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韓国の格差、日本の絶望。パルムドール受賞作に見るアジアの憂鬱

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日本以上の格差社会が進行しているとも言われる韓国ですが、その現状を映画化した作品が先日、カンヌ国際映画祭の最高賞となるパルムドールを受賞しました。今回の無料メルマガ『おやじのための自炊講座』では映画をこよなく愛する著者のジミヘンさんが、その作品『パラサイト 半地下の家族』のネタバレなしのレビューを記しています。

パラサイト 半地下の家族

今年1本目は韓国映画『パラサイト 半地下の家族』を選んだ。先のカンヌ映画祭で韓国映画初となるパルムドールを獲得した話題作である。

キム一家は家族全員が失業中で、その日暮らしの貧しい生活を送っていた。そんなある日、長男ギウがIT企業のCEOであるパク氏の豪邸へ家庭教師の面接を受けに行くことに。そして妹ギジョンも、兄に続いて豪邸に足を踏み入れる。正反対の2つの家族の出会いは、想像を超える悲喜劇へと猛スピードで加速していく…。
(映画紹介サイトより)

貧困家族」をテーマにした点で、是枝監督の『万引き家族』と似通っているが、ナイーブな人間性を描く抒情派の是枝作品とは違い、今作はエンタメ性の強い作品に仕上がっている。韓国格差社会を描く社会派映画の一面はあるものの、云わばブラック・サスペンス・ホラー・コメディー映画と言える。

映画の前半、偽りの仮面を被り、一家四人が社長宅へ上がりこむプロセスは愉快である。いとも容易くダマされる社長の妻に、金持ちの大らかさを感じる。しかし、寄生した親子が祝杯を挙げたのも束の間、予測もできない展開が待っていた。<ネタバレ厳禁映画>なので、詳しくは書けないが、後半のハチャメチャな修羅場は目を覆いたくなる。「共感救済もない

しかし、いくつか感心する点があった。ひとつは、「半地下に住む貧民の下には最下層の地下があった。そしてもうひとつは、古い切り干し大根のような何とも言えない「半地下住人の臭い」が妙にリアルだった。金持ちは、この貧民の臭いをすぐに嗅ぎ分ける。

韓国の格差社会は相当にヒドいようだ。財閥系企業に勤める一部の人たちだけが潤い、投機目的にソウル市内の不動産を買いまくる。そのために、貧しい庶民は本来、核シェルターや倉庫として造られた半地下の部屋に暮らすのである。

隣国だけではなく、わが国の格差、貧富の差も目立って来た。非正規雇用の常態化、無計画な外国人労働者施策、製造業・農漁業の衰退、金持ちを更に太らせる法人税減税、儲かっているのに節税のために「赤字を出しました」とウソ泣きする大企業。逆に増え続ける消費税。更に、物価・家賃が高い東京への一極集中も拍車をかける。

今年成人式を迎えた若者に「日本の将来は明るいか?」と訊いたところ、明るいと答えたのは31%に過ぎなかった。しかも、そのほとんどが「どちらかといえば明るいと思う」だった。老齢年金をもらえるのかという不安、少子高齢化に伴う医療費問題、それに加えて目に余る「政治の腐敗」。この国に明るい未来を見よという方が無理がある。

image by: Shutterstock.com

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