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認知症になった親に借金が発覚…子どもに支払い義務はある?

「みんなの介護」ニュース

小島 章彦

親に介護が必要になったとき、多くの場合で資産状況の確認が必要になります。その際、親が借金していることが発覚するケースもあるでしょう。

親の借金については、友人などにもなかなか相談しづらい問題です。

親が資産を持っていて返済能力があれば問題ありませんが、返済能力がない場合にはどうしたらいいか不安になることでしょう。

また、親が認知症になった場合には借金をしていることさえわからないことも多く、債権者が子どもに対して債務の名義変更を迫ってくるといったケースも生じています。

今回は、介護が発生して初めて親の借金が発覚した場合、子どもに支払い義務はあるのか、どのような対策をとればいいかについて解説いたします。

親の借金は払う必要はない

日本の法律では、親がいくら借金をしていても、親の借金は親自身が責任を負わなければならず、子どもが親の借金を支払う必要はありません。

たとえ、親が認知症になって自身の借金を認識できなくなっても、子どもが親の借金の責任を負うことは一切ありません。

ただし、その借金に対して保証人や連帯保証人になっている場合は、借金の責任を負うことになりますので注意が必要です。

債権者からの催促に対する対策

親が借金を背負っていて返済能力がない場合、債権者としても返済してもらわないと困るのは当然です。

そのため、子どもに対して債務の名義変更を迫ってきたり、親の借金だからといって子どもが道義的に返さなければならないなどと言われるケースもあります。

しかし、貸金業法では、債務者や保証人以外の第三者に対し、弁済の要求を行うことは禁止されていますので毅然とした態度でいいなりにならないことが大切です。

親が認知症になったときの債務整理

親が認知症になった場合、自身の借金を認識していなかったり、返済日にきちんと返済できなかったりすることがあります。

その場合、遅延損害金が膨らんだり、債権者から子どもに対して代わりに返済するように圧力をかけてくることがあるかもしれません。場合によっては、債権者から訴訟を起こされる可能性もあります。

また、認知症の場合は、認識しないでカードを使って借金をしたり、クレジットカードを使って買い物をして借金が増えていくこともあります。

このような場合の借金を減らす方法として、債務整理があります。

債務整理とは、借金の減額や、免除や、支払の猶予を目的として、法に認められた以下の4種類の方法を使って債務を整理していく方法です。

①任意整理 弁護士や司法書士などが債権者と交渉を行い、毎月の支払額を減額させる方法です。 ②破産手続 債務が払えない場合に、裁判所における手続きにより債務を免除してもらう方法です。 ③個人再生手続 裁判所における手続きにより、支払うことができる一定額を返済して残りの債務を免除してもらう方法です。 ④特定調停 債権者と債務者の間に裁判所に入ってもらい債務の額を確定させることにより、支払可能な毎月の支払額を支払っていく方法です。

このように、親の借金に対して債務整理をすることにより、借金を減額や免除することができる可能性があります。

また、借金を長年返済していないときは、時効の援用という手段も考えられます。これは、時効の完成によって利益を受ける人が消滅時効の完成を主張することです。

ただし、それには条件があります。借金をしてから5年以上貸金業者から返済の請求が一切行われずに、返済もしていなかった場合に適用されます。

時効の援用に成功すると、すべての借金がゼロになります。しかし、貸金業者は信用情報に基づいて顧客を管理しており、郵便物やメールなどで請求している場合は適用されません。そのため、消費者金融などで借りている場合、成功する可能性は低いと言わざるを得ません。

成年後見人制度を利用する

いくら親が認知症といえども、親の債務整理や時効の援用を子どもが代理で行うことはできません。

その場合の解決方法として、成年後見人制度を利用する必要があります。

成年後見人制度とは、知的障害、精神障害、認知症などにより判断能力が低下した方が、契約や手続きをする際に支援をする制度です。

利用の際には家庭裁判所に申立てを行い、審判が行われて成年後見人が選任されます。

成年後見人は、家族が選任される場合もありますし、弁護士や司法書士などの専門家が選任されることもあります。

裁判所によって選任された成年後見人が、財産管理、身上保護などを行い、不利益な契約を結んでしまった場合にはその契約を取り消すこともできます。

親が認知症になった場合の借金に対しての債務整理や時効の援用については、成年後見人が代理として弁護士などに依頼して行うことができます。

成年後見人制度を利用する注意点として、いったん成年後見人になると、症状が改善されるか、亡くなるまでの間は職務をまっとうしなくてはなりません。

債務整理や時効の援用にだけに成年後見人制度を利用できませんので、注意が必要です。

相続の場合は返済義務が発生

子どもに借金の返済義務が発生するケースは、親が亡くなって相続した場合です。

日本の相続制度では、土地や資産などプラスの財産だけでなく、債務といったマイナスの財産も引き継がなければならないからです。

ただし、ほかにも相続人がいる場合には、法定相続分などの割合で借金を相続することになります。

親の借金を相続しないための方法としては、相続放棄や限定承認などが考えられます。

相続放棄とは、プラスの財産もマイナスの財産もすべての相続の権利を失うこと。一方の限定承認は、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を相続することです。

すなわち、マイナスの財産よりもプラスの財産のほうが多い場合には、資産が残ります。

しかしマイナスの財産のほうが多い場合は、資産の分のみ負債を弁済すれば問題ありません。

まとめ

親が認知症であったとしても、債務の保証人や連帯保証人になっていない限り、子どもが親の借金を支払う必要はありません。

一方で、親の借金の債務整理や時効の援用を、子どもが代理で行うことはできません。

親が借金を背負っていて返済能力がない場合、債権者としても返済してもらわないと困るのは当然です。

そのため、親の借金の債務整理や時効の援用を行うためには、成年後見人制度を利用するしかありません。

しかし、成年後見人制度を利用するにも、手間や費用がかかるので、親の借金については事前に把握しておくことが大切です。

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