【睡眠専門医が指南】浅い睡眠や中途覚醒が増えるのは40代から! あなたの眠りを調べる「睡眠チェックリスト」
大人世代の悩みの大きなひとつが「睡眠」。ぐっすり眠ってすっきり目覚めたい......そんな希望を叶えるためにできることとは? 睡眠専門医の渥美正彦(あつみ・まさひこ)先生にお話をうかがいました。
60歳以上の約3割が何らかの睡眠障害を有するといわれています。女性に多く、生活習慣やホルモンバランスの乱れなどが要因です。
「不眠の場合、夜眠ることばかりに目を向けがちですが、実は昼間の過ごし方がとても大切」と、渥美先生。私たちは起床後、太陽の光を浴びてから14〜16時間後に「メラトニン」が多く分泌され、その1〜2時間後に眠くなります。これは日中の過ごし方や習慣によっても変わり、朝起きたときから快眠への道は始まっています。
「40代頃から深いノンレム睡眠が減り、浅い睡眠や中途覚醒が増えますが、これは一般的な体の現象。『若い頃のように眠りたい』と求めすぎるとかえってつらくなるので、無理せず実践しましょう」
不眠は誰でも起こります
「10年の法則」
睡眠時間は10年経つごとに10分ずつ短縮し、50歳を超えると深い睡眠はほぼ見られなくなります。短すぎはよくないですが、若い頃とは違うのが一般的です。
快眠チェックリスト
「はい」が
<12~14個 ぐっすりタイプ>
快眠できています。現状を続けながら週1回チェックを。
<7~11個 もやもやタイプ>
見直しが必要です。「はい」でなかった項目から1つずつ改善しましょう。
<0~6個 うとうとタイプ>
いますぐ改善が必要。生活習慣や寝具の総点検を。
※上記の判定は目安です。
不眠が起こる原因は
脳の睡眠欲求と覚醒力のバランスの乱れです
渥美先生は不眠の仕組みをシーソーで例えています。通常は、私たちを眠らせる「睡眠脳」と、起こしておく「覚醒脳」がバランスよく働き、夜に「睡眠脳」が大きくなると眠くなり、朝に「覚醒脳」が大きくなると起床します。しかし、生活習慣や環境などにより夜に「覚醒脳」が大きくなり、シーソーが覚醒に傾くと眠れなくなります。夜は「覚醒脳」を落ち着かせて「睡眠脳」を働かせ、朝は逆になる習慣を心がけましょう。
※この記事は紙&WEBマガジン『毎日が発見』2025年10月号に掲載の情報です。
構成・取材・文/岡田知子(BLOOM) イラスト/来迎純子