ジェフを支える人 通訳・ファブリシオさん 言葉を訳すだけの仕事ではないから
ジェフユナイテッド市原・千葉の外国籍選手を支える通訳のファブリシオさん。その役割は、監督と選手の間に立ち、感情や意図までをしっかり届けることだと話します。
ファブリシオ・タバレス・コウチーニョ 1985年ブラジル生まれ、日本育ち。Jリーグ通訳歴:サガン鳥栖(2012~2013)、ジュビロ磐田(2014~2019)、ジェフユナイテッド市原・千葉(2020~)
(取材/みんみん 撮影/LEE 写真提供/ジェフユナイテッド市原・千葉)
自身がJリーグの通訳である意義
「監督の言葉を訳すだけなら簡単。でもそれでは本当の思いや意図は伝わりません。選手がどう感じているのか、監督が何を求めているのか。その間に立つのが私たち通訳の仕事なんです」。
この使命を痛感したのはジュビロ磐田時代。
開幕戦を前にプレーが振るわない新加入の外国籍選手に、監督は「出場させられないかもしれない」と話しました。
その言葉をどう伝えるかは、選手のメンタルを左右する大切な瞬間だったとファブリシオさんは話します。
「どうしたらこの選手が前を向けるのか。全身全霊、心を折らずに現実を伝えることに集中しました。短い言葉でしたが息切れしたのを覚えています」。
結果、選手は開幕戦に出場し、ゴールとアシストを記録。
忘れられない通訳の一つになりました。
チームの心を紡ぐ存在として今日も
今季の外国籍選手たちは個性豊かだと話すファブリシオさん。
「天然のデリキ、ツッコミ担当のエドゥアルド、兄貴分のカルリーニョス、おっちょこちょいのホセ・スアレス」。
デリキ選手に至っては、日本に来たばかりの頃に、外国籍選手には苦手とされがちな抹茶を、アボカドドリンクと勘違いして積極的に飲み続けていたという愛されエピソードも話してくれました。
そんな異国で戦う選手たちのため、生活面のサポートにも尽力します。
「来日したての選手たちは、生活することすら簡単じゃない。だから初めは、ICカードの作り方を教えたり、病院に付き添ったり。帯同家族のケアもします」。
さらに、コーチやスタッフらが共にフットサルを楽しむ「ファブカップ」の開催や、YouTubeで「ファブチャンネル」も開設。
クラブの雰囲気作りにも貢献しています。
「ジェフと共に走り今年で6シーズン目、クラブ愛は年々強くなっています。このチームで今年こそJ1へ昇格する、それが私の夢ですね」。
実は私、〇〇〇な店が好きなんです
赤ちょうちんなんかがぶら下がっている、渋い雰囲気のお店がとても好きですね。
外食ではステーキや焼き肉などを選手たちと食べに行くことが多くて、千葉市内では「キムチ専科(中央区)」さんが特にお気に入りです!
Instagram/@fabucoutinho