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山田孝之&松本まりかインタビュー!「現場は制御不能」「もはや演技じゃない」<MIRRORLIAR FILMS Season2>紀里谷和明監督作

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山田孝之&松本まりかインタビュー!「現場は制御不能」「もはや演技じゃない」<MIRRORLIAR FILMS Season2>紀里谷和明監督作

9人の監督による9つの物語

伊藤主税(and pictures)、山田孝之、阿部進之介らが運営する短編映画プロジェクト<MIRRORLIAR FILMS>、そのSeason2が2022年2月18日に劇場公開を迎える。

阿部進之介、紀里谷和明、志尊淳、柴咲コウ、三島有紀子、山田佳奈に加え、“選定クリエイター枠”として419作品の応募の中から選ばれた、Azumi Hasegawa、柴田有麿、駒谷揚の3名が参加。9人の監督による9つの物語が上映される。

MIRRORLIAR FILMS Season2

今回は、『CASSHERN』(2004年)や『GOEMON』(2008年)などで知られる紀里谷和明監督作『The Little Star』に出演した、山田孝之松本まりかにインタビュー。本プロジェクトの運営のほか、Season1では安藤政信監督作『さくら、』に出演した山田と、『六番目の小夜子』(2000年)以来21年ぶりに再共演を果たした松本。短編映画とは何か、芝居とは、いま自分たちは表現者として何をすべきか? というところにまで踏み込んだ二人の対談を、お楽しみいただきたい。

山田孝之 松本まりか

『六番目の小夜子』から21年ぶり再共演

―おふたりの初共演は2000年の『六番目の小夜子』かと思いますが、当時の思い出を教えてください。

山田:千葉県の木更津の学校で撮影していましたね。終わってからみんなで渋谷に遊びに行ったり、スタッフさんと一緒にバーベキューをしました。

松本:美術スタッフさんのお家でね。すごく楽しかった思い出があります。『六番目の小夜子』で共演したメンバーとは「集まりたいね」とずっと言っていたのですが、なかなか機会がなくて。去年『松本まりかクリスマス24時間生テレビ ~24時間で恋愛ドラマは完成できるのか!?~』という番組で声を掛けたらみんな集まってくれて、同窓会ができました。そのときにプリクラも撮ったんです。

山田:盛られすぎちゃったやつね(笑)。

松本:そうそう(笑)。今日、持ってくればよかったですね。

松本まりか

山田:でも、あの番組があって良かった。今回<MIRRORLIAR FILMS>で一緒に芝居はしましたが、その前に素の状態で会えてリラックスできたのは大きかったなと思います。

松本:あと、すごい奇跡だなと思ったのは、<MIRRORLIAR FILMS>で私たちが21年ぶりに共演しているとき、『六番目の小夜子』が再放送していたこと! 再放送された日が、撮影日だったんです。色々なミラクルが起こった作品でしたね。

山田孝之

―『六番目の小夜子』の再放送日にTwitterでトレンド入りしていた記憶があります。同作以来の共演は、おふたりにとっていかがでしたか?

山田:『六番目の小夜子』のときはほぼデビューしたてだったので、言われたことを必死にやる状態でした。それ以来の共演で、台本にはセリフもないのでどうなるかな? と思いましたが、バチンとハマって強いものが残せました。

松本:そこで生まれてくる感情がすごくたくさんありました。自分でもわからないけど、突然歌いだしてしまったり……。

山田:あれは怖かった(笑)。でも、それでいいんですよ。制御不能の状態にまで行ってしまっているんですが、妻ですからね。どうしたらいいんだろう、という感覚がその場で自然と出てくる。

松本:孝之が、どうしたらいいんだろう、何をすればいいんだろうとぐるぐるしているのが、動きがなくてもすごくにじみ出ているんですよ。もはや演技じゃない、それがすごい。

山田孝之

山田:でも、それこそが芝居なんですよね。それは紀里谷和明監督もおっしゃっていました。役としてそこに入って、その状況で感情が出てきたり動いたりする。それって正解でしかない。演出がもう必要なくなるというか、その“場”を作るのが演出なんですよね。

家の中のシーンなんて、動きの段取りが決まっていないんです。「好きに動いていいよ」と言われていたのですが、それは監督がスタッフとどこにカメラを向けてもいい状況を作ってくれていたから。感謝しかないですし、本当に濃い数日間でした。

松本:現場も孝之も全部、臨機応変に受け止めてくれるから「何をしてもいい」と思えて演技できました。すごく贅沢な体験でした。

松本まりか

いままで観たことのない“衝撃の”シーン

―役どころもそうですが、ハードなアクションも盛り込まれていますよね。

山田:二人での芝居は3日目で、その前に電車のアクションを撮りました。着ぐるみを着て狭い電車の中で激しいアクションをするから、多少のケガは覚悟して臨みました。「骨が折れてもいいや、2日間だし何とかなる」って(笑)。

MIRRORLIAR FILMS Season2『The Little Star』

―すごい……。台本にセリフがない、というところ含めて、チャレンジ尽くしでしたね。

山田:紀里谷監督に「セリフって必要?」と相談されて、「僕は大丈夫ですが、松本さんにも確認してください」とお話ししました。その後、脚本が上がってきたらセリフがなくて「おっ、OKしたんだな。じゃあ、あとは現場で話し合って一瞬一瞬爆発していくしかない」と挑み方が定まりました。2カ月これをやれと言われたら無理だったので(笑)、この形態だからこそできたことだなとは思います。

山田孝之

松本:私が完成品を観てすごく痺れたのは、孝之が演じる夫の“とあるシーン”です。引きのバックショットなんだけど、表情が見えなくても想いが伝わってくるし、動きが完璧なんですよ。普通だったら苦悩して苦悩して、と描きそうなものなのに……あんなシーンはいままで観たことがなくて、びっくりしました。

山田:すごく悩んだのは、役としての気持ちと求められるものの、すり合わせです。見た目的には衝撃が欲しいから、スピード感が必要。ただ、その時の自分との心情となかなか合致しなくて、どうやったらそうなるかと考えて……。それでたどり着いたのが「希望」なんです。娘に対して「寂しくさせてごめんね、今から行くよ」という気持ち――“ああすること”で救われる、ということに変えて、勢いよくいけました。

松本:なるほどな……。短編映画って、そういうことなんだなと思います。短いカットの中で何を残せるか、どれだけ重い表現を残せるか。誰もが思いつかないような表現があるから、観客の中で想像力が発生する。想像力を養ってくれる存在なんだなと改めて思いました。

松本まりか

短編映画を通し「想像力を育てる」意義

―「短編=想像力を誘発する」というのは素敵な言葉ですね。作り手も、短編だからこそ挑戦できる。

山田:三島有紀子監督の『インペリアル大阪堂島出入橋』なんて、まさにそうですしね。佐藤浩市さん演じる洋食屋さんのシェフが夜の街を歩く話ですが、実際にお店が壊されるというドキュメンタリー要素もあって、フィクションとしての劇映画と現実が混ざり合っていく。

MIRRORLIAR FILMS Season2『インペリアル大阪堂島出入橋』

駒谷揚監督の『King & Queen』は自宅で家族で作った作品ですし、今後のシーズンで出てくるものだと、監督と俳優が二人きりで作った一人芝居もあります。スマホで撮ったようなものだから、普通の映画プロジェクトだったら弾かれてしまうかと思うのですが、芝居が凄すぎて「これは絶対に観なきゃダメだ!」と思って選びました。

MIRRORLIAR FILMS Season2『King & Queen』

松本:興行のことを考えると、なかなか引っ張り出そうってしないもんね。

山田:そう。他の映画のプロジェクトとは選定基準が違うところが面白いんじゃないかと思います。<MIRRORLIAR FILMS>には初監督の人が結構多くて、みんな批判されることや映画を作る恐れを克服してやってみる、というところに来てくれた。参加してくれた方々が「やってよかった」「誘ってくれてありがとう」と言ってくださるので、本当に意味のあることをやっているんだと感じます。

ただ、僕らは表現するだけじゃなく、お客さんに対して「なぜこの人たちはこれをやっているのか」という気持ちの部分を伝えなくちゃいけない。映画の一つの見方を観に行くのではなく、ある意味今の自分を見つめるために観に行く、という風にするためにはどう伝えていけばいいんだろう、とは考えています。

山田孝之 松本まりか

松本:今回、参加してひとつわかったのは、短編を観るには想像力が必要だということ。それを育てる機会が<MIRRORLIAR FILMS>なのかなと思います。

私たちと観客は表裏一体で、見る目が育っていかないとクリエイティブは上がっていかない。観客が喜ぶものだけを作っていたら、想像力はどんどん低下してしまうんですよね。自分で想像して、理解しようと努めて答えを見つけることが、自分自身の成長につながる。それって映画だけじゃなく、人生や世の中においても必要なものだと思います。<MIRRORLIAR FILMS>には「一緒に想像力を上げていこう!」というメッセージを感じますし、すごく意義のあることだと思います。

山田孝之 松本まりか

取材・文:SYO
撮影:落合由夏

<山田>
ヘアメイク:南辻光宏
スタイリスト:五月桃
衣装:YOHJI YAMAMOTO(ヨウジヤマモトプレスルーム 03-5463-1500)<松本>
ヘアメイク:板垣美和
スタイリスト:乾 千恵
衣装:ドットジャケット¥157300(トリー バーチ/トリー バーチ ジャパン) スカート¥140800(トリー バーチ/トリー バーチ ジャパン) ブラウス¥55000(エストネーション) ピアス¥11000(e.m./e.m. PRESS ROOM) ブーツ/スタイリスト私物<読者問い合わせ先>
e.m. PRESS ROOM 03-6712-6798
エストネーション 0120-503-971
トリー バーチ ジャパン 0120-705-710

<MIRRORLIAR FILMS Season2>は2022年2月18日(金)より順次公開

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