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左目を失明しながら目指したパリコレ…「今私がやらなきゃ!」谷間の存在に自ら光を

Sitakke

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「パリコレ」にも参加した札幌のファッションモデル・吉野奈美佳さん(29)。

左目失明という障害をもち、福祉的な支援の「谷間」に置かれてきた彼女を突き動かしてきた光…
自ら影響力をつけながら世界に発信するモデルの姿に憧れてきたことを前回の記事でお伝えしました。

心が開いていった高校時代

2025年の12月、吉野奈美佳さんは、卒業して以来、初めて母校の高校を訪ねました。

「左目が見えていないので、小学校の頃からなんですが、教室では黒板に向かって左側の前方、いつも窓側に固定でした」

懐かしい学び舎を案内してくれたのは、札幌光星高校で世界史を担当する松崎康二先生。吉野さんにとって忘れられない恩師です。

中学校では、逃げ込むように保健室で過ごした吉野さん。高校では友人もでき、茶道部の部長も務めました。
閉じかけていた心が、少しずつ開いていったのです。

「初めて学校が楽しいと思えたのは、松崎先生のおかげだなっていうのはあったんですけれど…。そこからもっと世界のことを勉強したいと思いました」

そんな吉野さんの言葉に「うれしいですね」と先生も顔をほころばせます。

「実は私、大学のときに西洋史ゼミに所属していて、フランス革命前の歴史を勉強していたので、ちょっと授業ではそこら辺は熱く語っていたのかもしれません」

使命感に駆られ…ついに

札幌市内の大学に進学すると、本格的にファッションモデルに挑戦する道を進んでいきます。

右目しか見えていない吉野さんにとって、本来両目にかかる「物を見る負担」はすべて右目にかかっています。

実は「右目が見えている」という希望だけではなく「いつ右目が失明してもおかしくない」という不安とも闘っているのです。

「両目を失明しないうちにモデルなど自分のやりたいことをやる」

ウォーキングのレッスンを受け、モデルの基礎を学び、スタジオを借りて自主練習を重ねました。
そして、札幌の地下アイドルグループのメンバーとしても活動。

その間、たびたびオーディションを受けますが、左目の障害を理由に不合格が続きました。
それでも、吉野さんは決してあきらめませんでした。

「自分が表舞台に立つことが、同じよう境遇の人たちのロールモデルになれると思ったので…。『いま私がやらなきゃ!』って、謎の使命感に駆られて、いばらの道を選んできました」

ミス・ユニバース北海道エリア 準グランプリ(2016年)

そんな吉野さんが20歳で挑戦した「ミス・ユニバース・ジャパン2017」。
そこで北海道の準グランプリに選ばれたのです。

別の大会では日本代表になり、世界大会では2位に輝きました。

さらに、吉野さんは2024年に単身でフランスに渡り、ついにパリコレのステージに立つ機会を得ました。

提供 Global Glam Fashion

吉野さんを突き動かすもの

左目の光を失っても、心の光は消えない―。吉野さんを突き動かすのは、あのグレーゾーンの存在です。

2019年 取材

「私がいままでモデルの活動しているのも、一番は同じような境遇の方とか、自分に自信がない方、グレーゾーンにいるとか、生きづらさを抱えている方の背中を押したいというのがあるので…」

ファッションモデル、吉野奈美佳さん。その歩みは、これからも続いていきます。


片目を失明した人が抱える不安

吉野さんは、片目が見えないことで、足元の遠近感がつかめないと話していました。

これから真冬を迎える北海道。雪が降り積もったり、凍結したりした路面は、凸凹になることも多く、歩くたびに緊張を強いられることになります。

片目を失明した人は、全国に10万人以上いるとされています。
義眼を使う人も多いなか、障害者の認定を受けられないことで費用の負担も重くのしかかります。

義眼は、長期的な使用による劣化や眼球の萎縮などに応じて、交換の必要があります。
障害者手帳の交付を受けることで、こうした負担の軽減にもつながります。

ただ現状では、日常生活に不安を感じながらも、健常者と障害者の谷間、グレーゾーンに置かれ、福祉的な支援の対象にならない人が少なくありません。

2022年

これまでの歩みを誰かの力に変えようとする、札幌のファッションモデル・吉野奈美佳さん。

その姿は、支援の谷間に置かれた人たちの存在を、私たちに問いかけているのではないでしょうか。

文:HBC報道部 
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年12月15日)の情報に基づきます。

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