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新国立劇場、運命に翻弄される歌姫トスカと画家カヴァラドッシの愛と悲劇を描いた傑作オペラ『トスカ』を上演

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新国立劇場「トスカ」より 

2024年7月6日(土)~7月21日(日)新国立劇場 オペラパレスにて、2023/2024シーズンオペラ『トスカ』が上演される。

新国立劇場オペラ「トスカ」ダイジェスト映像 Tosca - NNTT

『トスカ』は、政情不安に揺れるローマを舞台に、運命に翻弄される歌姫トスカと共和派の画家カヴァラドッシの愛と悲劇を、プッチーニが甘美な旋律と劇的なオーケストラで描いた傑作オペラ。

冒頭のカヴァラドッシの甘美なアリア「妙なる調和」、トスカの絶唱「歌に生き、恋に生き」、カヴァラドッシの告別の歌「星は光りぬ」など全編に人気アリアが散りばめられている。歴史的な1日を切り取った緊迫のドラマ、そして美しい音楽に彩られる声のエンターテインメントとして歌手の技量も存分に楽しめる、オペラの中のオペラだ。

新国立劇場「トスカ」より            撮影:寺司正彦

新国立劇場「トスカ」より            撮影:寺司正彦

新国立劇場のマダウ=ディアツ演出は、1800年6月17日(ナポレオン軍がオーストリア軍に勝利した日)のローマの恋人たちのドラマを緻密な描写で描くもので、自由を求めるカヴァラドッシとトスカの愛、共和派を追う警視総監スカルピアの暗い欲望がダイナミックに綴られ、新国立劇場のレパートリーの中でも屈指の人気を誇る。

新国立劇場「トスカ」より           撮影:寺司正彦

新国立劇場「トスカ」より           撮影:寺司正彦

舞台はローマに現存する聖アンドレア・デッラ・ヴァッレ教会、ファルネーゼ宮殿、サン・タンジェロ城という歴史的建造物で展開。中でも第1幕フィナーレの「テ・デウム」は、教会の礼拝堂から壮麗な聖堂へと目の前で舞台装置が動いて変化し、人々の神を讃える合唱を背景に悪役スカルピアが欲望を吐露する、圧巻の名場面。新国立劇場ならではの豪華絢爛な舞台と大迫力の音楽で、オペラの醍醐味を存分に味わうことができる。

新国立劇場「トスカ」より           撮影:寺司正彦

新国立劇場「トスカ」より           撮影:寺司正彦

歌姫トスカ役には、世界の歌劇場で活躍するジョイス・エル=コーリーが新国立劇場初登場。ニュアンスに富む声と高度なテクニック、圧倒的なプレゼンスが絶賛される新世代のプリマドンナ、エル=コーリーのドラマティックなトスカは、客席の感動をさらう。カヴァラドッシ役はオペラ夏の祭典『トゥーランドット』カラフで強靭で厚みのある声が絶賛されたテオドール・イリンカイが出演する。イリンカイにとってカヴァラドッシ役はカラフや『蝶々夫人』ピンカートンと並ぶ得意役だ。そしてスカルピアはジョージア出身、重厚な表現に定評あるバリトン、ニカラズ・ラグヴィラーヴァ。

【トスカ】ジョイス・エル=コーリー(ソプラノ)

【カヴァラドッシ】テオドール・イリンカイ(テノール)

【スカルピア】ニカラズ・ラグヴィラーヴァ(バリトン)

指揮はイタリア・オペラを知り尽くす名匠マウリツィオ・ベニーニ。新国立劇場へ15年ぶりに登場した23年『リゴレット』でも一瞬の無駄もなく陰影豊かな音楽で感動を誘い、絶賛された熟練のマエストロが嬉しい再登場をする。ベニーニならではの劇的で緊張感漲る演奏に期待しよう。

【指揮】マウリツィオ・ベニーニ

新国立劇場「トスカ」より           撮影:寺司正彦



【あらすじ】
1800年6月17日、オーストリア支配下のローマ。共和派の画家カヴァラドッシは、脱獄した友人アンジェロッティをかくまった罪で捕らえられる。トスカをわがものにしようと狙う警視総監スカルピアは、トスカの面前で恋人カヴァラドッシを拷問し、命を救う代償にトスカ自身を要求。トスカは取引に応じたふりをして、カヴァラドッシを形だけの処刑とする約束を取り付け、出国許可証を手にするや否や、ナイフでスカルピアを刺し殺す。明け方、見せかけのはずの銃殺刑が行われるが…。

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