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ドリカム「未来予想図Ⅱ」の歌詞を深読み!夢よりも強い吉田美和の確固たる意志

Re:minder

1989年11月22日 DREAMS COME TRUEのアルバム「LOVE GOES ON…」がリリースされた日(未来予想図Ⅱ 収録)

ドリカム初期の名曲「未来予想図Ⅱ」


高校2年生になった僕は、初めてちゃんと付き合うことになる後輩と出会った。彼女はひとつ年下の16歳。「好きだ!好きだ!」と迫るウブ(初心)な僕に対して彼女は「私も好きよ」とは言わずに「嫌いじゃないわ」と返して軽くキスをするような女の子だったのだ。なんていうか、めちゃくちゃ大人である(笑)。

“恋とはドキドキしてワクワクして、ちょっぴりイライラするもの” という名言を誰が言ったか知らないけれど、まさしくそのときの僕を言い当てたものだろう。こと恋愛に関して高校生男子なんてのは、所詮エッチな妄想に明け暮れているのを女の子に見透かされて軽くいなされるような、この程度のレベルなんじゃないかな?

さて、「未来予想図Ⅱ」というDREAMS COME TRUE初期の名曲がある。この曲を書いた当時、吉田美和はまだ高校生だった。比較が僕じゃあアレだけど(笑)なんとも “おませな高校生” である。創作する世界観がしっかり大人なのだ。

ということで、今回は「未来予想図Ⅱ」の歌詞を深読みして、吉田美和がこの曲に込めた真意に迫ってみようと思う。

リリースの妙、「未来予想図」から始まる物語


「未来予想図Ⅱ」は1989年11月22日にリリースされたDREAMS COME TRUE2枚目のアルバム『LOVE GOES ON…』のラスト10曲目に収録されている。7分19秒という長尺バラードだ。

もうひとつ、DREAMS COME TRUEには「未来予想図」(アルバム『MILLION KISSES』1991年11月リリース)がある。

なぜか「未来予想図Ⅱ」が先に世に出たのでなんとなく未来予想図が “エピソードゼロ” みたいな感じになっちゃったけれど、物語は「未来予想図」から「未来予想図Ⅱ」という流れである。

さてここからは、僕の深読みが冴えまくるので温かい目で読み進めてほしい。異論はあるだろうけど、どうぞお手柔らかに。何せ僕の深読みによって、毎日はハッピーなだけじゃないという、そんな心の深淵を覗くことになるからだ。

初々しい高校生の初恋物語を描く「未来予想図」


「未来予想図」…歌詞中のふたりはまだ高校生だろう… 「♪つなぐ手もなぜかてれくさい」という情景に初々しさが感じられるからだ。

吉田美和の出身地である北海道中川郡池田町は、通っていた高校がある帯広市から少し離れた田舎町である。田舎の高校生は、だいたい原付バイクの免許を取得するものだ。なにせ土地が広いからね。きっと吉田美和の周りにも50ccスクーターに乗っている友だちが多かっただろう。ただ、この物語の彼は中型免許だと思う。そのほうが物語のロケーションとしてカッコイイからだ。

通っていた高校の近くに十勝川が流れている。彼はバイクの後ろに彼女を乗せ、お揃いの半キャップ(帽子型のヘルメット)を被ってこの川沿いの道を飛ばしたはずだ。風を切って走るエンジンの爆音で、彼の背中にピッタリと身体を重ねていても会話はままならない… だからあのサインが生まれたのだろう。

 夏はバイクで2人
 街の風を揺らした

 ヘルメット5回ぶつければ
 それはア・イ・シ・テ・ルの言葉のかわり

よく “実話” と言われる「未来予想図」だけれど、これはあくまでも吉田美和の創作であって、たぶん友だちの “恋バナ” からヒントを得て未来への憧れを描いたのだと思う。

この描写、本当はスクーターだったかもしれない。けれど、「このシチュエーション、原付からバイクに変えたら使えるかも!」なんてこっそりネタ帳に書き込んでいたとしたら、それは日々創作に明け暮れる吉田美和のちょっとしたカワイイ一面と言えそうだ。

社会に出たふたりに訪れる恋の通過儀礼? 「未来予想図Ⅱ」を深読み


「未来予想図Ⅱ」は、卒業してから三年… たぶん社会に出てからのふたりが経験する恋のイニシエーション… つまり、酸いも甘いも嗅ぎ分ける “社会人の恋愛” に思いを巡らせ、未来に訪れるであろう恋愛のアレコレを想像して描いた楽曲だ。

吉田美和… 繰り返すがまだ高校生である。どれだけ想像力に長けた感性の持ち主なのだろう… 恐ろしい子(褒めてます!)。

「未来予想図Ⅱ」は、一見すると、卒業して三年経った今も幸せそうなふたりに感じられる。ただ、それはふたりが社会の荒波に飲み込まれた三年間でもあるはずだ。

ふたりの日常は、学生だったころとは打って変わり、仕事に追われる日々が続いているだろう。きっと休みの日も疲れていて、せっかくのデートも気乗りせずつまらないものに。お互い様なんだけど、些細なことで喧嘩したりすれ違ったり、そんなこと思ってなかったのに余計なことを口走って険悪な雰囲気から「別れ」なんて言葉が頭の中をよぎったり…。

そんな危険信号が点滅し始めたときどうするか…? 何かの本にその対策が載っていた。そこには “出会ったころの楽しかった場所に行けば、その当時のピュアな気持ちを思い出して不思議と仲直りができる” とあった。

そう、ふたりは久しぶりに十勝川沿いの道を車でドライブしたんじゃないだろうか?

この「未来予想図Ⅱ」の歌詞は、その帰りの車内で彼女が感じた心の機微を描いたのだと思う。サンルーフから星空を眺めた彼女は何を思ったのだろうか。

揺らぐ関係を見つめ直す自分へのメッセージを描く「未来予想図Ⅱ」


 きっと何年たっても
 こうしてかわらぬ気持ちで
 過ごしてゆけるのね
 あなたとだから
 ずっと心に描く 未来予想図は
 ほら おもったとうりに
 かなえられてく

このサビの歌詞… 語尾を、

「過ごしてゆける “よね?”」
「かなえられてく “よね?”」

… と変えたらどうだろう。この曲の印象はガラッと変わる。つまり、生活環境の変化と付き合い始めてからの時間経過によって、揺らぐふたりの関係を見つめ直す…「しっかりしろ!」と自分に言い聞かせる曲… それが「未来予想図Ⅱ」なのである

だからこそ吉田美和は力強く歌いあげるのだ。

私たち… 違うよね? そうじゃないよね? 未来はきっと “思ったとうりうにかなえられる” よね? と、自分の内に秘めた愛を確かめるように…。

恋愛で弱気になった自分を鼓舞する応援歌


辞書で「未来予想図」を調べてみると、「現時点の状況から推測して、将来に起きると予想される事象を書き表したもの」とあった。

そう、「未来恋愛物語」のようなナチュラルな曲名ではなく “予想図” と言い切ったそれこそが、吉田美和の真意である。つまり、この曲には夢や願望よりも強く “将来ふたりはこうなってみせる” という確固たる意志が含まれているのだ。

吉田美和が歌う「未来予想図Ⅱ」とは、恋人との関係性に思い悩む全ての人へ向けた絶対的エール。自分の未来は自分で創ることができるはず。そして、願いはいつか必ず叶えることができると信じて…。

そう考えるとこの曲は、恋愛中に一度は訪れる “弱気になった自分” を鼓舞するための応援歌だといえる。恋愛中のみんなを代表した選手宣誓だ。だからこそ、世代を超えて多くの人々の心をつかみ共感を得たのだろう。

“ア・イ・シ・テ・ルのサイン” に込められた吉田美和の思いとは?


 いつもブレーキランプ5回点滅
 ア・イ・シ・テ・ルのサイン

5回点滅のサインは、どの世代にも通用する「愛してる」のスタンダードになった。これはもはや文化の創造だ。

これを書いていた高校生当時の吉田美和は、まさかこんなことになるなど1mmも考えていなかっただろう。もしかしたらこのサインは “愛してる” だけではなく、“負けないで” とか、“大丈夫” とか、聴く人がそれぞれに自分へのエールとして受け取って欲しいのかもしれない。

恋に悩む全ての人が、やさしく愛に包まれるように声を届ける… 吉田美和は「未来予想図Ⅱ」を歌うことで愛を拡散し続けている。その姿はまさに愛の伝道師だ。

なぜそう思うかって? それは、『史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2007』で、「未来予想図Ⅱ」を歌唱した吉田美和が、アウトロのスキャットから最後にこう付け足して締めくくっていたからだ…

みんなの未来予想図が、何度くじけてもまた明日思い描けますように――

DREAMS COME TRUE

夢が叶うというグループ名だけれど、吉田美和はきっとこう思っているはずだ。願いは必ず実現できる… と。

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