2人の“キズナ”は永遠! アニメ『ひみつのアイプリ』最終回記念──青空ひまり役・藤寺美徳さん×星川みつき役・平塚紗依さん スペシャルインタビュー
2026年3月29日(日)に最終回を迎えたアニメ『ひみつのアイプリ』。青空ひまりと星川みつきのダブル主人公を軸に、仮想空間アイプリバースで活動するアイドルプリンセスたちの姿を描いた本作。「アイプリ」を通して描かれた2年間の物語に感無量の方も多いと思います。
今回、アニメイトタイムズではアニメ『ひみつのアイプリ』最終回を記念して、青空ひまり役・藤寺美徳さんと星川みつき役・平塚紗依さんにスペシャルインタビューを実施。
最終回を迎えた今だからこそ言えるあの時の想い、収録の思い出、キャラクターと一緒に成長した2年間などを大ボリュームで語っていただきました!
【写真】アニメ『ひみつのアイプリ』最終回記念 藤寺美徳×平塚紗依 インタビュー
この作品を通して美徳ちゃんに出会えたことは私にとっても一生の宝物です
──アニメ『ひみつのアイプリ』が最終話を迎えましたが、アフレコを終えた時はどんな想いでしたか?
星川みつき役 平塚紗依さん(以下、平塚):約2年間、ずっとみつきちゃんと一緒に歩んできたので、最終回の収録を迎えた時も、これが最後の収録になるという実感が本当に湧きませんでした。
青空ひまり役 藤寺美徳さん(以下、藤寺):一緒(笑)。
平塚:もちろん寂しい気持ちもあったんですけれど、これからもずっと続いていくような想いが強かったので、終わってしまうことが考えられなくて。だから、最終回のアフレコでは「寂しい」や「終わっちゃう」という気持ちは意外となかったんです。
藤寺:私も紗依ちゃんと同じ気持ちでした。毎週のように紗依ちゃんやキャスト・スタッフの皆さん、ひまりちゃん、みつきちゃんと会っていたので「これで本当に終わりなの? また来週もスタジオに来ちゃうよ」みたいな気持ちでしたね。
──「リング編」の後半では、みつきちゃんの留学と別れの気配、そのことを中々ひまりちゃんに伝えられない葛藤が本編の最終回に向かっていく流れと重なって、いち視聴者としても切なくなる瞬間が多かったです。演じられたお二人は、この一連の流れはいかがでしたか?
平塚:みつきちゃんの留学が近づくにつれてお話も切ない方向へと進んでいくので、毎週台本をいただく度にページをめくる手が止まらなかったです。先の内容が気になって読み進めては、美徳ちゃんと語り合って一緒に切なくなったりしていました。
藤寺:物語が後半に差し掛かるにつれて、毎週のようにひまりちゃんを演じられる環境が当たり前ではないのだと認識して。作中の別れと現実の収録の終わりを重ね合わせて考えることもあって、切なさもありつつ同時にひまりちゃんの成長に私も支えられたような感覚もありました。
──約2年前に配信された「プリティーシリーズ新作『ひみつのアイプリ』発表会」では、お互いにとても初々しい雰囲気でした。当時、藤寺さんは平塚さんに対して「一番初めにみつきちゃんの声を聴いたときに“みつきちゃんの声だ”って思いました」、平塚さんは藤寺さんに対して「私より年下なのにとてもしっかりしているなという印象です」とお話しされていましたが、この2年間でお互いの印象や関係性の変化はありましたか?
藤寺:紗依ちゃんの第一印象は「みつきちゃんの声そのものだ」でしたが、最初はどこか「年上のお姉さん」みたいな印象もあったんです。それもあって最初はお互いに敬語だったんですけれど、途中から2人で敬語をやめようと決めてからは一気に距離が縮まった気がします。
最近も2人で没入型のテーマパークへ行きましたし、カラオケにも何度か行ったり、私が好きなキャラクターのコラボカフェに紗依ちゃんが一緒に付き合ってくれたりとか。SNSでは発信していなくても、プライベートでお出かけしたりしているんです。
──劇中の2人のようにデートされていたんですね。
藤寺:紗依ちゃんのお声って天性のものというか、唯一無二で本当に大好きなんです。紗依ちゃん自身の根底にある、包み込むような愛とか優しさみたいなものが、みつきちゃんというキャラクターを通して出ているのを感じていて、本当にみつきちゃんも紗依ちゃんも素敵だなと思っています。
あと、普段の紗依ちゃんは少し天然で可愛らしい一面もあって。言葉が上手くみつからないんですけれど「癒やされ系」というか。でもそんな言葉に縛られてほしくなくて、私はありのままの紗依ちゃんが好きなので、これからも健康で自由に過ごしてほしいですね。なんか親戚みたいな目線になっちゃいましたけど(笑)。
──藤寺さんからの愛を受けていかがですか?
平塚:私の美徳ちゃんへの印象は、2年前の発表会の「とてもしっかりしている」から今も変わらないです。それどころか私がアフレコ現場などであたふた困ったりしている時も、美徳ちゃんは「大丈夫だよ」と優しく声をかけてくれるので、どっちが年上なのかわからなくなってしまうこともあって。本当にいつも助けてもらっています。
自分の家族にも「本当に美徳ちゃんって優しくて、こんなに良い子には今まで会ったことないよ」と話してしまうほど、この作品を通して美徳ちゃんに出会えたことは私にとっても一生の宝物です。
この2年間、隣でお芝居をしている私の心にも、美徳ちゃんのお芝居から繊細な感情表現がしっかりと伝わってきました。内面だけでなく、役者としての美徳ちゃんも尊敬していますし、そんな美徳ちゃんを見て「もっと私も頑張ろう!」と思えるので、本当に尊敬して止まない存在ですね。
藤寺:このインタビューは何度も読み返してしまいそうです(笑)。
──お2人の関係性は作中のキャラクターそのものですね。ちなみに敬語をやめるようになったのは、放送が始まってからどれくらい経った頃だったんですか?
藤寺:実は1年くらい経ってからなんです。
平塚:何度もその話はあったんですけれど、お互いに一歩が踏み出せなくて。でも、美徳ちゃんと一緒にテーマパークへ行った時に、最初は敬語だったのに2人でいるとあまりにも楽しく過ぎて「それな!」とついタメ口が出ちゃって(笑)。そこからお互いに敬語をやめるようになった覚えがあります。
藤寺:最初のうちは現場に入ると仕事モードになってしまって、敬語に戻ることもあったんですが、今ではすっかり自然に話せるようになりましたね。
本当の意味で「みつきちゃんになれた」と思えた瞬間でした
──みつきちゃんの留学周りのお話がひと段落するのが第93話「大好きだから」でした。印象的だったのが、普段は「リング編」のタイトルコールをみつきちゃん1人で行うところを、この回は2人で担当されていましたよね。微妙な声の震えや空気感にリアルな感情が伝わってきました。
平塚:あれはその回の全てのアフレコを終えてから、その時に溢れた感情のまま収録したんです。
藤寺:普段は本編の収録前にタイトルコールを録ることが多いのですが、第93話は特別でした。このタイトルコールは「こういう感情で表現しよう」とお互いに相談や計算したものではなく、私たちがその瞬間に感じたものがそのまま音に乗っているんじゃないかなと思います。
──留学周りの話がひと段落するのが第93話でしたが、アフレコの様子は覚えていますか?
平塚:一つ前の第92話「想い伝わるアイプリコンテスト」から、ひまりちゃんの離ればなれになりたくないという葛藤や、ポッピンドリーミンとしてのライブを終えたくなくて寂しいという感情が溢れ出していくのを見て、ひまりちゃんの「終わりたくない」という言葉に私自身も深く共感してしまって。台本を読んでいて涙してしまうくらい感情を揺さぶられた回でした。
だからこそ、第93話のお互いを想うからこそちゃんと気持ちを伝えようと頑張る姿や、最後にお互い駆け寄るシーンは本当に感動的でした。ひまりちゃんの包み込むような広い心と、みつきちゃんに向かって「何でも言って」と言ってくれた姿は素敵でしたね。
劇中でみつきちゃんは泣いてしまうんですけれど、アフレコでも美徳ちゃんの台詞を聞いていると、私も心の中でずっと泣きそうになってしまって。私自身もみつきちゃんと同じ気持ちで芝居をすることができたというか、本当の意味で「みつきちゃんになれた」と思えた瞬間でした。
藤寺:第92話でライブを一緒にしている時は、私も収録中に泣きそうになったのを必死にこらえていたんです。でも、ひまりちゃんの「楽しい、でもやっぱり寂しい」という想いが溢れるシーンで私も涙が溢れてきてしまって。
台本を読んだ時からすごく悲しい気持ちになっていたので、収録時にも楽しいという方向に持っていけずに悲しいテンションのままモノローグを言ってしまって、涙が止まらなくなってしまったんです。その様子を見ていた音響監督さんが、一度心を落ち着かせてから録り直す提案をしてくださって、ティッシュで涙を拭きながら気持ちを整える時間を頂いて再度やらせていただいたんです。
本編では、その後にみつきちゃんがひまりちゃんの肩に顔を預けて泣くんですよね。きっと1年目なら逆だったと思う構図だったので、みつきちゃんの溢れ出る涙をひまりちゃんの温かな愛で包み込んでいる、そこに2人の確かな成長を感じました。
──そんなお2人の複雑な感情が凝縮された第93話でしたが、『ひみつのアイプリ』のメインターゲットである小さなおともだちに向けて、複雑な感情やメッセージを伝える上で心掛けていたことはありますか?
平塚:私は特に感情表現をわかりやすくして、悔しかったら思い切り悔しくするというように、その時の感情に振ることを心掛けていました。
人って本当の気持ちをごまかして笑ったり、無理して平常心を装いながら話してしまうことも多いと思うんです。でも、みつきちゃんを演じる時は、小さなおともだちでも直感的にキャラクターの気持ちを理解できるように、声にしっかりと感情を乗せることを大切にしました。
あとは滑舌への意識ですね。はっきりと言葉が子どもたちの元へ届くように意識しながら台詞を読んでいたと思います。
藤寺:早口で何を言っているか聞き取れないことがないように、私もはっきり言葉を発音するように意識しました。あとは『ひみつのアイプリ』は台詞の尺がゆったりしているので、その尺の中でどう表現するかは常に考えていました。
ひまりちゃんって元気いっぱいなところも魅力なので、小さなおともだちが見ていて楽しいと思ってもらえるように、最初の頃はあえてオーバーに演じることを課題にしていたんです。明るく元気に節をたくさんつけてみたり、台詞にちょっと濁点を加える遊び心を入れてみたり。あと、ひまりちゃんは作中で「ふえぇ」というセリフが多いので、その「ふえぇ」に色々なバリエーションを持たせて、台詞を聞いているだけでも楽しいと思ってもらえるようなお芝居を意識しました。
あとは歌唱シーンで「ひまりちゃんが本当に歌ってる!」と思ってもらえるように、楽曲のレコーディングでは、ひまりちゃんの元気と柔らかさが全開で伝わるように歌いましたね。
5つのバズリウムチェンジと5つの思い出
──ここからは各バズリウムチェンジのキーワードになぞらえて約2年間を振り返れたらと思います。最初のジュエルバズリウムチェンジは「ときめき」がキーワードですが、作品を通して感じた「ときめき」にはどんなものがありますか?
藤寺:やっぱりライブや「東京おもちゃショー」などのイベントに出演させていただいて、実際に小さなおともだちの笑顔を見た時の「ときめき」は忘れられないですね。
平塚:私も同じです。ライブもそうですし「東京おもちゃショー」や「AnimeJapan」などのイベントでも、小さい子が「ひまりちゃん!みつきちゃん!」って呼んでくれるんですよ。その声を聞くたびにときめいていました。
藤寺:アフレコの時から、どんな反応をしてくれるのか想像していたので、イベントなどで小さなおともだちの笑顔を目の当たりにすると「生きていて良かった!」という気持ちになります(笑)。
──続いてスペースバズリウムチェンジのキーワードは「あこがれ」です。この2年間で多くの先輩方と共演する機会もあったと思いますがいかがですか?
藤寺:皆さん素敵な方ばかりなんですけれど、同じシークレットフレンズ∞の久保ユリカさんのお心遣いがすごくて。1年目の収録が始まった頃は、緊張していた私たちに明るく話しかけて心をほぐしてくださったり、ライブのリハーサルがある時には差し入れを持ってきてくださったりするんです。
私たちは「シカコさん」と呼ばせていただいているんですけど、シカコさんがいらっしゃると空気が本当に明るくなる感じがして、私にとって憧れの先輩ですね。
あと、これはあまり話していないのかな……? 最終回の収録後、シカコさんが私と紗依ちゃんに白いクローバーのネックレスをプレゼントしてくださったんです。最初、シカコさんはピンクと水色(ひまりとみつきのカラー)で考えてくださったらしいんです。
でも「2人がひまりちゃんとみつきちゃんでいたことは変わらないから、これからは何色にでも染まれますように」という願いを込めて“白”を選んでくださったと伺ったのがとても嬉しくて。クローバーというモチーフもつむぎちゃん(久保ユリカさん演じる鈴風つむぎ)と繋がる部分があって、そんな宝物をくださった憧れの先輩です。
平塚:全く美徳ちゃんと一緒です。いつもシークレットフレンズ∞として身近で支えてくださっているからこそ、どんどんシカコさんのことが大好きになっていきましたし、私もシカコさんのような大人の女性になれたら良いなと思うくらい憧れています。
シカコさんは人間性というか、中身がとても素敵な方なんです。近くにいてくださるだけで心強いし、安心できる方なので、私もそんな存在になりたいですね。
藤寺:他にもリング役の喜多村英梨さんからのお言葉も心に残っていて、特に演技の部分でひまりちゃんとみつきちゃんの掛け合いのとき、2人の呼吸や温度感を合わせることをアドバイスでいただいたのをとても覚えています。
ライブ中のモノローグで2人のセリフが掛け合いになっていて、楽曲のサビに向けどんどんと盛り上がっていく時に、2人で同じテンション感で上がりきらないことがあり、その時にアドバイスをしていただいたんです。
そこで、私が「ひまりちゃんとして思いをまっすぐに届ける!」という意識をしすぎてしまい、みつきちゃんの呼吸があまり聞けていなかったことに気が付きました。そういった冷静な視点からアドバイスをいただけて、とてもありがたいですし、そんな先輩になりたいなと思いました。
──プリティーシリーズの現場は、本当に皆さん優しいですよね。先日の「ひみつのアイプリ×キラッとプリ☆チャン プリ♡プリライブ」では徳井青空さんがキャラクター相関図を作ってきてくださっていました。
藤寺・平塚:そうなんです!
藤寺:徳井さんは本当に周りをよく見ていらっしゃるというか、優しい空気を作ってくださる方ですね。1年目のハロウィンの時期にキャスト全員でハロウィンパーティーをしたんですが、それを企画してくださったのも徳井さんでした。相関図を描いてくださったのもそうですし、いつも周りを見て色々なところに気遣いをされていて尊敬しかないです。
平塚:1年目は徳井さん演じるアイリ(三ツ葉アイリ)たちが所属する生徒会とアフレコが一緒だったんですけれど、1年目の最後で生徒会メンバーが留学してしまったので、しばらく「リング編」ではアフレコでお会いする機会がなかったんです。
それからしばらくしてアフレコ現場で徳井さんにお会いした時に「1年目は自信なさそうに見えて心配だったけど、すごく変わっていて感動して泣きそうになったよ」みたいなことをわざわざ伝えに来てくださったんです。
1年目の頃の私は緊張で早口になりがちで、徳井さんからアドバイスをいただいたりしていたので、余計にその言葉が嬉しくて。他の方にも同じように声をかけているのをお見かけして、改めてプリティーシリーズは素晴らしい先輩方ばかりの現場なんだと感じています。
──「リング編」では旧生徒会になりますが、演じる先輩方が普段から本当に生徒会のメンバーみたいなんですね。
藤寺:生徒会の皆さんのライブパフォーマンスを見ていても、圧倒されるくらいかっこよくて憧れちゃいますね。サクラ役の日比さん(一条寺サクラ役・日比優理香さん)は、収録には必ずどこかに赤色(サクラのカラー)を取り入れたお洋服を着ていらっしゃるんです。キャラクターや作品への愛はもちろん、ライブのパフォーマンスもめちゃくちゃ素敵です。
平塚:MCもサクラさんそのものとういか、実はアドリブも結構入れていらっしゃるんですけれど、それがサクラさんそのまま過ぎて(笑)。
藤寺:みつきちゃんのことも紗依ちゃんのことも、ステージを降りると「ミーたん! ミーたん!」と見守ってくださるんです。
──続いて3つ目のキーワードはアニマルバズリウムチェンジの「自信」について教えていただけますか?
平塚:正直、まだまだ自分に自信が無いので、オーディションやアフレコは毎回とても緊張してしまうんです。それこそ1年目の頃は本当に毎週心臓がバクバク鳴るのが自分でも分かるくらい緊張して。ただ、2年目の後半になるにつれて以前ほど緊張していないことに気付いたんです。
それは、いつも隣で温かく見守ってくれた美徳ちゃんや先輩の皆さんのおかげでもありますし、音響監督やスタッフの皆さんも丁寧にディレクションしてくださるので安心した気持ちでお芝居に集中できたこともあると思います。
ライブやイベントでも、最初はステージに立つだけでドキドキで「私をみつきちゃんとして受け入れてくれるかな……?」という不安もあったんですが、足を運んでくださるプリトモの皆さんが声援を送ってくださったり、みつきちゃんの名前を呼んでくださったりするうちに、少しずつ自信に繋がっていきました。
そう考えると、自分に少しずつ「自信」が付いていったのは、私がというよりは周りの皆さんが本当に温かかったおかげだと感じますね。
藤寺:今だから言えることなんですけれど、2年目に入って後輩ができたり、みつきちゃんの過去が掘り下げられたりした時に、作品中のひまりちゃんの立ち位置みたいなものが変わった気がして、演じる時に迷いが生じてしまったんです。
私はあまり人に相談するのが得意ではないのですが、ある時、勇気を出して監督や音響監督さんに今の不安を打ち明けてみたんです。
「ひまりちゃんを自分が変えてしまっていないか?」という悩みに対して、監督たちは「2年目なんだから成長して変わっていくのは当然だし、ひまりちゃんはみんなで一緒に作っているから一人で抱え込まなくていいよ」とアドバイスしてくださったんです。
さらに「1年目の半分くらいまでは探りながらお話を考えていたけど、途中からはひまりちゃんだけではなく、キャストの皆さんの芝居からインスピレーションを受けてお話を書いている」と伺った時に、自分がこれまでやってきたことは間違いではなかったと「自信」に繋がったと思います。
最終回までひまりちゃんと一緒に、一話ずつ精一杯に歩めた時間は本当に幸せだったと思います。スタッフの皆さん、キャストの皆さん、そしてイベントやSNS等を通じて感想を届けてくださるファンの皆さん、そんな皆さんがいてくれたからこそ、私はひまりちゃんを演じられたので、皆さんのおかげで少しずつ自分に「自信」を持てるようになってきています。
──4つ目のキーワードはフラワーバズリウムチェンジの「勇気」です。アフレコでアドリブにチャレンジしたり、ステージに立つ瞬間など、お仕事の中で「勇気」を出した場面はありましたか?
平塚:私にとっての「勇気」は、やはりライブやイベントで皆さんの前に立つことかもしれません。もともと人前に立つのがすごく苦手で、それこそ昔の自分からすれば、声優として活動したり、人前で何かを表現している今の姿なんて全く想像もつかないことだったんです。
この2年間、みつきちゃんとしてライブに立ったり、皆さんの前でセリフを披露するなど、初めての経験をたくさんさせていただきましたが、そういった表現をすることは私にとって「勇気」が必要な瞬間だったんです。でも、勇気を出すことがこんなにも素晴らしく、新しい世界を見られることだと『ひみつのアイプリ』を通して知ることができて、自分の中の世界が大きく広がったと感じています。
藤寺:私はお芝居の面で、少しずつアドリブに挑戦する「勇気」が持てるようになりました。ひまりちゃんは「(鼻歌)」みたいな指示が台本に多いので、これは何を歌っても良いのかと考えて(アミューズメント)ゲームのオリジナル楽曲やみつきちゃんの曲をアドリブで鼻歌にしたりしたんです。もちろん色々と権利的なものもあるので、オリジナルの鼻歌も録ったんですが、実際のオンエアでアドリブの方が採用されているのを見た時は、勇気を出して良かったと思いました。
ライブやイベントだと、私はキャラクターがアニメで歩んでいる成長に合わせたパフォーマンスをしようと心がけています。先日の「ひみつのアイプリ×キラッとプリ☆チャン プリ♡プリライブ」は、ちょうどアニメでひまりちゃんがみつきちゃんの留学を知ったタイミングだったんです。ライブを見に来てくださった方の全員が『ひみつアイプリ』を見ているわけではないと思うので、悲しさや寂しさを前面に出すことはしませんが、みつきちゃんとの楽曲に関しては歌詞に合わせて少しだけ“寂しさ”を滲ませる表現に挑戦してみました。
──お2人ともライブの話が出ましたが、ひまりちゃんとみつきちゃんは、お互いを励ます時におでことおでこをくっ付ける「ひみつのおまじない」がありますよね。そんな風にお2人が緊張をほぐすために行うルーティーンやおまじないのようなものはあるんですか?
藤寺:ポッピンドリーミンやシークレットフレンズ∞の時もですが、ステージに出る直前の舞台袖で、必ずお互いに目を合わせて「頑張ろう!」と無言で合図を送るんです。
平塚:私は心臓がバクバクして緊張しがちなので、美徳ちゃんやシカコさんと視線を交わしたり、少し離れた場所から「頑張ろうね!」という空気を感じるだけで心が和らいで、緊張から「楽しむ気持ち」に切り替えられたりできるんです。そういう意味で、私にとっても「ひみつのおまじない」と同じくらい大きな力があると思っています。
──ここまで既にお互いの信頼については伺ってきましたが、最後のメロディバズリウムチェンジのキーワードは「信頼」です。改めて、この2年間でお互いの信頼関係はどうですか?
藤寺:一緒に声を合わせる「バズリウムチェンジ!」みたいな台詞は、なかなか息が合わない時もあって、最初のうちは収録前に2人で練習したり、収録時に合図をしたりしていたんです。それが今では練習や合図無しでも息を合わせて台詞を言えるようになったので、言葉がなくても通じ合う「信頼」があるんじゃないかと思います。
平塚:劇中でライブ前にコーデチェンジする時の「わたしも知らないひみつのわたし!」から声を合わせて台詞を言う一連のシーンがあるんですけれど、最初は割とバラバラになっちゃったりして、音響監督さんから「あと50回もやれば完璧に揃うようになるよ」なんて励まされていたんです。それが「リング編」の頃には、新しく参加されたキャストの方々から「どうやったらそんなに息が合うようになるの⁉」と言っていただけるぐらいに合うようになりました。
逆に2人で声を合わせる場面でなくても、同じタイミングで同じアドリブを言ってしまったりもして(笑)。この2年間、2人で気持ちを合わせようとしてきたからこそ、そういうところまでピッタリ合うようになったのだと思います。
2人が考えるひまりちゃんとみつきちゃんの未来は?
──3月13日(金)からは『映画ひみつのアイプリ まんかいバズリウムライブ!』が公開中です。超ときめき♡宣伝部さんが歌うテーマソング「開花宣言!」は、メンバーの杏ジュリアさんが「この曲は、ひまりちゃんとみつきちゃんのこれからの関係性も願うような、素敵な歌詞が散りばめられている楽曲になっています」とコメントしていました。お2人は最終回後のひまりちゃんとみつきちゃんはどんな未来になると思いますか?
平塚:最終回の最後のシーンでもあったんですが、どんなに離れた場所にいたとしても2人の友情や物語は続いていくと思いますし、たとえ会うのが久しぶりになっても2人の関係が変わることはないと思います。
きっと劇中の「アイプリ」自体も続いていくと思うので、みつきちゃんは留学で学んだことを、ひまりちゃんはみんなを笑顔にすることでみつきちゃんがいない時も努力してきたことを、それぞれの場所で学んだり成長したことを、2人のライブで見ることができたりするんじゃないかと思います。
藤寺:最終回後に2人が出会ったら、ひまりちゃんは留学から帰ってきたみつきちゃんの話をニコニコと聞いて、みつきちゃんもひまりちゃんのそれまでの話を愛おしそうに聞いてくれるんじゃないかと思います。それぞれの場所で学んだり経験してきたことが、2人の成長に繋がって、絆も更に深まると思いますね。
きっと2人とも成長して、お互いに尊敬できる部分も増えて、もっともっとお互いのことが大好きになるはずなので。お互いに離れたところでも頑張ろうと思える2人だから、これからも切磋琢磨もしつつ、おともだちの“キズナ”もあるので、物理的にというよりは心の距離として、いつまでも2人で一緒に幸せでいてほしいですね。
──折角の機会なので、お2人が特に印象に残っている、もしくは好きな回があったら教えていただけますか?
藤寺:どの話も良いんですよね。
平塚:選べない……。
藤寺:『ひみつのアイプリ』ってたまにコラボ回があるじゃないですか。第27話「ひみつのオシャレ魔女」では『オシャレ魔女 ラブ and ベリー』のお二人が来てくださったり、第64話「マイメロディとクロミがやってきた」にはマイメロディちゃんとクロミちゃんが来てくださったりして、普段とは違う空気感の収録もすごく楽しかったです。
平塚:1年目だと、ずっとチィちゃん(真実夜チィ)が、バズリウムチェンジができないことに苦しんでいたのが心に残っています。それだけに初めてバズリウムチェンジを成功させた第31話「やくそくの一番星」は、チィちゃんの努力がやっと報われたことが感動的で自分のことのように嬉しかったですね。
──第31話はすごく繊細な話なんですよね。チィちゃんの親戚の茜さんがどうなったのかは大人目線ではわかるんですけど、小さなおともだちも見るので直接的な表現はしないみたいな。
藤寺:あとは好きな話というよりも思い出になるんですけれど、第90話「みつきちゃんがいっぱい」の劇中でひまりちゃんが描いた「みつきちゃんのお月様大冒険♥」の絵は、実は私が実際に描かせていただいたんです。
「ひまりちゃんが描く絵」として誰のタッチが一番ふさわしいか、キャスト内で絵のオーディションがあって、監督からご指名いただきました。まさか声優以外で自分の名前がクレジットに載る日が来るなんて思ってもみなかったので、すごく嬉しかったです(笑)。
ひまりちゃんがみつきちゃんを想って描くとしたらどうなるんだろうとか、絵でもひまりちゃんを表現できたら良いなと思いながら描いていたので印象に残っていますし、改めて絵を描かれるスタッフの皆さんの凄さを実感した回でもあります。
──ひまりちゃんを演じているご本人が描いたものが、ひまりちゃんが描いた絵として採用されたのは愛を感じますね。
藤寺:残念ながら採用されなかった皆さんにも、監督が「アイプリグミ(アイプリカード♪コレクショングミ)」を配っていて(笑)。そんな温かい気遣いが作品の空気感を作っていたのだなと改めて感じました。
──似たようなパターンかもしれませんが、みつきちゃんのおばあちゃんの飼い猫「コメット」の声を平塚さんが担当されていますよね。あれもキャスト内で猫オーディションがあったんですか?
平塚:いえ、あれは香盤表を頂いた時に、すでにコメットのところに私の名前が書いてあったんです。「コメットの役に決まってる!よし、猫をやるぞ!」と意気込んで挑みました。
──そうだったんですね。そんな裏話って他にもあるんですか?
藤寺:第44話「バレンタインとプリうさ姫」で、ひまりちゃん、みつきちゃん、鈴夢(ちゃいむ)ちゃんの3人で『プリうさ姫』の絵本を読み聞かせをするシーンがあるんですが、ちゃんと「読む上手さ」の設定があったんです。みつきちゃんが一番上手、次に鈴夢ちゃん、そして最後がひまりちゃん。ひまりちゃんとして少したどたどしく読むのは難しかったんですけれど、普段の収録とも違って楽しかった思い出ですね。
「私としては1万人のおともだちを作れたんじゃないかなと思ってます(笑)」
──ひまりちゃんは第1話で「おともだちを一万人つくること」を目標に掲げていましたが、藤寺さんはこの2年間でイベントやライブなど様々な機会で“おともだち”と出会ってきたと思います。ひまりちゃんではなく藤寺さんご自身は「おともだち一万人」はいけましたか?
藤寺:ライブの最後のご挨拶で「私とおともだちになってくれる人!」と呼びかけると、会場の皆さんが全力で「はーい!」って応えてくださるんです。この作品を通して、本当にたくさんの方にお会いすることができました。
皆さんの楽しそうな表情を見ていると、私の中では勝手におともだちみたいな気持ちになっていました。100万人はちょっと難しかったかもしれませんが、私としては1万人のおともだちを作れたんじゃないかなと思っています(笑)。
──みつきちゃんはシリーズを通じて「留学」という夢を見つけましたが、平塚さんご自身は『ひみつのアイプリ』に関わったことで、新たに何か挑戦したいことや目標はできましたか?
平塚:劇中のキャラクターたちは、みんな「アイプリ」というものに本当にストイックに向き合っていて、目標を達成しても更にその先へと高みを目指し続けているんです。その姿に「私も負けていられない!」といつも刺激をもらっていました。
次のライブでは前回よりも高いパフォーマンスをみんなに見せたい、アフレコでは前回よりも表現力が増した自分でありたいとか、そうやって一つ一つの目標を乗り越えて更に高みを目指す自分になるという目標ができたと思います。
プリトモのみんなへ
──それでは最後に、2年間『ひみつのアイプリ』を応援し続けてくれた、大好きな「プリトモ」の皆さんへメッセージをお願いします。
平塚:アニメが最終回を迎えて、大好きなキャラクターとお別れしてしまうような、寂しい気持ちでいっぱいの方もいらっしゃると思います。最初は私自身も実感がわかず、終わってしまうと思うとすごく寂しくて、一人で泣いてしまうこともありました。
実際に最終回を迎えて、心の中には『ひみつのアイプリ』を通して学んだこと、活かされたことがたくさんあります。そして、いつも心の中にはひまりちゃんやみつきちゃん、アイプリのみんながいると思っているので、今は寂しいと思っている皆さんも「心の中にはいつもみんながいるよ」ということを忘れないでほしいです。
2年間という長い月日を応援してくださり、ライブやイベントなどで私がみつきちゃんとしてステージに立たせていただけたのも、間違いなくプリトモの皆さんの応援があったからなので、本当に皆さんへの感謝の気持ちでいっぱいです。
藤寺:ひまりちゃんやみつきちゃんたちの物語はアニメでは最終回を迎えましたが、今もみんなはどこかで楽しく過ごしていて、この作品ならではの優しい空気感が流れているのではないかと思いながら私も過ごしています。
これから先も『ひみつのアイプリ』が皆さんの「夢」や「憧れ」をそっと後押ししたり、ふと誰かを大切に想う気持ちを思い出させてくれたりする……そんな作品であり続けてほしいと願っています。この作品を通して、少しでも明るい気持ちや楽しい気持ちになっていただけたのであれば、作品に携わらせていただいた身として、これ以上の幸せはありません。
2月に開催させていただいた単独ライブ(ひみつのアイプリRing Ring LIVE)や3月の映画の公開など、たくさんの展開が続いていくのは応援してくださるプリトモの皆さんのおかげだと思いますし、様々な形で『ひみつのアイプリ』という作品を愛してくださったすべての皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。
これからも『ひみつのアイプリ』を応援していただけると嬉しいですし、私も皆さんのことが大好きです! 本当にありがとうございました。
企画・取材:岩崎航太、編集:太田友基