【藤沢 イベントレポ】藤沢市民会館ありがとうフェスティバル 〜にじの彼方へ〜 - 豪華アーティストと藤沢の子どもが集結。57年の歴史に感謝を込めて
57年にわたり藤沢市の文化・芸術・音楽活動を支えてきた藤沢市民会館が、建替えのために休館となります。
2026年2月26日(木)、これまでの歴史への感謝を込めた記念イベント「藤沢市民会館ありがとうフェスティバル 〜にじの彼方へ〜」が開催されました。
【藤沢市】藤沢市民会館で「ありがとうフェスティバル~にじの彼方へ~」豪華ゲス...1960年代の開館以来、約60年にわたり藤沢市の文化・芸術・音楽活動を支えてきた藤沢市民会館。その市民会館が、2026年3月に建て替えのため休館することが決定しています。長年にわたり多くの感動を届けてきたこの場所へ、感謝と未来への希望を音楽で届ける一夜限りの特別イベント「藤沢市民会館ありがとうフェスティバル~にじの彼方へ~」が開催されます。豪華アーティストの参加が続々決定本イベントの趣旨に賛同し、湘南を象徴するアーティストたちの参加が決定しました。【緊急発表】角野秀行(TUBE)氏の参戦決定湘南を代表するバ...
湘南人
湘南にゆかりのある豪華アーティストと地域の子どもたちが一堂に会した、一夜限りの特別なステージ。熱気に満ちた2時間半の模様をレポートします。
開場は18時。しかし、16時ごろには会館前にすでに長蛇の列ができ、中には朝6時から並んでいたという熱心なファンの姿もありました。はるばる九州から駆けつけた方も。開場とともに大ホールは埋め尽くされ、2階席も次々と席が埋まっていきました。
本イベントを企画したのは湘南音鳴(おとな)倶楽部。また、ふじさわ観光親善大使のつるの剛士氏と、藤沢市六会で青春時代を過ごした元PRINCESS PRINCESSの富田京子氏の呼びかけによって実現したのだそうです。ステージは地元愛に満ちた温かい雰囲気とともに幕を開けました。
ふじさわ市民ミュージカル
オープニングを飾ったのは「ふじさわ市民ミュージカル」です。1996年から続く歴史ある団体で、第10回公演では、神奈川県主催令和4年度かながわミュージカルアワード1位を受賞するなどの実力派。
カラフルな衣装を身にまとったメンバーが、ステージいっぱいに躍動します。この日は3つの演目を披露し、ラストの「サニーズクッキングショー」ではポップなリズムに合わせて弾けるような笑顔を見せ、会場は明るい空気に包み込まれました。
新堀ギターオーケストラ
続いて、来年70周年を迎える新堀ギターから、プロ奏者で構成される「新堀ギターオーケストラ」の登場です。全国展開している新堀ギターの本拠地は実は藤沢市。「60年以上、藤沢を支えてきた会館に感謝を込めて」という言葉とともに演奏がスタートしました。
1曲目は菅田将暉の「虹」。やわらかなクラシックギターのハーモニーが会場に響き渡ります。
続く「日本の風景より第二楽章・第三楽章」は、40年近く弾き継がれているレパートリーだそうです。青いはっぴを来ると、一気に和の雰囲気へ様変わり。
特筆すべきは第二楽章。弦を一切弾かず、ギターの胴を叩くことで太鼓のような音を響かせます。クラシックギターのイメージを覆すような力強い音色で観客を魅了しました。
曲間には楽器の紹介もありました。アルトギターから、バスギター、コントラバスギター。ギタロンという初めて聞く名前のギターもありました。いずれも新堀ギターのオリジナル楽器だそうです。
3曲目の「海鳥(うみどり)」は、メンバーの畑中雄大氏が鵠沼中学校ギター合奏部のために書き下ろした楽曲。藤沢をイメージして作ったというその曲には、波の音やカモメの鳴き声のような音も表現されており、ゆったりとした湘南の情景が広がるようでした。
緞帳に広がる江の島の風景
ステージの緞帳(どんちょう)が降りてきました。そこに大きく描かれているのは江の島のトンボロ現象。57年前から使用されてきた緞帳だそうです。
そこへ富田京子氏(ex-PRINCESS PRINCESS)が登場。出身が藤沢市六会の富田氏は、子供の頃から見てきたという緞帳を眺めながら、この会館の思い出を語ります。
司会者から次期会館への期待を問われると、富田氏は「いろいろなアーティストが藤沢に来やすくなるような場所になれば嬉しい」と、未来への願いを口にしました。
つるの剛士とシーキャンドルズ
「家から5分、藤沢市民会館!」
勢いよく登場してきたのは、つるの剛士氏率いる「つるの剛士とシーキャンドルズ」です。
つるの剛士氏は、40歳の時にここ藤沢市民会館でライブをした思い出があるそうです。ヒモで宙吊りになったというエピソードを披露し会場を沸かせると、湘南の地名がふんだんに盛り込まれた「湘南じゃじゃんか音頭」の演奏へ突入しました。
2曲目の「ふたりの夏がくる」に続き、3曲目は「ありのまま」。軽快にシフトしていきます。
MCでは客席のリクエストに応え、「羞恥心」の触りをアカペラ披露するファンサービスな場面も。ラスト曲の「メダリスト2020」では客席にペンライトが揺れ、ホールはライブハウスさながらの熱気に包まれました。
藤沢市民の子どもたちによる合唱「にじ」
今回のイベントタイトルに含まれている「にじ」というキーワードは、2011年7月にリリースされたつるの剛士氏のミニアルバムに収録されている曲名でもあります。
この「にじ」について、つるの剛士氏はこんなエピソードを語りました。
「東日本大震災があった2011年。大人も凹むような年でした。しかし当時幼稚園生だった娘がお風呂の中でこの曲を歌っているのを聞いて、とても元気づけられたんです。すぐに作曲した中川ひろたかさんのところに伺って、歌わせてくださいとお願いしました。」
ステージには藤沢市民の子どもたち約160人と、新堀ギターオーケストラの60人が集結。藤沢市の公式マスコットキャラクター「ふじキュン」も応援に駆けつけ、大合唱が響き渡りました。
歌い終えた子どもたちの「藤沢市民会館、ありがとう!」という大きな声に、客席からは惜しみない拍手が送られました。
TUBE 角野秀行氏、そして豪華セッション
次に登場したのは、TUBEのベーシスト・角野秀行氏です。
湘南をモチーフにした楽曲を数多く世に送り出してきたTUBEのメンバー、角野氏。
「藤沢市民会館が新しくなったらTUBEでもまたライブをやりたい!」と、生まれ変わる藤沢市民会館に想いを馳せていました。
そしてこの日のための豪華特別編成がステージで組まれます。
ボーカルはつるの剛士氏、ベースはTUBE 角野秀行氏、ドラムは富田京子氏(ex-PRINCESS PRINCESS)。さらにキーボードには力石理江氏、ギターは河口修二氏という錚々たるメンバーが集結しました。
演奏されたのはTUBEの名曲「シーズン・イン・ザ・サン」。角野秀行氏の艶やかなベースラインと、富田氏のパワフルなドラムが会場を揺らしました。
シークレットゲスト登場
つるの氏が一度ステージを後にし、富田氏が舞台袖に向かって呼びかけると、現れたのはシークレットゲストの岸谷香氏(ex-PRINCESS PRINCESS)。予期せぬレジェンドの登場に、場内には悲鳴のような歓声が響き渡ります。
黒のTシャツにタイトなジーンズ、ロングブーツというロックな装いで、颯爽と現れたその姿はまさにスターの貫禄。ギターを手に取り会場に放った一曲目はPRINCESS PRINCESSの「Diamonds<ダイアモンド>」です。
コーラスで華を添えるのは二宮のシンガーソングライター・小梅氏、TikTokerのまあや氏。
久々の共演となった富田氏は、演奏終わりに「久しぶりにお米を食べたような気分!」と満面の笑みを見せます。気心の知れた2人のトークに会場が和みました。
続いてキーボードの前に座った岸谷氏。PRINCESS PRINCESSの「M」の演奏が始まりました。途中からつるの氏も合流するという、これ以上ない贅沢なセッションが目の前で繰り広げられました。
「M」の制作秘話まで飛び出すMCの後、再びギターを手にした岸谷氏。最後の曲はPRINCESS PRINCESS「世界でいちばん熱い夏」です。
溢れんばかりのオーラと気持ちの良い歌いっぷり、そしてファン垂涎の選曲。客席からは思わず「とんでもないものを見てる……」と感嘆の声が漏れ聞こえるほど。
大人も子供もスタンディングになるほどの盛り上がりの中、藤沢の夜は最高潮に達しました。
「藤沢市民会館、ありがとう!」
一度は降りた緞帳。しかし、鳴り止まないアンコールの嵐の中、再び幕が上がりました。
アンコールに応えたのは、つるの剛士氏、角野秀行氏、富田京子氏、力石理江氏、河口修二氏。特別バンド編成による「にじ」が演奏されると、客席の子どもたちも呼応するように声を合わせます。
つるの剛士氏は思いのこもった声で言います。
「今日はありがとう!そして藤沢市民会館、ありがとう!」
たくさんの暖かい拍手の中「藤沢市民会館ありがとうフェスティバル」は終演しました。
藤沢市民会館は2026年3月に、57年の歴史に幕を閉じます。
名残惜しく、さみしい気持ちもあるけれど、やはりありがとうの気持ちの方が大きいのではないでしょうか。藤沢市の文化の拠点だった藤沢市民会館。この場所で経験した感動は決して消えることはありません。
藤沢市民会館ありがとうフェスティバル 〜にじの彼方へ〜
開催日時
2026年2月26日 18:30〜20:45
開催場所
藤沢市民会館 大ホール
〒251-0026 神奈川県藤沢市鵠沼東8-1
駐車場:なし
チケット料金(税込)
一般:3,000円中高生:500円小学生以下:無料未就学児入場OK
主催
藤沢市民会館ありがとうフェスティバル実行委員会 (共催:公益財団法人藤沢市みらい創造財団/後援:藤沢市ほか/企画制作:湘南音鳴倶楽部)