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暴動クラブ 売り切れ店続出のデビュー盤から約4ヵ月、新作EP『撃ち抜いてBaby,明日を撃てLady』での挑戦と今後の展望

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暴動クラブ/釘屋 玄(Vo)

2024年8月にCDリリースしたメジャー1stアルバム『暴動クラブ』が各地で売り切れ店が続出となった暴動クラブが、EP『撃ち抜いてBaby,明日を撃てLady』をリリース。プロデュースに元THE ROOSTERSの井上富雄(Ba)を迎え、カップリングには浜田省吾「あばずれセブンティーン」のカバー、そして8月に渋谷クラブクアトロで開催したワンマンライブからライブ定番曲「欲望」のライブ音源を収録。ボーカルの釘屋 玄に、デビュー後の反響、新作EPの制作エピソード、そして今後の展望を聞いた。

――アルバム『暴動クラブ』がリリースされて4ヵ月が経ちました。反響はいかがですか。

アルバムを録ったのは当然それよりも前なので、俺らからするとあんまり新しい感じはしないんですけど、この間、シングル(「撃ち抜いてBaby,明日を撃てLady」)が出たのでレコード屋に行ったらおじさんに後ろから声かけられて。殺されるのかと思ってちょっと怖かったですけど(笑)、いまだにいろんな人が買ってくれたりしててありがたいです。

――暴動クラブの近作は配信されていないから、大部分の人は買って聴いてくれているってことですもんね。

今の時代、3000円出して聴いてくれるっていうのはサブスクでサクッと聴くよりも重い行為だし、愛を感じます。

――アルバムリリース後には渋谷クラブクアトロでワンマンライブもありました。改めてどんなライブでしたか。

アルバムをわざわざ買ってくれるというのもそうですけど、俺らだけを観にワンマンに来てくれる人もすごくありがたいし、さすがにライブ前はちょっと緊張しましたね。頑張らんとな、気合を入れないとなって。

――多くの人の前に出る機会が増えたり、音源がお店にたくさん並んだり、プレッシャーみたいなものは感じないですか。

人目につくようになったし、いろんな人が聴いて知ってくれているので、ただでさえ俺は音楽をやってなかったとしても背が高くて髪も長くて人間自体が目立つから、悪いことできないなって(笑)。街中でなんかカッコ悪いことしてたらすぐにバレて恥ずかしいことになるから、普段からシャキッとしますね。

――2024年は『氣志團万博』にも出ていましたもんね。

開場前にリハをやらせてもらったときはフロアに人がいなくて緊張したけど、開場してある程度人が入ったら普段どおりっていうか。朝イチなのにけっこう人が来てくれてありがたかったし、氣志團の人たちがすごく優しくてカッコよかったですね。

――綾小路翔さんからは何か声をかけられましたか?

なんかもう、すごい喋ってくれて。何から何までありがとうございますって感じでした。バックステージも店とかあったりして楽しくて、お客さんだけじゃなくて、出る側もすごく楽しいフェスでした。

――フェスだと若いお客さんが多いわけですけど、暴動クラブの音楽に対する反応はどんな感じですか。

俺らの音楽は4つ打ちでも16ビートでもないから、フェスだと手を上げるノリ方をされる人が多いこともあって“ちょっと困ってんのかな?”っていうのはありつつ、おおむね好意的に見てくれてる印象を受けました。

――そういうお客さんに向けてパフォーマンスを寄せていくのではなく、自分たちのやり方で引っ張っていくという姿勢なわけですよね?

そう、そうなればいいなって。フェスでウケるためにつくっても本末転倒だと思うから。

――もしかすると、暴動クラブの音楽性から離れた大衆的なフェスの場から得るものってあまりなかったりしますか?

でも、好きな音楽は自分らで勝手に知るし、知らない音楽を観るほうが“こういうのもあるんだな”って感じられるので、自分たちと全く違うタイプの人のライブを観るほうが刺激になりますね。

――では、新曲「撃ち抜いてBaby,明日を撃てLady」について聞かせてください。この曲は暴動風のポップソングになっていますね。なぜ、今回この曲をシングルにしようと思ったんですか。

アルバムが全くポップスじゃなかったというか、俺らが好きな60年代の3コードのビート音楽に振り切ったので、今度はポップなものを出そうかなって思ってて。ただ、ドラムが普通にビートを叩いて、ギターがコードを弾いて、みたいヤツだと面白くないんで、“好き勝手やってください”みたいな感じでみんなにアレンジを委ねました。だから、ギターはけっこう弾いてるし、歌もわざとガーっと歌ったりしてバランスを取りました。あんまりキレイにやりすぎるとそこそこいいポップスになってしまうので、そこはアレンジで崩しました。

――むしろ、アレンジで崩してもらわないと困るっていう。あのメロディー感はどこからの影響ですか。

最初の半音ずつ下がっていく進行は俺がけっこう好きな感じで。この曲の元になってるのは1、2年前に俺が夜中に録ったやつなんですけど、そのときはシーナ・アンド・ザ・ロケッツの「ムーンライトダンス」とか、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの静かめな曲……「アフター・アワーズ」とか「キャンディ・セッズ」みたいな曲をやろうと思ってました。だから、最初からメロディーとコード進行があったんですよ。今までは楽器ありきでつくる曲が多かったからメロディアスじゃなかったり楽器的な歌が多かったんですけど、この曲は先にメロディーと進行がバチッと決まってたんです。

――最初からある程度、歌メロが軸になってたんですね。それをメンバーに投げたらこうなったという。

そのまんまやったほうが本当はよかったのかもしれないけど、レディオヘッドの「クリープ」で“この曲、好きじゃないな”と思ったギターの人がサビ前にギターのカッティングを入れていたみたいに、歌モノをちょっと分解して自分の好きなようにするっていうのが俺は好きなので、これでよかったんじゃないかな。

――崩すというよりも、化学変化的なものを求めていたと。ちなみに、この曲のプロデューサーとエンジニアの顔ぶれがすごいです。

井上(富雄)さんは俺らみたいな3コードが特徴的なTHE ROOSTERSをやってたり、ブラスが入ってるブルー・トニックもやってたので、自分たちにも通ずるものがあるんじゃないかなと勝手に思ってて。あと、井上さんは音楽的な知識がすごい方で、さっきもちょっと話しましたけど、今回の曲はベースもギターもすごく動くし、歌メロも動くんで、ちょっとぶつかってる場所があってなんか気持ち悪いなって思ってたときにキーボードで音を探ってアドバイスをくれたし。エンジニアの飯尾(芳史)さんも元々アルファレコードにいたすごい方じゃないですか。だから、音の処理もアルバムとはまた違う方向でいいものになりました。

――でも、世界で一番好きなベーシストが井上さんだという城戸さんは緊張しまくってたんじゃないですか。

そうっすね。でも、今回みたいに俺らにしてはちょっと複雑な曲をやるときに、部分部分で細かいところまで客観的に詰めてくれたり、音楽理論の面でアドバイスをもらえたのはすごくありがたかったです。

俺が好きなのは人間の弱さやナーバスな感情を書くジョン・レノンタイプっていう。ブルースが好きなのもそういう理由なんですよね。

――2曲目には浜田省吾「あばずれセブンティーン」のカバーが収録されています。

これは単純に俺がやりたくて。ほかにもいっぱい候補は出てたんですけど、A面がポップなので、カバーをやるならちょっとポップだけどロックンロールのフォーマットの曲がいいなと思っていろいろ聴いてたら、“そういえばこの曲があったわ”って。これをバンドでやったらいい感じになるだろうなと思って提案したら決まったって感じです。

――浜田省吾さんのどんなところに魅力を感じるんですか。

歌詞が好きで。なんて言ったらいいのかな……俺が思うに、歌詞には大体2パターンあって、片っぽが“世界は素晴らしい”“頑張ろう”みたいなものだとしたら、もう片方が“世の中には辛いこともある”っていうブルース的な感じというか。たとえば、ポール・マッカートニーが“世界は素晴らしい”“頑張ろう”みたいな歌詞を書く人だとしたら、人間の弱い部分を歌詞にするのがジョン・レノン、みたいな。で、俺が好きなのは人間の弱さやナーバスな感情を書くジョン・レノンタイプっていう。ブルースが好きなのもそういう理由なんですよね。で、日本で言うと浜省さんの歌がそうじゃないかと俺は思ってるんです。

――けっこう昔から聴いているんですよね?

そうです。父親が好きだったんで。

――ということは、半ば刷り込みに近い。

そうっすね。親の車で流れるのは基本的に浜省だけで、母親の場合はユーミンと聖子ちゃんだけ。そうやってそれぞれから刷り込みがありました。浜田さんの曲は程よくポップで、程よくロックで、そのバランスがすごくカッコいいんですよね。

――でも、小さい頃って歌詞のよさまではわからないですよね。いつ頃その魅力に気づくんですか。

中学とか高校あたりですかね。ちっちゃい頃はなんとなく聴いてる感じでしたけど、中学生になってCCRとかビートルズとかストーンズを聴き出してそこから浜省に戻ってみたら、曲はカッコいいし、“こういうことを歌ってたんだ!”って気付きました。

――今、ユーミンと松田聖子の名前が出てきましたけど、暴動のメロディーにはそういったアーティストからの影響もあったりするんですか。

あるかもしれないですね。 自分で音楽を聴き出してからも、そのあたりのニューミュージックというか、飯尾さんが手掛けていたアルファレコードのハイ・ファイ・セットとかも聴いてたし、すごく好きなんですよね。今バンドでやってる音楽は3コードのロックンロールとかパンクですけど、普段聴くのは意外とソフトロック、ウエストコーストポップ、フレンチポップみたいなメロディーがキレイな曲なので。「撃ち抜いてBaby,明日を撃てLady」はもしかしたらそういうところからの影響が出たのかもしれない。

――「あばずれセブンティーン」のカバーは原曲よりも若干テンポが速いですけど、これは暴動的な速さですか。

基本的にテンポをとるのがドラムの壱歩くんなので、彼のやりやすい速さでやったんじゃないかな。

――そこはお任せなんですね。そのテンポでやりたいというならとりあえずそれに乗っかってみるという。

よっぽど速くてベロが回らないってなったら“いや、これはちょっと……”ってなるけど、オリジナルにしてもカバーにしても、やりやすいテンポでやることで一番バンドのノリが出ると思うから、そこはいつもうまいことやってるんじゃないかな。俺らってやりたいこととやりたくないことがはっきりしてる人が多いから、ある程度好きにやってぶつかるところがあれば修正する、みたいなことが多いかもしれない。

――それぞれが好き勝手にやることで衝突することはかなり多そうですが。

すげえ多いですね。“ここはこっちのほうが俺は絶対いいと思う”みたいなのがそれぞれけっこうあって、今回もそういうことはあったけど、井上さんから天の声みたいな感じで客観的に言われることで落としどころが見つかるっていうことはありました。井上さんは理論的に話をしてくれるから、みんな素直に飲み込めるんですよね。俺はコードとかについてはあんまりよくわからないから、“なんか違う気がするんだよね”としか言えないんですけど、井上さんは“何度と何度で歌がぶつかるから”みたいに言ってくれて、 なるほど、みたいな。すごくやりやすかったです。

――3曲目には新曲「欲望」が収録されていますが、これは初収録ながらライブバージョンになっています。いい意味でスタジオ録音との空気感の違いを感じなくて、それが暴動クラブというバンドの面白さを表しているように感じました。

この曲は昔、スタジオで一度録ったことがあって、“ちょっとな……”っていうことでお蔵入りになったんですよ。なので、この曲はライブでやるほうがいいのかなと思ったんですけど、かといって、何も音源を出さずにライブだけでやるのもあんまりだし、クアトロでのワンマンの演奏がカッコよかったんでそれを入れることになったっていう。ライブ映えするし、これが一番いい形なんじゃないかって。

――これはこれでもう完成なんですか。それとも、また改めてレコーディングすることになるんですか。

それはみんなの気まぐれ次第じゃないですかね(笑)。ただ、昔のアーティスト……たとえばヤードバーズは1stアルバムがライブ盤だし、ライブバージョンだけっていうのもいいんじゃないかなって。

――ああ、言われてみればたしかに、ELP『展覧会の絵』があとからスタジオ録音されていたとしたら微妙な気持ちになりますね。あれはライブバージョンだからいいっていうところもあるし。

そうそうそう。スタジオで録り直すほうがいい場合もあるんでしょうけど、ライブバージョンしかないからこそいいっていうのもあるんじゃないかな。ライブでしか出ないノリもあるし。

――そう言われると納得しちゃいますね。

ライブバージョンは、もうこれ以上足すものはありませんって感じで潔く出せるし、これからもいっぱい出していきたいと思ってます。

今、俺たちはアルバムもシングルもフィジカルでしか出してないけど、ネットで音楽を聴いて育ってたらこういうことはやってなかったかもしれない。

――ふと思ったんですけど、もし今の世の中にYouTubeや音楽配信がなかったとしても、暴動クラブは今の音楽にたどり着いていたと思いますか。

他のメンバーは割と親御さんが音楽好きだったりするけど、俺はそうじゃなくて、ネットとかで調べてから好きになる人なんで……。でも、最初に音楽を買いに行ったのは神鳥さんのとこ(広島市にあるレコード店・STEREO RECORDS)だったから、ネットがなくてもどこかしらのタイミングで好きになってた気はします。Apple Musicにあるちょっと有名なアルバムだと、解説文みたいなのが読めたりするじゃないですか。あと、wikipediaとかでバンドの情報を見たりとか。でも俺、ディスクガイドとかアーティストの自伝を読むのも好きなんですよね。だから、やっぱりネットがあってもなくても一緒だったかもしれない。

――そう、なんとなくそんな気がしたんですよね。ひょっとしたら、ネットがなくても暴動クラブはここにたどり着いてたんじゃないかって。でも、ほかにも釘屋さんみたいな人はいるかもしれないけど、同じような音楽の触れ方をしてきた人間が4人も集まるだなんて奇跡みたいですよ。

そう言われてみると、確かにってなります。あれかもしれないですね。今、俺たちはアルバムもシングルもフィジカルでしか出してないけど、俺らがみんなネットで音楽を聴いて育ってきてたらこういうことはやってなかったのかもしれない。

――ああ、自分たちがそうじゃないから、“サブスクで聴けなかったら人に知ってもらう機会がないじゃん”という思考にならないのか。

そうだと思います。松嶋と(城戸)ヒナコさんはレコード屋でバイトしてたし。あと、俺らのCDに限った話じゃないですけど、サブスクとかネットで調べて聴くと、つるっと“こういう感じか”みたいになることが多いと思うんですよ。だけど、レコード屋でたまたま……たとえば、“ジャケットがかわいい”とか“店内で流れてた曲が好き”みたいなことがきっかけで聴きはじめるほうがその曲を本当に好きになる確率が高いというか。それに、お金を出して買ったものは聴かないともったいない……っていうのもあれだけど。

――いや、それは本当にそうです。お金を出して買ったものの自分の好みに合わなかったっていう作品を何度も聴いた経験は自分にもあります。

そう。よくわかんないレコードを買っちゃったとしても、“とりあえず聴くか”になるんですよ。それがサブスクとフィジカルの違いだと思うし、物が手元にあればその場で歌詞カードとかも読めるし、あとは裏ジャケ。あれがいいですね。配信だと裏ジャケまでは見られないじゃないですか。それがもったいないなって。

――もっと表現できるスペースがあるのにっていう。

そうですそうです。だから、もし俺がサブスクサービスを作るとしたら、ブックレットの中まで読めるようにしたい(笑)。

――暴動クラブの姿勢として、CDで聴いてもらいたい理由はサブスクが嫌っていうことではなく、CDというパッケージを使ってフルで表現してるものに触れてほしいということなんですね。

そうですね。実際、俺もSpotifyとかApple Musicは使ってるし。あと、サブスクで聴けない作品ってあるじゃないですか。ブランキー(BLANKEY JET CITY)はこの間出ましたけど、ブルーハーツはまだ出てないし。そういう作品って、CDとかを買って聴くと“これか……!”みたいな感動があるし、“歌詞カード込みで聴くほうがいいじゃん!”ってなる。実際、サブスクで聴いて好きになったヤツはレコードで買って永久保存版みたいな感じにしてるし。やっぱり、音楽作品の本来あるべき姿は、表と裏のジャケットがあって、歌詞カードが入ってて、読み物みたいな感覚があるものなんですよね。それが楽しい。今後、俺らがどうやって作品を出していくかはわかんないですけど、気持ちとしてはフルの状態で聴いてほしい。お店まで買いに行くのはめんどいかもしれないですけど。

「撃ち抜いてBaby,明日を撃てLady」ジャケット

――暴動クラブの音楽は海外からの需要もあると思うし、より幅広く聴いてもらうためにはサブスクがあるほうがいいという考え方もあると思うんですけど、自分たちの天秤にかけると、やっぱりフィジカルをより大事にしたいということなんですね。

今のところはそうですね。やっぱり、CDとかレコードみたいに何かしら形があるものがいいな。

――アートワークにも思い入れがありますもんね。

アルバムも今回のシングルも、有賀(幹夫)さんが撮ってくれた撮って出しの写真を使ってて。写真そのものがカッコいいからデザインはそこまでしてないんですけど、それがよくて。

――写真もちゃんと見てほしい。

そうですね。個人的にも写真だけのジャケットが好きなので、写真集を買うつもりで買ってくれたら。

――ああ、そういう気持ちもあるんですね。

今はサブスク中心だから減ってるのかもしれないけど、昔のレコードだと裏ジャケにメンバーのプロフィールが載ってたりして、読み物としてもすごく面白いんですよ。そういうのも込みでフィジカルはいいぞって思います。音の良し悪しとかは正直、よくわかんないんでどっちでもいいんですけど、単純に物が家にあると俺はうれしいんで。

――レコードは特にですけど、ジャケットを開いたときにアートワークが大きく目に飛び込んでくる感じがいいですよね。

ああいうのがうれしいっすよね。ああいうものにこそお金を出す価値があるんじゃないかって。だから、俺らの作品も、買って手に取って楽しいって思ってくれたらうれしいです。

2000年代生まれの俺らが古いスタイルの音楽をやってる時点ですでに意味があると思う。これからも精進して温故知新でロックをやっていきたいです。

――さて、今年は4月に恵比寿リキッドルームでワンマンライブが開催されます。さすがにまだ準備はしていないですよね?

ライブに向けてはまだ特に。でも、今回のシングルにチケット先行の封入ちらしが入ってて、それでチケットを取るのが一番整理番号が若いらしいんですよ。そういうことができるのもフィジカルだからこそかなって。内容に関してはまだ何も決まってないですけど、新しい曲もいっぱいやりたいし、せっかくちょっと大きいところでのワンマンなので、何か面白いことができたらなっていうのは考えてます。

――今年はどんな一年にしたいですか。

具体的にどこ、みたいな目標はないですけど、行けるとこまで突っ走りたいですね。音源にしてもライブにしてもいいものをいっぱい出して、できるだけたくさんの人に聴いてもらいたいです。

――最後に聴かせてください。みなさん、昔のロックンロールが好きだと思うんですけど、それは単純にその音楽自体が好きなのか、それともその時代に対する憧れみたいなものもそこには含まれていたりするんですか。

俺らは古いスタイルで音楽をやってますけど、メンバーの中にはアイドルが好きなヤツもいるし、K-POPを聴いてるヤツもいるし、俺は俺でテクノとか最近のジャズロックみたいなのも好きだから、そういう音楽を聴いた上でもこういう音楽をやってるってことは、音楽そのものが好きなのはまずあると思います。でも、その音楽の周りにある服とか映画とか本まで含めてのカルチャーだから、それも込みで好きなところもある。華やかだった時代に思いを馳せる、というか、たとえば60年代ロンドンのあの感じは俺らはもう体感できないけど、音楽や映画を通じて体験はできるから、そういう意味でも昔のものが好きっていうのはあるかもしれないですね。日本だと、「神田川」とかもそうですよね。音楽って世の中を映す鏡じゃないですか。そういうことを俺らもできたらいいなって。

――自分たちの音楽でも時代を映していきたい。

どうやって映すかはわからないけど、2000年代生まれの俺らが古いスタイルの音楽をやってる時点ですでに意味があると思うし、もっとほかのやり方があるかもしれないし、これからも精進して温故知新でロックをやっていきたいです。

取材・文・撮影=阿刀“DA”大志

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