うまい棒鍋に猿の塩焼きまで…25年以上活動する「謎フード公安委員会」会長に2025年ベスト5を聞いてみた!
知り合いに「謎フード公安委員会」の会長がいる。
謎フード公安委員会とは、1999年から活動している、世の中の変わった食べ物を認定する団体だ。会員が見つけた謎フードを掲示板に投稿し、多数決で、謎フードかどうかを判定する活動をなんと25年以上も続けている。
謎フード公安委員会が認定してきた食べ物は、食材が大混雑してそうなあんこグラパン、サボテンカレー、ビアードパパのお茶漬けシューなど、一度聞いたら忘れられないインパクトのあるものばかり。
そんな会長に、昨年2025年を振り返るランキングを語ってもらった。ということで、謎フードの沼に皆さまをお連れしたい。
・第5位:うまうま鍋
5位に選ばれたのは、船橋の駄菓子屋「リュウ君の店」で出されたうまい棒を使った鍋料理「うまうま鍋」だ。
駄菓子の代表格で既に完成されているうまい棒を敢えて鍋に入れるという発想がすでに謎だが、実際に鍋料理をアップデートしてくれるスパイスになるようだ。会長のオススメは、明太子味。
鍋に入れるうまい棒の種類や組み合わせは無限大なため、鍋に飽きた冬によい……かもしれない。
でも、筆者はやはり普通に食べたい。
・第4位:トドのヒレ(前足)の丸焼き
4位は、海獣トドのヒレ。トドは北海道など一部地域でしか食べる機会がない、希少な食材だ。(一部地域で食べられていたことに驚き)
ジビエを気軽に楽しめる高田馬場にあるレストラン「米とサーカス」で開催された手足祭りで数量限定で提供されたらしい。(なんちゅう祭りだ……)
サイズ50cm超と大きいが脂身が多く、8人で解体しながら食べる……という、なんかの漫画にありそうな展開の画だ。
謎フードだから、当たり前に謎ではあるのだが、カオスが共存した極みの一皿。
・第3位:エミューの卵
お次は、エミューの卵を使った玉子焼き。
エミューとは、オーストラリア原産の大型鳥類で、見た目はダチョウに似ているが、空を飛べないのが特徴だ。そのエミューの卵は、鶏卵の10倍以上という規格外サイズで、ダチョウの卵よりは一回り小さいらしい。
エミューの卵はアボカドのような深緑色。黄身が甘くて、スゴく美味しいらしい。
ちなみに、筆者が在籍していた大学ではダチョウを飼っていた。乗ったら退学なのだが、乗りこなしたら単位がもらえるという噂があったことを思い出す。
・第2位:ドリアンコーヒー
世界一臭い果物とも言われるドリアン。それをインスタントコーヒーにしてしまったという、いかにも東南アジアのお土産に並んでいそうな一杯だ。
想像しただけで複雑な気持ちになる組み合わせだが、見事に第2位にランクイン。コーヒーには高品質なロブスタ種が使われているにもかかわらず、味の主役は完全にドリアンで、後味にかすかにコーヒーを感じる程度とのこと。
3位から5位までは、会長からも話の合間に「比較的おいしい」というワードが出ていた。だが、このコーヒーに関しては、その言葉は一切確認できなかった。
ちなみに、このコーヒーと出会ったのは「奇食を崇拝する会」が開催するイベントらしい。いろんな会があるんだなぁ……。
・そして、1位に輝いたのは……
そして栄えある1位は、猿の塩焼きだ。
もちろんジビエとして合法的に入手されたものだが、猿肉を食べる機会は日本ではほとんどない。会長も入荷したとの話を聞き、即座に予約した幻の逸品。
猿のジビエは、鹿や猪と違い、猟や血抜きがパターン化されていない印象があり、雑食ゆえに複雑な味になると思っていた会長。しかし実際は驚くほどクセがなく、香辛料でごまかす必要もないほど素直な味わい。
むしろ豚肉に近い安定感のあるおいしさだったとのこと。店の人によると、岡山のニホンザルで木の実中心の食生活だったことが、この味につながっているのではないかとのこと。
食べる前の想像とのギャップも含め、1位に輝いた。
ちなみに、1位・3位・4位はいずれも高田馬場の「米とサーカス」で提供されているメニューとのこと(※限定メニュー含む)。
他にもカラスやアライグマの鍋をはじめ、ダチョウやエイのレバ刺しなど、正体不明レベルの謎フードが存在するらしい。
・謎フードへの終わりなき探求
謎フード公安委員会の活動は、単なる変わり種グルメの探求にとどまらない。食文化の多様性や人間の味覚の可能性、そして何より「好奇心を持つことの大切さ」を、あらためて教えてくれる。
会長が選んだ今回の5つの謎フードは、どれも一般的な食卓にはまず登場しないものばかりだ。しかし、だからこそそこには、新しい発見や素直な驚きがある。
これまでじっくり話を聞いたことはなかったのだが、この取材をきっかけに私もすっかり引き込まれてしまい、気づけば「謎フード公安委員会」に入会していた……。
ということで今後、また新たな謎フードを紹介させていただく日も来るかもしれない。
取材協力および参考リンク:謎フード公安委員会
執筆:夏野ふとん
Photo:RocketNews24.