Yahoo! JAPAN

駄菓子がつなぐ親子の絆 山口市「だがしとざっか しょっこらん」

山口さん

よく晴れた日の放課後。小さな手でお小遣いを握りしめ、100円で買えるだけの駄菓子を持ち合って公園で友達と遊ぶ。そんな思い出、ありませんか?

本記事では少しずつ変化する時代と真っ直ぐ向き合い、子どもたちの未来を応援する駄菓子屋さんをご紹介します。懐かしさと優しさが溢れる光景を、ぜひお楽しみください!

【写真はこちら】ここは子供たちのテーマパーク!

今と昔が両立する店内

山口市阿知須の「だがしとざっか しょっこらん」(山口県山口市阿知須西条3316)は、その名のとおり駄菓子と雑貨がテーマになったお店です。

入口前にはパラソルとベンチが設置されていました。過酷な暑さが続くなか、子どもたちがひと息つけるスポットとして大人気です。

「だがしとざっか しょっこらん」のオーナーは、弘中由香さん。

もともとハンドメイド作家でありながらパートタイマーとして働かれていた弘中さんですが、コロナ禍においてハンドメイド作品の売上が好調だったことや勤務先の閉業、なによりご主人の後押しもあり起業を決意されました。

昔ながらの駄菓子屋さんに現代のハンドメイド雑貨が融合した店内は、新鮮なのにとても心地よい不思議な感覚で包んでくれます。

ちなみに店名の「しょっこらん」とは、アラビア語で「ありがとう」の意。お店へ来てくれたことに、商品や作品を見てくれたことに、初心を忘れず謙虚な心で「しょっこらん」と名付けられたそうです。

「財布を持ってお買い物をする機会も少なくなった。子供たち自ら考え、正しい金銭感覚を身につけてほしい」との想いで置かれた電卓も、ふわりと心を和ませてくれました。

「長くお店を続けていくのが私の夢。いつまでも子供たちが気軽に立ち寄ってくれる場所でありたい」と弘中さんが語るとおり、取材当日も次々に訪れる子供たち!

さらには、成人の男性客もご来店されました!

実はこちらの方は「山口地元発見ガチャ制作委員会」の小濱さん。店舗前に設置してあるガチャの補充などを行う際、いつも駄菓子を購入されているそうです。※現在は撤去済み。

「だがしとざっか しょっこらん」は、世代を超えて多くの方に愛される近未来的な駄菓子屋さんでした!

これ知ってる?懐かしの駄菓子3選

店内を眺めているだけで、ついついニヤけてしまいます。どうやら駄菓子には人々を笑顔にする力もあるようです。

そんな駄菓子のなかでも特に印象深く記憶に残りながらも、いまではレアな存在となった商品の一部をご紹介します。

ココアシガレット 45円

「ココアシガレット」といえば”お父さんのタバコものまね”ではないでしょうか?わが家の息子たちも同じことをやっていました…。
弘中さんも「この仕事を始めるまでサワー味、コーラ味があるのを知りませんでした」と話すほど、ココアフレーバーが浸透している商品です。
皆さん、ほかの2種をご存知でしたか?

ボンタンあめ&ミルクキャラメル 各152円

はたして、どの年代まで存在を知っているのでしょう。「ボンタンあめ」の外皮(オブラート)は剥がすのか、そのまま食すのか、どちらが正解なのか分からなかった少年時代を思い起こさせます。

それにしても当時は気付かなかった「ミルクキャラメル」の四字熟語、とても印象的です。

ヤングドーナツ 50円

“駄菓子といえばコレ!”といった方も多いはず。味も見た目も魅力的な「ヤングドーナツ」です!
昨今の物価高に立ち向かう、コスパ抜群の4個50円!いつの時代も子供たちの心強い味方ですね。

変わらない姿に昔を思い出す

ほかにも、昔懐かしの駄菓子がたくさん!

いまでもコンビニやスーパーで売られているものから、すっかり見かけなくなったものまで。

パッケージが変わっただけでなく、物価高騰によって大きく値段の上がったものもあるそうです。

「あぁ〜、そういえばコレあったな〜…」と、思わず口に出してしまった方も多いのではないでしょうか?

小さなお子さんがいらっしゃる方、ぜひその駄菓子と思い出話を聞かせてあげてください。些細な会話でも、かけがえのない大切な親子の時間となりますよ!

山口県が誇るハンドメイドアーティスト3選

「だがしとざっか しょっこらん」の、もうひとつの魅力。それは、山口県を代表するイラストレーターの作品を身近で感じられることです。

どれも素晴らしい作品ばかりですが、なかでも要チェックのイラストレーターをハンドメイド作家でもある弘中さんにこっそり伺いました!

「CYON」

山口県防府市在住のイラストレーターである「CYON(シオン)」さん。水彩やインクなど、さまざまな画材を使用して作品制作を行っていらっしゃいます。

Instagramのフォロワーはなんと7万人!さらにTikTokアカウントにおいては、世界的ミュージシャンの”Adoさん”からフォローされるほど!

まさに超一流イラストレーターです。皆さんも、ぜひチェックしてみてください!

「よりーね堂」

「よりーね堂」さんは山口県岩国市のイラストレーター。山口県の偉人や名物、方言などを組み合わせ、見るものを和ませるグッズの数々は訪日観光客からも大人気です!

山口県に特化した可愛らしいイラストだけでなく、ひとつひとつ素材にもこだわりをもって作られています。

「みちょるよ」と視線を合わせると、なぜか幸せな気分に…。

「MIKOATTO」

“美しい夜空”をイメージした作品を手掛ける「MIKOATTO(みこあっと)」さん。ストラップやキーホルダーといった普段使いしやすいグッズで若者を中心に人気を得ています!

デザインフェスタ出店のほか、山口県の書店などでも委託販売されていらっしゃるそうです。キラキラと輝きを放つその姿はまさに”夜の星空”、多くのファンを惹き付けてやみません。

駄菓子と雑貨が教えてくれる山口県の魅力

「旧吉敷郡阿知須町のシンボルツリーはキンモクセイ、実はマンホールなんかにも描かれているけど知っている人は少ない。このような隠れた山口県の魅力や情報を、駄菓子とハンドメイドという角度から紹介していきたい。それで山口県が活気づけば嬉しいし、子供たちの未来にもつながる」と、弘中さんは語ります。

時代によって変化する、子供との向き合い方。変えてはいけない子供たちの幸せ。そんなことも「だがしとざっか しょっこらん」からは、学ぶことができました。

心温かいオーナーと地域の方々の協力、そして元気いっぱい健やかに成長していく子供たち。さまざまな『心』が折り重なる「だがしとざっか しょっこらん」で、あなたも少年時代へタイムスリップしてみませんか?

【関連記事】

おすすめの記事