マドレーヌとフィナンシェって何が違うん? ミックス粉で作ってみた / ある意味当然の結果に
バレンタインシーズンにダイソーの製菓材料コーナーがゴキゲンな感じになっていたことはすでにお伝えしたが、当該のコーナーを眺めていてふと気付いた。
「マドレーヌミックス」と「フィナンシェミックス」がそれぞれ売られている。
……マドレーヌとフィナンシェって……違うの?
いや、そりゃ多分多少は違うのだろうが、その実この二つの違いを明確に説明できる人がどれだけいるのだろうか? 少なくとも筆者は「ちょっとリッチになったマドレーヌの亜種=フィナンシェ」程度の認識だ。
これさぁ……違うのは名前と形だけで、味は同じものが出来上がるんじゃないの?
というわけで、性格の悪い筆者は両方作って確かめてみることにした。
・マドレーヌ
まずはマドレーヌ。材料は「マドレーヌミックス粉」と、卵とバター。
卵を溶いて、粉を投入。
よく混ぜたら、溶かしたバターを入れてまた混ぜる。
型に流し入れて、
180度に予熱したオーブンへ。10〜12分とのことだったが、ちょっと焼き色が薄かったのでちまちま追加熱し、合計15分くらい。
焼きあがったら、型から外せば完成。手のひらサイズのシェル型に12個分。
……ハチャメチャに簡単だな……。
冷めるのを待ちつつ、このままの勢いでフィナンシェも作ってしまおう。
・フィナンシェ
さて、フィナンシェ。作り方を見ようと裏返すと……え?
めっちゃ色々材料要るやんけ。
卵白も要るし、アーモンドパウダーも砂糖も要るし、そういうの全部混ざっとんのがミックス粉ちゃうんか! と問い質したい。どこがミックスやねん。
とはいえ、これで当初の「同じものが出来上がる」疑惑は消えたことになる。こんだけ材料追加すれば変わるよそりゃ。
再度買い出しに駆けずり回って追加の材料を確保。気を取り直して、作ってみよう。
卵白のみをボウルに割り入れる。85gとのことだったが、大きめの卵2個分で83gになったので もうこれで行くことにした。2g分くらい気合いでなんとかなってくれ。
砂糖を加えて、泡立てないように混ぜる。
粉とアーモンドパウダーを入れて混ぜる。
溶かしバターも混ぜて、
型に入れて、
190度で20〜22分。
型から外して完成。マドレーヌと同じ型で、こっちは17個分できた。
・実食
よし、実食といこう。まずはマドレーヌ。
おー! 美味しい。もっとパサパサかと思ったが さにあらず、街のお菓子屋さんで売ってそうななかなかの本格派。外はさっくり中はふんわり、バターの香りが優しい。お手本のようなマドレーヌだ。
フィナンシェ。
おお、なるほど。当たり前だが、ちゃんと違う。これも外側はサクッとしているが全体的にリッチで、よりしっとりずっしりねっちりした生地。
バターの香りはもちろんアーモンドパウダーの存在感も効いていて、しっとり感や香ばしさに加えてアーモンドの「味」まで感じる。うっま……。
・違ったけどさ
まあ、だから、両者にはちゃんと違いがあったのだが……。
マドレーヌの方はもうメチャクチャ簡単。量ったり振るったりが面倒な「粉」部分をミックス粉が担ってくれているので、お手軽感がちゃんとある。バターと卵は要るものの計量もほぼないし、基本混ぜるだけで力仕事もない。それでいてちゃんと美味しい。
対するフィナンシェ。追加で必要な材料が多いのに加え、追加の粉類を量ったり卵白だけを分けたりと、ちょっと上級者向けかも。下世話な話、アーモンドパウダーが入る分材料費もちょいとお高めである。
が、悔しいことに、美味い。
工程の多さや材料費の高さを補って余りあるリッチな美味さ。だから微妙に納得させられてしまう。いやはや、ズルい。
というわけで、少なくともダイソーのミックス粉で作る「マドレーヌ」と「フィナンシェ」は全然違いました。どっちもそれぞれ美味しいので、初心者はマドレーヌ、上級者はフィナンシェを是非。
執筆:砂付近
Photo:Rocketnews24.