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『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』特報初解禁から10年が経過

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『スター・ウォーズ』新シリーズ序章となった『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』初の特報映像が世界解禁になった日から、2024年11月29日をもって10年を迎えた。今一度、10年前のあの興奮を振り返ってみよう。

このティザー映像は現地時間2014年11月28日の朝、全米30館の限られた会場で初上映され、iTunesやYouTubeでもオンライン公開された。YouTubeで確認すると、本国版の初映像が掲載されたのは日本時間で2014年11月29日深夜0時15分。この時はまだ『フォースの覚醒』との邦題は与えられておらず、国内では『スター・ウォーズ:ザ・フォース・アウェイクンズ』との仮題が便宜的に用いられた。

当時のファンは緊張と共に視聴を開始したことだろう。映像にゆっくり浮かび上がるのは砂漠地帯の光景。旧3部作でお馴染みの惑星タトゥイーンだろうかと、ファンはすでに想像を巡らせる。「ついに目覚めようとしている。感じないか?」……謎の人物の声(スノーク)。ダークサイドも帝国軍も滅びたはずなのに、この邪悪な声の主は一体誰なのだろう。銀河に新たなる脅威が忍び寄っているのだろうか?

そこに突然登場するのは、ヘルメットを外した汗まみれのストームトルーパー(フィン)。『スター・ウォーズ』実写映画で、トルーパー兵が個人の素顔を見せるのは初のこと。「そう来たか」と、多くのファンは膝を打った。

続いて姿を見せるのは、サッカーボールのような球体の上にドーム型の頭部が乗った謎の新ドロイド(BB-8)だ。愛らしい電子音を発しながら一生懸命走る姿に、ものの数秒で心を奪われる。悪いなR2-D2、『スター・ウォーズ』の新たなマスコット・ドロイドはきっとこの子になるぞと予感する。

全く新しいデザインのストームトルーパーが、輸送船内らしき空間で、出撃の瞬間に備えている。どこかしら間抜けな印象もあった帝国軍時代のトルーパーと違い、新しいデザインはより洗練され、現代的で容赦ない印象だ。間もなく、このデザインはアップルのジョナサン・アイヴに影響を受けていたとの裏話も語られることになり、「新時代のスター・ウォーズ」らしさを印象付けることになる。

映像は再び砂漠の惑星に戻り、縦型のスピーダーバイクに乗った少女(レイ)が、何かから逃げるようにして急発進させている。演じるのはデイジー・リドリーという新人。その姿を、砂漠の田舎で農場暮らしをしていたルーク・スカイウォーカーに重ねたファンも多かったことだろう。

風を切って登場したのは、オスカー・アイザックが演じるX-ウイングのパイロット(ポー・ダメロン)。本作は、X-ウイングやタイ・ファイターといった旧3部作時代を象徴する戦闘機が初めて現代に映像化される『スター・ウォーズ』作品でもあった。最新技術と共に描かれる『スター・ウォーズ』ドッグファイトはどんな迫力になることだろうと、期待を膨らませたものだ。

特に強烈な印象を植え付けたのが、夜の雪の森を歩く謎の人物(カイロ・レン)の後姿。「ダークサイド……」との声と共にその人物が起動させたのは、シスの証である赤いライトセーバー……と思いきや、ヒルト先端から左右にも光刃が噴出し、十字形になったではないか!『エピソード1/ファントム・メナス』(1999)ダース・モールーの両刀ライトセーバーに匹敵する衝撃を受けた世界中のファンは早速、この人物が誰なのか、出力が不安定に見えるのには何か理由があるのではないかとの考察合戦を繰り広げることになる。

そして「光……」とのナレーションが響くと、闇を切り裂く『スター・ウォーズ』のメインテーマ。お馴染みのミレニアム・ファルコンが蒼穹を突き抜けて、飛ぶ、飛ぶ、飛ぶ。砂漠の地表スレスレで超低空飛行を見せたかと思えば、正面からあの飛行音と共に2機のタイ・ファイターが迫ってくる。これだ!これこそがそうだ!『スター・ウォーズ』が帰ってきた!

『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は、この特報初解禁からおよそ1年後の2015年12月18日に日米同時公開。ここから1年の間、世界中の『スター・ウォーズ』ファンは小出しにされる情報をつぶさに追い、夜な夜な想像を膨らませ、ネット掲示板やSNS上で考察を語り合った。この映画はSNS時代に初めて登場する『スター・ウォーズ』作品となり、ファンダムは国境を跨いだ言論空間と共にみるみる膨大化した。

この88秒の映像を、ファンは繰り返し視聴した。見れば見るほどに、期待と興奮が高まっていく。スター・ウォーズ公式サイトの記録によれば、映像はその年のうちに1億回再生を突破。これは映画予告編の再生回数としては当時最高の数字となった。

Source:StarWars.com(,),

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