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【ミシュランガイド東京2024発表】グウェンダル・プレネック氏独占インタビュー(後編)

料理王国

【ミシュランガイド東京2024発表】グウェンダル・プレネック氏独占インタビュー(後編)

12月5日本日行われるミシュランガイド東京2024の発表セレモニー。それに先立ち、11月15日、2024年にアジアでのホテルセレクション「ミシュランキー」が発表されることを告知するメディアイベントが行われました。オークラ東京で行われたこのイベントには、日本国外のアジア諸国からもメディアが参加した華やかなものとなりました。

2014年にインターナショナル・ディレクターに就任以来、「グリーンスター」の格付けの開始など、変革を続けるグウェンダル・プレネック氏。このイベントのために来日中の氏に独占インタビューを行い、じっくりお話をお聞きしました。前編は「ホテルセレクションとレストランの関係性」、後編は「ミシュラングリーンスターについて」また、調査の方法や、これまで謎のベールに包まれてきたプレネック氏の人となりについてもご紹介していきます。

――まずは、気になる調査の方法について、可能な範囲でお聞かせください。ミシュランの調査員は写真もメモも取らないと聞いたことがあるのですが、それは本当ですか?

携帯などで写真は撮ります。撮らなくても調査はできますが、今はみんな撮影しますし、逆に撮影しないと目立ってしまいますから。

――調査に訪れる際の調査員の人数は決まっているのでしょうか?

よく2名、などと言われますが、限りません。たいてい1〜4人の間です。

――調査員は、アルコールはどんなものを頼まれるのですか?

私が調査員を始めた20年ほど前は、ワインはボトルでのオーダーしかできませんでしたが、今はグラスワインのチョイスもかなり増えたので、隔世の感がありますね。調査員は週に9食調査をしますから、ペアリングをフルで頼むというよりも、数杯のグラスワインで済ませることも少なくありません。今はノンアルコールのペアリングがあるのも良いですね。その後すぐ仕事をしなくてはならない場合もありますから。

――食べることの多いミシュランの調査員は、どんなふうに健康管理をしているのでしょうか?

調査のために大体週に9食食べるので、ここまで食べたら、食べ過ぎというラインを持っている人が多く、暴飲暴食はしませんし、普段節制するなど、それぞれに工夫しています。調査員には30年近くこの仕事を続けている人もいます。女性の調査員も多いですね。そして意外に、太っている人はあまりいないのですよ。

――何かご自身の健康法はあったりされますか?

とりたてて運動はしていないです。例えば水泳だと、着替えたり髪を洗ったりする必要があって、その時間を取るのが難しい。あえていうなら、通勤には自転車を使っていることでしょうか。健康的であるだけでなく、渋滞に巻き込まれることなく、効率的に移動できるので時間が読みやすく、気に入っているのです。

――プライベートの時間はどんなふうに過ごされていますか?

例えば、今は私は調査を行っていませんから、仕事の後にレストランに行く時は、一杯めは、その土地で作られた軽いビールを頼むことが多いです。特に好きな飲み物はなく、食事に合わせて、楽しむことが多いです。

私には子供がいるのですが、妻も働いているので、自宅にいる時は私が料理をします。子供たちも料理に興味があるようで、嬉しいですね。
いろいろなシェフから料理の本をもらうのですが、人数が多いので、とにかく分量を作らないといけないのと、時間がないので手早くできるものが主です。こだわりは、フードプロセッサーなどの機械は一切使わずに、手でみじん切りなどをすることですね。

――さて、最後に、子供達や未来の世代にもつながってくる大切なお話ですが、プレネックさんが就任されて、2020年に始めたのが「ミシュラングリーンスター」です。これはどのような思いからでしょうか?

私は「これをやっているからサステナブルではない」という風にマイナス面を捉えるのではなく、ミシュラングリーンスターを通じて、ロールモデルとなるシェフにスポットライトをあて、ポジティブな変革を起こしたいと思っています。実際に、想定以上の効果がありました。当初に比べてミシュラングリーンスターの店が増えたのは、その存在により、サステナブルな考えが普及してきている証拠でしょう。通常の星よりも、ミシュラングリーンスターが欲しい、というシェフもいるほどです。

また、この考えは若い世代との親和性が高く、どこで働くかを選ぶ際に、ミシュラングリーンスターのある店を、という人が増えています。また、ミシュラングリーンスターを指標に、これまで美食に興味のなかった人々を取り込むことができたのは大きかったです。ミシュラングリーンスターはあくまでも、対話のためのフレームワーク。声を持っているシェフの方々に、この挑戦を是非リードしていって欲しい。今、世界には約470のミシュラングリーンスターがありますが、それだけでは世界は変えられない。社会を良い方向に変革してゆくこと、ガストロノミーのみならず、農業に至るまでの構造を変えていきたいと思っています。

――キーワードはより良い社会への変革ですね。ミシュランガイド東京2024の発表を楽しみにしています、ありがとうございました。

文・写真(一部)仲山今日子

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