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空き家を活用した一軒家のコワーキング&レンタルスペース、「ゆるり屋」。

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空き家を活用した一軒家のコワーキング&レンタルスペース、「ゆるり屋」。

ビジネス目的や学習スペースとして今や当たり前に普及しているコワーキングスペース。JR長岡駅から徒歩7分の場所に位置する「ゆるり屋」は、少し珍しい一軒家のコワーキング&レンタルスペースです。築55年の民家を購入し2022年4月に「ゆるり屋」をオープンした村山さんは、運営をしながら保護猫のミルクボランティアとしても活動しています。人懐っこい看板猫の茶まめ店長とまったりしながら、「ゆるり屋」をはじめたきっかけや利用方法について聞いてきました。

ゆるり屋

村山 祥恵 Sachie Murayama

長岡市出身。都内の専門学校に進学後、旅行会社に就職。27年間勤務し、観光業に広く携わる。在職中の2013年からは新潟支店やぐんま支店にて、県庁および自治体の地域誘客の案件を任されイベント運営を行うなど、地域の活性化を目的とした観光プロモーション等に従事。退職後、2022年に「ゆるり屋」をオープン。現在は2匹の保護猫と同居している。

看板猫がお出迎え。ホッと安らぐ一軒家のコワーキングスペース

――茶まめくんは今日も元気ですね。村山さん、お久しぶりです。

村山さん:お久しぶりです、茶まめは相変わらずお客さんに可愛がってもらっています。

――以前お伺いしたときは2階の個室のコワーキングスペースを利用させてもらいましたが、「ゆるり屋」さんの他のスペースについて聞いてもいいですか?

村山さん:1階は受付と土間、和室です。通常のコワーキングスペースとして利用していただけますが、貸し切りの予約等が入っているときは使用できません。2階は全4つの個室ブースと、ミーティングルームがあります。

――村山さんは「ゆるり屋」をオープンする前はどんなお仕事を?

村山さん:旅行会社に27年間勤めていました。最初は団体旅行やイベントを専門に扱う支店だったので、スポーツやエンタメのイベント企画運営や事務局業務がメインの仕事でした。その後は、新規店舗の立ち上げや観光プロモーションなどさまざまな業務に携わらせてもらいました。2013年に新潟支店に転勤となり、そのタイミングで新潟に戻ってきたんです。最後の勤務地は群馬の高崎で、長岡から新幹線通勤をしていました。

――長くお勤めになった会社をお辞めになったきっかけをうかがえますか?

村山さん:コロナ禍で早期退職制度の話があったことがきっかけです。社内でもいろんな職種を経験できたことに満足していましたし、その時に携わっていた大きな仕事の最終日が年度末の「3月31日」だったんです。私の年齢が49歳だったので、50歳から次のステージというのもちょうどいいタイミングだなと思って、卒業することにしました。

――村山さんはなぜ「ゆるり屋」をはじめようと思ったのですか?

村山さん:空き家を活用して、交流の場を作りたかったんです。地元だけでなく首都圏や県外の方に花火シーズン以外の時にも長岡にたくさんの人に来てもらいたいので、長岡の観光に関する情報発信もしたいと思いました。会社勤めの後半は、“誰かを連れて行く旅行”よりも、“地域に人を呼ぶような観光”や“地域づくり”に関わる仕事が多かったので、そういう役割を持つ拠点を作りたいと思ったのもきっかけのひとつです。

保護猫への恩返しで、ミルクボランティアに。毎月22日は「にゃ会」も開催。

――村山さんは保護猫のミルクボランティアとしても活動されているんですよね。これってどういったボランティアなんですか?

村山さん:300gくらいの小さな子猫が800gになるまでの間、哺乳や排せつのお世話をしたり、社会性を身に付けるために遊んだりしながら飼育するボランティアです。最初は本当に小さい赤ちゃんなので、里親さんが育てやすい大きさになるまで預かってお世話します。

――へえ、そんな小さくてかわいい時期に1か月も一緒にいたら、愛着が湧いてしまいませんか?

村山さん:そうですね。毎回、寂しくなります。でも、日々成長していく姿を間近で見られることの幸せを感じながら、里親さんにつなげるための大事な期間だと思って、泣かずに送り出そうと心がけています。

――大切な活動なのですね。「ゆるり屋」では毎月22日に「にゃ会」なるものが開催されていますが、これってどんなイベントですか?

村山さん:猫がテーマのゆるい茶話会です。犬を飼っている人はお散歩のときに飼い主さん同士が話せると思うんですけど、猫は外に出さないので。“猫好きが集まる夜会“にかけて「にゃ会」と称し「猫活」をしています。飼い猫に関する困りごとや雑談もできる場所でもあります。

――どんな方が参加されているのでしょうか?

村山さん:猫を飼っている・いないに関わらず、猫好きなら誰でも参加していただけるので、いろんな方がいらっしゃいます。猫の話題以外でも、皆さんのお仕事や趣味などいろんな情報交換ができるのでとても楽しいです。参加者同士で新しいつながりも生まれたりしているので、ゆるい異業種交流会になっている時もあります。

「つなげる」じゃなく「つながる」場所になるのが理想。

――「にゃ会」のほかにも火曜と木曜の「かもくカフェ」やスナック「そろり屋」など、人が集まることをされているんですね。

村山さん:お酒を飲むことやおしゃべりが好きで、以前はよく会社帰りに飲みに行っていたんです。職場の仲間と一緒に行くこともありましたが、ひとりで行くのも好きなので、いくつかの「行きつけの場所」がありました。そんな、ひとりでも気軽に立ち寄って話せる場所をつくれたらいいなと思っています。

――オープン当時のリリースにあった「自宅でも職場でもない、快適なサードプレイスに」という部分ですね。

村山さん:サードプレイス“を”ではなく、“に”としたのは、そう思って利用していただけたらいいなという思いを込めました。「ゆるり屋はあなたのサードプレイスです」っていうのではなく。

――といいますと?

村山さん:サードプレイスやコミュニティは、自然にできていくものなのではないかなと思っています。“つなげる”んじゃなくて“つながる”もの。「ここがあなたのサードプレイスです」ってこちらが言うのはちょっと違うかなと思っていて。利用される方にそう感じてもらえたら嬉しいです。

――なるほど。オープンから3年が経ち、当初から変わったことはありますか?

村山さん:当初は想定していなかった使い方でご利用いただくケースがあって、例えば企業の新商品プレゼンや個別面談、帰省したご家族の集まりなど、いろんな需要があることがわかりました。実は利用者の約8割は県外の方なので、ご要望に沿った使い方ができるよう工夫したり提案したりするようにしています。前職でも結構楽しく仕事をしていたので、そのあたりは変わらずにお客さまとの関わりを楽しみながら、名前の通りゆるりと、自分のペースでやれるようにしていきたいですね。

――この先、取り組んでみたいことなどありますか?

村山さん:少し考えているのは、イベントや観光に関する「よろず相談業」ですね。自分自身長く観光やイベント企画に携わってききたので、その経験を活かして、地域や誰かの役に立ちたいと思っています。たとえば規模の大小に関わらず「はじめてイベントを主催したい」とか、起業まではいかなくても「やってみたいことを形にしたい」という方にはちょっとしたアドバイスができると思うので、ぜひ気軽にゆるり屋にいらしてください。ねこ店長とお待ちしています。

ゆるり屋

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