バリ交流機運向上へ 市役所でフェア 宮廷舞踊も
藤沢市役所9階の市民フロアで12日、「江の島×バリ島フェア」が開かれた。仕掛けたのは江の島で17回のバリイベントを開いている長谷川亜美さん。次年度からバリ州バドゥン県との協力関係を築きたい市も、その第一歩として手応えを感じた様子だ。
同フェアの山場となったのは、宮廷舞踊を継承する現地で人気の若手舞踊家アナック・アグン・グデ・イスワラ・マンデラさんのミニステージ。きらびやかな衣装に身を包んだアナックさんの華やかな舞が始まると会場を埋め尽くすほどの市民が集まった。終了後には、見学に訪れていた鈴木恒夫市長が急きょあいさつ。舞踊への感動と交流促進に向けて「歴史、文化に触れてほしい」などと話した。
このイベントは2025年度に市が目指すインドネシア共和国のバリ州バドゥン県との交流事業に関連する。同事業は文化、観光イベントの開催支援や、観光資源の相互情報発信、人的交流プログラムに関する支援の3つの分野で協力覚書の締結を目指している。
きっかけとなったのが、長谷川さんが代表を務める実行委員会が開催しているイベント「江の島バリサンセット」。長谷川さんが発案し、2005年から始まり、17回を数える昨年は、2日間で1万2千人が来場する人気企画に育った。同事業は、イベント開催前の長谷川さんの同国への留学や、これまでの開催に関わる人脈が同県と藤沢市の関係性を深め、協力覚書に向けた動きにつながっている。
また、バドゥン県と江の島は半島に寺社があり、龍と亀の伝説があり、芸能の神をまつっているといった共通項もあるという。「文化交流でお互いの魅力を知って高めあうまちづくりができれば。遊行の盆踊りがバリで見られる日も」と長谷川さんは期待を込めた。