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「薬が1つしか残っていないとき、どちらを助ける?」ガザで医療活動した女性医師が問いかける“いのちの授業”

Sitakke

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戦闘が激しさを増しているパレスチナのガザ地区で医療活動を行った女性医師が、札幌市で特別授業を行いました。

国境なき医師団日本の中嶋優子会長が、子どもたちに静かに語りかけます。
 
「家に爆弾が落とされて、自分も大けがをした。お父さんもお母さんも…兄弟もみんな、そこで死んでしまった…これからの人生、どうすればいいだろう…と思っちゃうよね」

救急医でもある中嶋さんは2023年の秋、イスラエル軍の侵攻が続くパレスチナ・ガザ地区で、3週間あまり医療活動を行いました。

国境なき医師団提供

札幌医科大学を卒業した縁で、札幌市で「いのちの教室」を開きました。

「医療物資とか機材とかいろいろ運んでくるけれども、戦争がある限りは、やってもやっても追いつかない…それをすごく感じました」

中嶋さんが活動したのはガザ地区南部、人口40万人のマチ、ハンユニスのナセル病院。
毎日、戦争で生死をさまよう子どもたちが運ばれてきたといいます。

国境なき医師団提供

「あまりの悲惨さで、今まで参加してきた医療活動とあまりに違いすぎて、ここまで自分が精神的なダメージを受けると思っていなかった」と話す中嶋さん。

戦況の悪化で、ガザを出ざるを得なくなったとき、罪悪感であふれ、自分の無力さを痛感したといいます。

そんな中嶋さんが、子どもたちに問いかけます。

「戦争で薬が一つしか残っていない場合、“政府側”と“反政府側”…どちらの患者を救いますか」

どちらかを決めなければいけない…

子どもたちとの対話が続きます。

児童
「どっちも助けたいけれど…どちらかは決められない」

国境なき医師団日本 中嶋優子会長
「こういう状況…多いんだ、実は」

児童
「じゃあ、一人見捨てないといけないの?」

国境なき医師団日本 中嶋優子会長
「うん…なるべく見捨てないように頑張るけれども…」

そんな中嶋さんの話を通して、子どもたちは「テレビで見ていたよりも、辛い感じがして心に刺さった」「小さいことでも、世界のためになるようなことをしていきたい」と話しました。

中嶋さんは、北海道に住む人たちにも戦争を止めるために、自分ができることを考えてほしいと話しています。

遠くの出来事ということではなくて、この平和のために何ができるのか。
今回の「いのちの教室」が考えるきっかけになってくれたら…と思います。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2024年6月6日)の情報に基づきます。

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