【私の原宿】チュートリアル・徳井義実が語る “こじらせ”を受け入れてくれる街。神宮前交差点から繋がる、愛あるモノづくりとは
徳井義実(チュートリアル)
1975年京都府生まれ。1998年に幼馴染の福田充徳とお笑いコンビ「チュートリアル」を結成。「M-1グランプリ2006」で優勝。漫才師として圧倒的な評価を得る傍ら、バラエティ番組のMCや、俳優としてドラマ・映画に出演するなど多岐にわたり活躍している。近年は、自身の「あったらいいな」を形にするライフスタイルブランド『Mystify』を立ち上げ、キャンパーや日常使いできるバッグなどを手掛ける。バンド、アウトドア、カメラ、ヴィンテージ時計、など男のロマンを追求する多趣味な一面を持つ。@tokui_yoshimi/@mystify_industries
コンドマニアの広告と、「awesome」なものづくりの交差点
原宿・神宮前交差点。ラフォーレ原宿の向かい側に、僕にとってすごく思い入れのある場所があります。
実は8年ほど前まで、あの交差点の一角にあった「コンドマニア原宿」に、僕が2015年からイメージキャラクターを務めた、コンドームのオカモトさんの商品広告がでっかく貼ってあったんですよ。原宿のど真ん中にあんな広告を掲げてもらえて、僕のキャラクターで芸人をやってきたことが、実を結んだようでとても嬉しかったんです。前を通るたびに「あ、俺いるなー」って。記念写真を撮りに行ったくらい。
そして最近ふと思ったんです。あの看板になった経験が、今の僕のモノ作りに繋がっているんじゃないかって。だってコンドームって、愛や命、大切な人を守るための大事な「入れ物」じゃないですか。僕のブランド『Mystify」の看板商品である「awesome backpack」などの「awesome series」も“大事なものを守るため”の入れ物ですから。
そもそも『Mystify』というブランドは、「神秘的な」とか「不可解な」といった意味を持っています。世の中、何でもかんでもパキパキ白黒つけすぎで、人間もっと曖昧な部分があった方が面白いよね、という哲学が根底にあります。
でも、だからといって作っているモノ自体を曖昧にする気は一切ありません。「神は細部に宿る」の精神で、お客さんをがっかりさせず、むしろ驚きを与えるために見えない部分までめちゃくちゃこだわって作ってます。ジップの開きやすさとか、自立するような設計になっていたりとか。きっと僕が広告を務めたオカモトさんの「ゼロワン」もそうだったんだと。作る側になってようやく本当の意味で理解できたのかもしれない。
思えば、原宿や表参道って、いろんなカルチャーが入り混じる多様な空気と、自分たちの手で新しいものを生み出していく「D.I.Y.精神」が息づく街ですよね。だからこそこの街は、あの看板も建物が無くなるまで、長年に渡って受け入れてくれたんだと思います。
白黒つけない「曖昧さ」を愛しながら、一切妥協しない「好き」を突き詰めたものづくり。そんな僕の“こじらせ”までひっくるめて受け入れてくれる、この街の空気感と結びつきながら、これからも自分らしいモノ作りを続けていきたいですね。
Text & Photo:Yoshimi Tokui(Tutorial)
Profile Photo:©︎YOSHIMOTO KOGYO CO.,LTD.
Edit:Tomohisa Mochizuki