<秋季高校野球静岡県大会準決勝> 浜松日体、掛川西に敗れ3位決定戦へ 初の大一番で「普段通り」の難しさ
秋季高校野球静岡県大会準決勝は9月28日、準決勝を行った。前チームからの主力7人を中心に初の4強入りを果たした浜松日体は、昨秋県準優勝の掛川西に1ー12、5回コールドで完敗。残り1校の東海大会出場権を懸けて、常葉大菊川との3位決定戦に臨むことになった。
杉田享監督は「普段は勝つぞ、勝つぞと言わない子たちが(試合前に)そう言っていたので、もう少し(自分が)気の利いたことを言って、力を抜いて、普段通りの振る舞いをさせてあげられたら良かった」と選手の心中をおもんぱかった。
掛川西
003 72=12
000 01=1
浜松日体
(5回コールド)
立ち上がりは上々
先発・河村怜勇投手の立ち上がりは上々だった。
「最初は比較的自分のペースで、どのボールも狙ったところに投げられました」
初回は先頭の重松聖人選手に安打を許し、失策が絡んで無死一、二塁のピンチを背負ったものの、後続3人を打ち取って無失点で切り抜けた。二回も2者連続三振を含む3人で終わらせた。
だが三回につかまった。
「途中から掛西さんの打者が対応してきて、どの球にも食らいついてきて、ハードヒットできるので苦しくなった。真っすぐもスライダーも捉えられて、残っているのはチェンジアップだけ。カウントがなかなか取れずに力んでしまい、状況を悪くしてしまった。実力不足だなと感じました」
慣れない連投、疲労も表れ
前日の準々決勝で87球を投じた河村投手。試合が進むにつれ、慣れない連投の疲れが投球に表れた。杉田監督は「トレーナーにケアをしてもらったけれど、球も走らず、体も重たい状態だったと思います」と気遣った。
「相手がはるかに上」
主将の遠見石侑平捕手は、昨夏の覇者・掛川西に対して必要以上に構えることはなかったという。ただ、戦いながら力の差を痛感した。
「河村の真っすぐのインコースを使っていきたかったけれど(2死球と)制球が定まらず、アウトコース一辺倒になってしまった 。自分たちの守りのレベルより相手の打撃の方がはるか上でした」
地元軟式出身者が中心
浜松日体は私立高だが野球部は地元の中学軟式経験者が中心。
三塁手の鈴木僚真選手と遊撃手の堀越慶司選手、右翼手の佐藤泰瑛選手の3人は、掛川西のエース古岡都暉投手と浜松曳馬中でチームメートだった。
前日にLINEで「(準々決勝)勝ったよ」「(対戦は)明日だね」とやり取りし、試合中、塁上でも「強いね」「あのボール張ってた?」などと会話を交わしたという。
かつての味方が手ごわい敵に
鈴木選手にとって、中学時代の古岡投手は「まだ未熟だった」。高校生になり、敵として対峙(たいじ)した姿は「余裕があり、エースの風格があった」と大きく見えた。
3決の相手は最強打線
3位決定戦は10月4日。相手は今大会最強打線との呼び声高い常葉大菊川。
「自分たちのベストを出さないと勝てない相手。切り替えて臨んでいきたい」と河村投手。
遠見石主将は「リード面でピッチャーをサポートできる部分があると思う。見直していきたい」とエースの援護を誓う。
御殿場西との準々決勝では初回に2点を取られた後に6点を取り返すなど、粘り強く勝ち上がりながら自信を付けてきた。
新しい景色を見るために、持てる力を出し切る。
(編集局ニュースセンター・結城啓子)