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インパルス・板倉俊之が豚汁を作る稽古場? 舞台『蟻地獄』制作発表記者会見レポート~SPICE独占・板倉俊之コメントあり

SPICE

舞台『蟻地獄』製作発表記者会見

お笑いコンビインパルス・板倉俊之の小説が原作の舞台『蟻地獄』が、2021年6月4日(金)~10日(木)よみうり大手町ホールにて上演される。

小説「蟻地獄」は、板倉の処女作「トリガー」に続く第2作目として2012年4月に発表され、直木賞作家の道尾秀介が絶賛するなど話題となり、2015年4月には武村勇治の作画によって漫画化された。舞台化の上演は、本来は2020年7月に予定されており、原作者である板倉自身が舞台脚本および演出を務めることで期待が集まったが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で公演中止となり、今公演が「復活公演」となる。

4月7日に都内某所で製作発表記者会見が行われ、板倉と出演者の髙橋祐理、山口大地、天野浩成、向井葉月が登壇した。

舞台『蟻地獄』製作発表記者会見

意気込みを問われた板倉は「成功させたいと思っている。演出家としてどういうスタンスで皆さんに接していこうかまだ定まっていない。敵対関係を作っていくのか、それとも仲良くやっていくのか、稽古が始まる前に決めないといけない」と、初の舞台演出に向けた思いを語った。

舞台『蟻地獄』製作発表記者会見 板倉俊之

二村孝次郎役で主演する髙橋は「一度中止になってしまって悔しい思いをした分、気合が入っている。板倉さんの理想像に少しでも近づけるように日々の稽古に励みたい」、カシワギ役の山口は「ビジュアル撮影のときに、板倉さんからカシワギが大好きだと言われて、これは気合入れてまずは稽古で板倉さんを納得させないと、と思っている。こういうご時世に演劇ができることの意味をしっかり考えながらやっていきたい」、宮内役の天野は「公演が中止になってしまってから、1年以上僕の中に宮内という役があった。今やっと皆様の前に宮内として立てているという喜びと、このまま最後まで素敵な舞台を届けたいという思いが強くある」、マフユ役の向井は「稽古はまだこれからなので、どんな空気になるかわからないけれども、皆さんと仲良くできたらいいなと思っている。公演中止から1年あって、役に対する気持ちはすごく強い」とそれぞれ意気込みを述べた。

舞台『蟻地獄』製作発表記者会見 髙橋祐理

司会から「かなりセリフも長いと聞いていますが」と振られた板倉は「みんな地獄を最低一回は見てもらう」としながらも「そこは本当にすみませんとしか言いようがない」とキャストにすまなそうな表情を向けると、天野は「台本を読んだらみんなセリフが多いので、僕一人じゃなくてよかった、と思った」と笑顔を見せ、髙橋は「役者としては本当にありがたいこと。自分は舞台経験が豊富な方ではないので、ずっと舞台上に立ち続けることができる機会をいただけて嬉しい。一言でも多く舞台上で孝次郎としてセリフを言いたい」と力強く語った。

舞台『蟻地獄』製作発表記者会見 天野浩成

質疑応答で「稽古ではどういったコミュニケーションをとっていこうと思っているか」を尋ねられると、髙橋は「僕はキャラ的に全員とかかわりがあるので、きっと一緒に稽古する時間もかなり多いと思う。そこで距離を縮められたら」と、ほぼ出ずっぱりの主役ならではの思いを述べた。板倉は「差し入れの食べ物を持ってきて、それで友好関係を築くパターンもある。演出家は陰口を言われがちなので、陰口がひどくなってきたなと思った頃に豚汁を作ろうと思っている。その切り札で、稽古場の空気を調整したい。豚汁調整ですね」と“豚汁作戦”を語って笑いを誘った。

舞台『蟻地獄』製作発表記者会見 写真左から板倉俊之、山口大地

舞台の見どころを聞かれた板倉は「サスペンス、ミステリー、バイオレンス、といろんな要素が入っていて、頭脳戦やどんでん返しもある。役者の演技や声などで、舞台版ならではの良さが出てくれるのでは。原作にも入っているような、ちょっとクスッとできるようなシーンは生かすつもりだが、コントみたいな笑いはないので、真剣な話として受け取ってもらえれば」と語った。

舞台『蟻地獄』製作発表記者会見 向井葉月

続いて、公式ホームページで募集した質問が読み上げられた。「舞台化にあたり、一番表現するのに苦労しそうなことはどんなことですか」という質問に対して板倉は「小説は主人公目線で書いているので、舞台になると視点が客観的になるところ。舞台も客席も定位置なので、見える方向が限られるし、漫画や映像と違ってアップが使えないし、その代わり始まったら終わるまでぶっ続けでやるという緊張感は舞台にしかないものだと思う」と答えた。

舞台『蟻地獄』製作発表記者会見 山口大地

「主人公の孝次郎は19歳という設定だが、皆さんの19歳のときの思い出を教えて欲しい」という質問に対して髙橋は「この舞台の話をもらったときがちょうど19歳だったので、運命を感じた」と答えた。今作の主役への抜擢は、初出演した舞台でのビジュアル写真を板倉が見て「まだオファーしてないのに、もう(孝次郎を)やってるじゃん、って思った」というくらいイメージがピッタリだったという、髙橋にとって孝次郎はまさに運命の役であることがうかがえるエピソードも披露された。

舞台『蟻地獄』製作発表記者会見 写真左から、髙橋祐理、天野浩成、向井葉月

最後に一言ずつメッセージを求められると、板倉は「皆さんと力を合わせて面白いものに必ずする」、髙橋は「素敵なキャストの皆さん、そして板倉さんと一緒に最高のエンターテインメントを作れるように頑張る。来てくださるお客様一人ひとりに感謝の気持ちを込めて芝居をしたい」、山口は「演劇にしかないパワーが絶対にある。スリル満点のスピード感と、キャラクターの心理描写が魅力的な作品なので楽しみにして欲しい」、天野は「小説もマンガもすごく面白くて、これが舞台になったら面白くなかったね、と言われるのは悔しい。舞台には舞台の面白さがあって楽しかったね、と言ってもらえる作品にしたい」、向井は「見終わった後に、すごい舞台だったね、と思ってもらえるようにしたい。会場で皆様に会えるのが楽しみ」と、それぞれ思いを述べた。

舞台『蟻地獄』製作発表記者会見



記者会見終了後、SPICE独占で板倉に話を聞くことができた。

ーー会見を終えて、今の率直なお気持ちはいかがでしょうか。

スイッチをどっちに入れたらいいのか、芸人スイッチで行ったらいいのか、と考えてしまって、ちょっとやりすぎちゃったな、というところもあります(笑)。堅苦しくない感じで出来たのはよかったと思いますけど。

ーー今日は報道関係者以外にも、すでにチケットを購入されているお客様も会場にいらっしゃいました。

先行でチケットを買ってくれている人たちって、原作を読んでから舞台を見る、という人が多いんじゃないかな、と思っているんですけど、原作を読んでいる人でも、全く読んでいない人でも大丈夫、というように作らなければならないのが難しいな、と思っています。

ーーすでに構想は練られているとは思いますが、舞台はお稽古に入ってみないとわからない部分もあると思います。

さっきも出演者の方から「あそこって、どうなってるんですか?」みたいな質問をされたんですけど、僕の方が「そうか、そうだよね」って気づかされたりとか。計算上は大丈夫なはずなんですけど、動かしてみて気づくこともあるかもしれないですね。「あの作品をどうやって舞台化するんだろう」っていう目線もあると思うので、そこの期待を裏切らないような、舞台でやれることは限られていますけど、その限られているということを逆に利用してやれたらいいですね。あとは、原作や漫画を読むときは、キャラクターの声とか音楽とかない状態なので、そのあたりは舞台でやれることとして上回れたらいいですよね。

ーーキャストの皆さんは衣裳を付けて登壇されていましたね。

本当に作品の中から飛び出してきた感じがありますよね。原作者としては「どうやってくれるんだろう」と非常に楽しみですね。たぶん、僕が思っている以上のことを俳優さんたちがやってくれるだろう、というところも期待しています。

ーー会見の様子からも、すでに皆さんが和気あいあいとされている感じが伝わってきました。

こういうこと言うのもなんですが、皆さん性格のいい人が集まったな、という感じです。ただ、例えば敵対関係にある役の人同士が仲良くなりすぎもどうなんだ、っていうのもあると聞きますが、僕はあまりそこは気にしないです。仲良くしてくれた方が嬉しいかな。

ーー先ほどの会見の中で、上演予定時間は2時間は超えそうとのことでしたが。

転換の時間とかも関わってきますから、現時点では正直何とも言えないですよね。公演が1年伸びたとはいえ、稽古が始まってからじゃないと調整できないことがこんなにあるんだな、と実感しています。できれば1.3倍速くらいのスピード感で見てるような感じにしたいんですよね。だから俳優さんには負荷かけますけど(笑)、ガンガン進んでいく疾走感が出せたらいいと思います。

取材・文・撮影=久田絢子

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