人口2100人の北海道のマチのスーパーはひと味違う!「一緒に暮らす」拠点へ復活の狙い
2025年から休業していた北海道オホーツク地方の滝上町のスーパーに、半年ぶりの灯りがともりました。
住民の生活を支えるだけでなく交流の場にもなる、過疎地のスーパーの復活への挑戦が始まっています。
新鮮な野菜や豆腐、卵…半年ぶりの開店を1時間後に控え、商品が次々と店内に運ばれてきます。
急ピッチで準備を進めるのは、町内から募集したスタッフです。子どもたちも手伝います。
そして、店内に「いらっしゃいませ~」と元気な声が響きました。
「たきのうえ市場」は滝上町が建物を所有し、民間が運営する公設民営のスーパーです。
2025年9月に前の業者が休業したため、町内に農場を持つ食品会社の役員が、新たな運営会社を立ち上げ、営業を再開することができました。
スーパーの再開を、町の人たちは心待ちにしていました。買い物に来たお客さんは、「うれしい。買い物に行けなかったから。きょうを待っていた」と喜びを口にします。
「たきのうえ市場」が目指すのは、町民と「いっしょに暮らす」スーパーです。
町民ひとり一人の要望を丁寧に聞き、必要とされる商品をそろえていきます。
たきのうえ市場の飯尾裕光代表は、「この環境を維持するためにどういうことが工夫ができるか、滝上町の中で一緒に考えられるようにしていかなくてはいけない。一番大変だがやりがいがある」と語ります。
スーパーは「目的」ではない、その先に
新しくなったスーパーは、ただ買い物をするだけの場所ではありません。
空きスペースを活用し、町民どうしが交流できる拠点になることも目指しています。
店内には、射的コーナーなどが設けられた駄菓子店のスペースがあります。
プレオープン当日には、クレープ店など町の内外から多くの出店が参加しました。
さらに、レジの横には小さな書店ができる予定です。
また、スーパーの向かいには、副代表の扇みなみさんたちが経営するカフェも。
町内外の人たちが集まり、ほっと一息くつろげる、こちらも「ともに集まる場所」としてあたたかい空間をつなげていきます。
飯尾代表は、「暮らしの中で『ともに集まる場所』という機能がスーパーを中心に統合されていき、経営からみんなの交流まで含めたものを作ることができれば、ここは町にとって大事な場所になる」と、その未来を語ります。
ただスーパーを経営するだけではない、未来の町の姿を見据えた挑戦的な取り組みなのです。
地域のシンボル
コープさっぽろと連携して商品の仕入れを行い、6月にグランドオープンする「たきのうえ市場」。
この取り組みについて、HBCテレビ「今日ドキッ!」のスタジオでも期待の声が上がりました。
「小さな町で営業を続けていくには、暮らしを支える要素にプラスアルファの機能が必要だ」と話したのはコメンテーターの平野龍一さん。
高齢者が家に閉じこもらずに会話をしたり、そこに子どもたちも関わったりできる、家以外に長く滞在できる場所が地域にできることは、まさに「地域のシンボル」になっていくはずだと指摘しました。
また、コメンテーターの小橋亜樹さんは「地元のスーパーの持っているポテンシャルはすごい」と話し、その土地ならではの新鮮なものがある場所は、地元の人だけでなく観光客にとっても大きなニーズがあるのではないかと、観光拠点としての可能性にも触れました。
人口2100人の町で、未来につながる新しい風が吹き始めています。
取材・文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は、HBC「今日ドキッ!」放送時(2026年3月31日)の情報に基づきます。