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「醸造の町」摂田屋の魅力を伝える「FUKU菓子店/サフラン茶屋」。

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「醸造の町」摂田屋の魅力を伝える「FUKU菓子店/サフラン茶屋」。

長岡市にある摂田屋は「醸造の町」として知られています。見事な鏝絵が施された「機那(きな)サフラン酒本舗」の土蔵は登録有形文化財に指定されていて、連日多くの観光客が訪れています。そんな摂田屋に「FUKU菓子店/サフラン茶屋」というお店が新しくオープンしました。店長の松林さんの元を訪ね、オープンのいきさつやこだわりを聞いてきました。

FUKU菓子店/サフラン茶屋

松林 祐子 Yuko Matsubayashi

1986年長岡市生まれ。アパレルショップやカフェ勤務を経て、2024年に「FUKU菓子店/サフラン茶屋」をオープン。アイシングクッキーの講師も務める。

「可愛いお菓子」を追求して出会ったアイシングケーキ。

——松林さんが「FUKU菓子店/サフラン茶屋」をはじめたいきさつを伺いたいんですけど、そもそもいつからお菓子作りに興味を持つように?

松林さん:小学生の頃に、同級生のお母さんがお菓子を作っているのを見て憧れていたんです。それで小学5年生くらいのときにパウンドケーキを作ったのが、はじめてのお菓子作りでした。

——そこからお菓子作りの道がはじまったんですね。

松林さん:でもお菓子の道には進まずに、名古屋に本社があるアパレル企業に就職して、長岡のお店でショップスタッフをやっていました。その頃に結婚して、主人の転勤に合わせてこれまで長野の善光寺や千葉の袖ヶ浦といった観光地で暮らしてきました。

——ご主人の転勤先、観光地ばっかりだったんですね(笑)。新潟に帰ってきたのはいつ頃なんですか?

松林さん:ふたり目の子どもができたタイミングで、私の実家がある長岡へ家族で移り住んだんです。

——長岡に移ってからは、どんなことをしていたんでしょう?

松林さん:家庭ではよく子どもたちにケーキを作ってあげていたんですけど、どんどん可愛いケーキを追求するようになっていって、行き着いたのがアイシングクッキーだったんです。そこで勉強がてら講師の資格を取得して、自宅でアイシングクッキーの教室を開くようになりました。

——「アイシングケーキ」って、どんなケーキですか?

松林さん:粉砂糖に水分を加えて作る「アイシング」っていうペースト状のクリームを使って、カラフルでバラエティに富んだデコレーションを施したクッキーのことなんです。可愛い見た目なので子どもや女性に人気があります。自分で作ったアイシングクッキーをSNSに投稿していたら、知らないうちにファンができていたんです。

——それは嬉しいですね。

松林さん:そのおかげで子育てサークルで教室を開いたり、企業のイベントでワークショップを開催させてもらえたりするようになりました。その頃、働いていた摂田屋の複合施設で、町おこしに取り組んでいる「機那サフラン酒本舗 保存を願う市民の会」の平沢さんと出会ったんです。

——平沢さんには「Things」でも取材させていただいたことがあります。

松林さん:人が集まるような場所を作りたいと考えていた平沢さんから、「ここでお店をやってみないか」と誘っていただいたんです。いつかお店をやってみたいという夢はあったんですけど、自分のことよりも娘たちのことを優先したいと考えていたので悩みました。

——なるほど。

松林さん:娘たちに相談してみたら「今までずっと自分のことを我慢してきてくれたんだから、そろそろ自分のやりたいことをやってもいいんじゃない?」と言ってくれました。その言葉に背中を押されてお店をはじめることにしたんです。

住んでいると気づかない、地元の魅力に気づかされる。

——「FUKU菓子店」と「サフラン茶屋」は、それぞれどういうお店なんでしょうか?

松林さん:「FUKU菓子店」では焼き菓子やケーキの販売をしています。「サフラン茶屋」ではそのお菓子をドリンクとセットでお楽しみいただいたり、ランチメニューを味わっていただけます。

——ランチメニューを作るときにこだわっていることがあったら教えてください。

松林さん:「醸造の町」として有名な摂田屋で営業しているお店ですので、地元で醸造された醤油や味噌、お酒を使って料理を作っています。けっして新しいものではないかもしれませんが、また食べたくなるような味を目指しているんです。

——いかにも「醸造の町のランチ」って感じですね。

松林さん:ランチに付くベーグルの生地にはフランスパンにも使われる準強力粉を使っていますので、外側はカリッと、内側はモチッとした食感になっています。必ず毎朝焼いたものを提供するようにしているんです。

——美味しそうですね。

松林さん:私はひとつのものに縛られることが苦手なので、日によってランチの内容が変わってくるんですよ。お客様にも毎回違ったメニューを楽しんでいただきたいんです。

——いつ立ち寄っても、違った内容のランチが楽しめるんですね。ケーキはどんなものがあるんでしょうか。

松林さん:旬のフルーツに合わせたケーキを作るようにしています。配色にはこだわっていて、見て楽しめて食べて美味しいケーキを心掛けているんです。お客様のリクエストにも、できる範囲でお応えするようにしています。

——お店をはじめてみて、思うことはありますか?

松林さん:自分の作ったものを目の前で召し上がっていただいて、反応を見ることができるのは楽しいですね。お客様との距離が近くて会話を楽しめるのも嬉しいです。

——ちなみにどんなことをお話されることが多いんですか?

松林さん:観光地の飲食店って、ちょっと特別な感じがするんです。美味しいものを提供するだけじゃなくて、観光地の魅力をお伝えするのも仕事なんですよね。でも観光で摂田屋に訪れているお客様から、地元民では気づかないような魅力を教えていただくことも多いんです。

——きっと住んでいると気づかない魅力もありますよね。「観光地の魅力」といえば、こちらには「サフランあーとギャラリー」を併設しているんですよね。

松林さん:摂田屋にある歴史的建造物「機那サフラン酒本舗」の魅力を伝えるために、収蔵品を展示しているんです。ぜひ摂田屋の歴史に触れていただきたいですね。

——では最後に、これからやってみたいことがあったら教えてください。

松林さん:もう少しすると子どもたちが夏休みを迎えるので、親子で楽しめるアイシングクッキーのワークショップを開きたいですね。あと、いつかキッチンカーをはじめて、私自身が観光地を回ってみたいっていう夢もあるんです(笑)

FUKU菓子店/サフラン茶屋

長岡市摂田屋4-5-12 明星館1F

050-8882-7382

10:00-16:00(サフラン茶屋は11:30-)

火水曜休

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