【総社市】シャカスパイス 〜 うまみとスパイス感があふれ、こだわりの食材を使うスパイスカレー専門店
一口食べると、口の中に複雑で心地良いスパイスの風味が広がるのが魅力のスパイスカレー。
総社市中心部に、こだわりのスパイスカレーを出す専門店があります。
「シャカスパイス(SHAKA SPICE)」です。
独学でスパイスカレーの研究を重ねてきたオーナーは、レギュラーメニューとして3種のスパイスカレーを提供。それを単品や2種がけ、3種がけで楽しめるのです。
さらに辛さのないチキンキーマカレーもラインナップしているので、辛いのが苦手でも楽しめます。
食材やスパイス感だけでなく、うまみも感じられるように調理法にも工夫しているシャカスパイスのこだわりや歴史を、深掘りしていきましょう。
シャカスパイスは、総社市役所の北向かいにあるスパイスカレー専門店
シャカスパイスは、総社市中央二丁目にあるスパイスカレーの専門店です。
ちょうど、総社市役所の「市役所通り」を挟んで北向かいにある建物の一角に所在しています。
小さなころから料理が好きだったというオーナーの守安基将(もりやす もとまさ)さんが、一念発起して2024年にオープンしました。
守安さんは飲食店未経験ですが、独学でカレーづくりやスパイスについて研究し、こだわりのカレーを提供しています。
店内はカウンターのみ9席です。
メニュー紹介
2025年(令和7年)4月時点の情報。価格は消費税込
メインとなるスパイスカレーは、レギュラーメニューとして3種類がラインナップしています。
・チキンカレー
・牛すじカレー
・ココナッツエビカレー
そして、1種のみ楽しむ「カレー1種」、2種を選んで盛りつける「あいがけ(2種)」、3種すべてを同時に楽しめる「全部がけ(3種)」という3通りの楽しみかたがあります。
チキン・牛すじに比べ、ココナッツエビはやや辛さ控えめです。
レギュラー3種に加え、辛さがない「チキンキーマカレー」もあります。
いずれのカレーも通常サイズのほかに、量が少ないキッズサイズも用意しています(小学生以下限定)。
時季限定カレーが登場することも。
時季限定カレーは内容によって、あいがけ(2種)の対象になります。
同じくチキンキーマカレーも、あいがけ(2種)の対象です。
チキンキーマ・限定のどちらも全部がけ(3種)にはできません。
さらにトッピングも豊富で、サラダとドリンクのセットもあります。
ドリンク類も豊富で、マサラチャイやラッシー各種が人気です。
カレーは持ち帰りもできます。
人気・イチオシのメニュー
シャカスパイスの人気のカレー、店イチオシのカレーを紹介します。
すべてのカレーのごはんは、ターメリックライスです。
ごはんの上にはフライドオニオンチップ、刻み赤タマネギ、ブロッコリースプラウト(ブロッコリー芽)が載ります。
また、どのカレーにもパリッとしたパパド、自家製のキュウリ・トマトのピクルス、同じく自家製のキャベツのアチャールが添えられています。
パクチー(岡山マイルドパクチー)が上に載るのもポイント。
苦手な場合は注文時に言えば、パクチーなしにできます。
チキンカレー
「チキンカレー」は、もっともベーシックな味わいのスパイスカレーです。
特徴は、大ぶりにカットされた鶏肉。
ゴロゴロと、たくさん入っています。
単に鶏肉を大きくたくさん入れているだけではありません。
弾力感のある食感と、鶏のうまみがしっかりと味わえるよう、煮こみ加減を調整。試行錯誤の末、もっともおいしい煮こみ具合にしているそうです。
しかも、鶏のうまみがカレーにも染み出しています。
鶏のおいしさが生かせるよう、スパイス配合も調整。
ややスパイス感のある味わいに仕上がっています。
ターメリックライスとの相性も良く、ドンドンと食が進みます。
牛すじカレー
「牛すじカレー」も人気のカレーです。
チキンカレー同様に、大きめの牛すじ肉がゴロゴロと入っているのが印象的。
チキンカレーと同じく、牛すじカレーでも牛すじ肉がおいしく楽しめるように煮こみ具材を調整しています。
さらに、牛すじカレーには和の食材が入っているのもポイント。
チキンカレーやココナッツエビカレーよりも、やや日本になじみのある味わいのカレーに仕上がっています。
カレーの甘辛い味わいとスパイスの風味に、牛すじの食べごたえある食感や肉の甘み・うまみが感じられて、大変おいしいです。
ココナッツエビカレー
ココナッツエビカレーは、ほかのチキン・牛すじとは少し風合いの違ったカレーです。
名前のとおりココナッツをふんだんに使っており、カレーの色が白っぽいのでインパクトあります。
使っているエビは、バナメイエビという品種。
それがたくさん入っています。
いろいろな品種を試した結果、バナメイエビが一番ココナッツカレーに合ったそうです。
食べてみるとサラリとした舌触り。
ココナッツ特有の甘い風味が広がり、ピリ辛感がマイルドに感じます。
さらにエビの風味が濃厚で、プリプリッとした食感が印象的です。
チキンキーマカレー
「チキンキーマカレー」は、鶏の挽き肉をふんだんに使ったカレーです。
挽き肉とタマネギをしっかりと炒めているのがポイント。
一口食べると、香ばしさとともにタマネギの甘みと鶏肉のうまみが口の中に広がります。
ごはんとの相性が良く、ドンドンと口に運んでしまいました。
チキンキーマカレーは、辛さなしのものしかありません。
辛さを加えたい場合は、卓上の辛味オイルを好みの量だけ加えてください。
スパイス感あふれる、個性的なカレーを提供するシャカスパイス。
オーナーの守安基将(もりやす もとまさ)さんに話を聞きました。
オーナーの守安 基将さんへインタビュー
スパイス感あふれる、個性的なカレーを提供するシャカスパイス(SHAKA SPICE)。
オーナーの守安基将(もりやす もとまさ)さんに話を聞きました。
小さなころから料理好き。小規模な店舗運営に向いているカレー店をめざす
──開業の経緯を聞きたい。
守安(敬称略)──
もともと私は、小さなころから料理をするのが好きでした。
しかし、将来は飲食店をやりたいなどの希望はなく、あくまでも趣味で料理を楽しんでいたんです。
だから、社会に出てからは、金融機関や鉄鋼関係の企業などで働き、飲食関係の仕事は無縁でした。学生時代に飲食店でアルバイトをしたくらいですね。
でも、やっぱり好きな料理づくり仕事にしてみたいと思うようになり、飲食店開業をめざしました。
──カレーという分野にしたのは?
守安──
飲食店をするにあたり、自分一人でも運営できる小さな規模の店にしようと思いました。
その規模でやるなら、ラーメン屋か定食屋かカレー屋だなと。
最初はラーメンにしようと考えていて、家でいろいろと研究し、試作を繰り返していました。
しかしラーメンづくり自体に飽きてしまったのです(笑)
飽きてしまっては、店としては続けられないですよね。
次に定食店を考えましたが、定食店だとある程度幅広いラインナップを準備しておかなければいけません。
定食屋は、一人でやるなら辛いかなと考え直しました。
いっぽう、カレーづくりはまったく飽きず、ドンドンのめり込んでいったのです。
とくにスパイスカレーづくりに没頭しました。
スパイスカレーづくりのきっかけとなったのが、ラジオ番組。
あるとき、ラジオから京都にある著名なスパイスカレー店の店主が出演していた番組が流れてきました。
そのかたは、脱サラしてカレー店を開き、約3年でミシュランの星を獲得するほどの人気店に成長。
「カレーはこんなにも可能性を秘めているのか」と感銘を受け、カレー店をしようと決意しました。
さっそく京都の人気店のカレーを取り寄せて食べ、その味を参考にして研究開始。
試作を何度も繰り返した結果、自分が納得できるスパイスカレーがつくれました。
ラーメンと違って飽きることはなく、その後はさまざまな種類のスパイスカレーをつくりました。
こうして、カレー店開店へ突き進んでいったのです。
ある日、たまたま空き物件となっているところを見つけました。それが現在の店がある場所です。
すぐに不動産屋に連絡し、物件を抑えました。そして2024年(令和6年)8月にシャカスパイスをオープンしたのです。
──「シャカスパイス」という店名の由来は?
守安──
カレーの名称の由来はいろいろとあるのですが、その一つにお釈迦様に由来するものがあります。
それは「若き日のお釈迦様が修行した山があるのが『カレ』という地で、修行後にお釈迦様は山で採れたスパイスなどを使った料理を地元の人に振る舞った。これがカレーの起源で、地名に由来してカレーと呼ばれるようになった」というもの。
カレーの店をするので、カレーの原点ともいえるお釈迦様から名前をお借りしました。
実証実験として出した3種のカレーがレギュラーとして定着
──現在のメニューはどのように決めたのか。
守安──
当初、メニューは二つにし、あとは期間限定メニューで出そうという予定でした。
試作段階でさまざまなカレーをつくりましたが、自信を持って店で出せると思ったカレーが「チキン」「牛すじ」「ココナッツエビ」の3種類。
最後に二つに絞るのは、お客様の好みや地域性などを考慮して決めたいと考えたのです。
そのため実験的に3種類を出し、しばらくしてから注文具合を見て二つに絞る予定でした。
しかし実際に営業してみると、3種類それぞれにファンが付き、どれも一定の売上があったのです。
だから3種類をレギュラーにしました。また「あいがけ(2種)」や「全部がけ(3種)」も用意しました。
初めてのご来店で迷ったら、まずはこちらを注文してみて、お好みのカレーを見つけるのがおすすめですね!
ただしチキンキーマカレーは、当初ラインナップになかったんです。お客様が増えるにつれ、お子様とともに来店されるかたも増加。
そのため「辛いのが苦手な人でも食べられるカレーがほしい」という声が多くなりました。
そこで辛さがないカレーとして、チキンキーマカレーを用意したんです。
さきほど話したようにチキンキーマカレーは、私が最初にカレーづくりに挑戦した原点の味でもあります。
食材にこだわりあり。とくにパクチーは、栽培地まで自ら足を運ぶ
──店のこだわりを教えてほしい。
守安──
食材には、かなりこだわっています。
とくに、パクチーはこだわりが強いです。
当店では、岡山市で栽培されている「岡山マイルドパクチー」のみしか使いません。
このパクチーが、もっとも新鮮でおいしかったからです。
新鮮なものを入荷したいので、岡山市内にあるパクチーの栽培地まで自ら足を運び、採れたてを購入。それを店内にある、パクチー専用の冷蔵庫で保管しているんです。
だから当店のカレーは、パクチーが好きな人に満足していただけるものと自負しています。
注文時にパクチーを入れるかどうかをうかがいますので、パクチーが苦手な場合でもご安心ください。
ほかにも、鶏肉・牛すじ肉は、仕入れ先に細かい指示をして、それに合うものを入荷します。
米は、総社市周辺(吉備路)産の米を、精米度合を指定して入荷しています。
いろいろな米を試し、当店のカレーに合うものを選びました。
──カレーの調理工程での工夫は?
守安──
あとスパイスの調合具合は、スパイスカレーが初めての人でも食べやすいよう、なるべく万人に受けるような味わいに仕上げています。
スパイスは神戸市の専門事業者から、産地を指定して購入しています。
食材のうまみを逃がさないようにしているのもポイントです。
やはりお店に来ていただく人の大半が日本の人ですから、うまみの要素は外せないと思いました。
たとえばチキンカレーの鶏肉だと、皮をむいて下ゆでします。
その際に鶏肉の皮から出る脂分(チー油)は使って、うまみを出せるようにしているんです。
さらに臭みが出る直前までゆでています。
カレーの強みを生かした店舗運営をめざす
──今後の展望や、やってみたいことがあれば知りたい。
守安──
イベント出店に力を入れていきたいと考えています。
そして将来的には、キッチンカーでの営業もやってみたいですね。
運営面の負担が大きくなるので、店を大きくする予定はありません。
いっぽうで、イベント出店やキッチンカーなら、効率的に営業力を強化できるのではないかと考えています。
カレーという食品は、イベント出店やキッチンカーでも提供しやすいのもメリットではないでしょうか。
カレーの強みを生かした店舗運営をめざしていきたいですね。
食材から調理法までこだわったスパイスカレー専門店・シャカスパイス
食材や調理にこだわっているシャカスパイス。
2種がけや3種がけで、お得に楽しむのも良し。
お気に入りのカレーを見つけて単品でタップリと味わうのも良し。
うまみとスパイス感があふれる、こだわりのカレーを食べてみてください。