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突然の退園勧告に衝撃!進級目前の転園先探し。知的障害息子に合った場所はどこ?

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突然の退園勧告に衝撃!進級目前の転園先探し。知的障害息子に合った場所はどこ?

監修:室伏佑香

東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科/名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程

突然の退園勧告、そして転園先探し。息子が通える園はある?

わが家の長男は4歳の時に軽度の知的発達症(知的障害)と診断されました。受給者証や療育手帳も取得し、療育に通い始めた矢先、当時通っていた幼稚園の園長先生から「長男くんは、うちの園の年長クラスに進級するのは難しいと思う」と直々にお話があったことがきっかけで、幼稚園を退園することになりました。突然の出来事だったので、退園時には息子の転園先については全く考えていませんでした。そのため次に通う園を急いで探すことにしました。

今まで長男が通っていた幼稚園はやることも多く、一クラス30人近くいる大人数の幼稚園でした。療育の先生にもアドバイスを求めたところ、「長男くんには少人数でゆったりと過ごせる園のほうが合っているのでは?」ということだったので、少人数保育をしている園を中心に探すことにしました。

インターネットを使って探してみると、比較的家からも通いやすく一クラス15人程度の少人数で、しかも療育施設も併設されている園を発見! しかし、そこは幼稚園ではなく保育園だったので、年度途中に入れるのか分かりませんでしたが、とりあえず電話して話を聞いてみることにしました。

インターネットで見つけた保育園。電話してみると……?

その保育園に電話をしてみると、園長先生がとても親切に応対してくださいました。ぜひ一度見学にと言っていただけたので、早速夫と一緒に、長男を連れて保育園の見学に行くことにしました。

園内を案内してもらい、クラスの様子や給食をつくる様子など見学をさせていただきました。やはり少人数ということもあり、先生方が手厚く見てくれていて、これまで通っていた幼稚園とは違い自由遊びの時間も多く、子どもたちがのびのびと生活している姿が見られ、長男にも合った環境だと感じました。

見学が終わった後は長男もすごく気に入った様子で、この保育園に通いたいと言ってくれたので、早速役所へ行き申請書類を提出しました。

そして後日、保育園に併設されている療育施設も見学してみることにしました。すると、療育施設のほうもとても環境が良く、活動を体験させてもらった長男も楽しんでいる様子でした。こちらの療育施設は保育園の中にあるため、先生同士のやり取りもスムーズで、さらに引き渡しも先生方で行ってもらえるので保護者の送迎は不要! 当時、長男はすでに別の療育施設に通っていましたが、ぜひこちらに変更したい! と思いました。しかし聞いてみると、残念ながら空きがない状況だったので、新年度から入れるように空き待ちをすることになりました。

保育園の希望は通る!? 一本の電話がかかってきて……

保育園のほうはというと、年度途中で入園するのは難しいかと思いつつ申し込んでいたのですが、なんとたまたま枠が空いていたという連絡があり、無事に転園が決まりました。

幼稚園を辞めることになった時は、あまりに突然のことで大きな衝撃を受けましたが、結果として、長男にとっても、私たち保護者にとっても、もっと安心して過ごせる環境の園に出合うことができたのでした。

執筆/プクティ

(監修:室伏先生より)
プクティさん、転園先決定までの道のりを具体的に共有してくださりありがとうございました。療育併設、しかもお子さんも気に入った保育園に、希望通り転園できたとのこと、本当によかったですね。保育園での時間は、お子さんの生活の大部分を占めるので、ご本人がリラックスできて、楽しめる環境にしてあげたいですよね。今まで通っていた園での継続保育が難しいと言われてしまうと困惑されてしまう親御さんも多いかと思いますが、ほかの障害のあるお子さんの数や、園の先生の数などによっても対応できるかどうかが変わってしまうので、園の先生方と相談しながらどのような環境で過ごすのが望ましいか、考えていけるとよいですね。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

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