛けのタックル
タックルはアジング、メバリングなどのライトソルト用ロッドやエリアトラウトロッドが適しています。リールは小型のスピニングリールを使用し、ラインはPE0.3~0.5号、リーダーはフロロカーボン1.5号などを30cmほど取ります。
ルアーでの釣り方
ハゼクラはクランクベイトを底にタイトに引かなければ釣りが成立しないので、浅場のポイントを選びましょう。水深は深くても1.5mまでで、干潮時に干上がるような遠浅の釣り場が望ましいです。また、サイズが小さすぎると針掛かりしにくいので、10cm以上に成長する8~9月ぐらいが成立しやすい時期になります。
基本的な釣り方は投げて巻くだけ。クランクのリップを底に当てながら巻いてきましょう。状況に応じて反応する巻きスピードが変わるので、ハゼの反応を見ながら調整します。アタリがあってもアワセは入れずそのまま巻き続けましょう。
ワームを使う場合は底をズル引きが基本。時々食わせの間を作るストップアンドゴーや、跳ね上げさせるなどの誘いも効果的です。アワセはスプーンなら即アワセ、ジグヘッドの場合はそのまま巻き続けます。
ハゼ釣りにおすすめのルアー
DUO/クラクラ
クラクラはハゼクラ専用のクランクベイト。フックセッティングもハゼに針掛かりしやすいようにチューンナップされています。アクションはゆっくりと巻いてもしっかりとボディを振るので、活性の低いハゼにもアピールしてくれるルアーです。
<TSURINEWS編集部>