【親が言いがちな最悪ワード】進研ゼミ「赤ペン先生」が教える 勉強嫌いと勉強好きな子どもの親の決定的な言葉の違い
子どもが勉強嫌いで苦労している場合は、通信教育「進研ゼミ」の「赤ペン先生の究極のほめ術」が状況を変えてくれます。57年間、のべ9200万人の子どもたちとのやりとりから生まれたテクニックを子どもとのコミュニケーションに用いると、我が子の行動は驚くほど変わり、勉強への意欲も高まります。
現役・赤ペン先生であり、全国の赤ペン先生のサポート役も務めている佐村俊恵(さむらとしえ)先生が、子どもが「勉強が好きになる」テクニックを解説します(全3回の3回目)。
▶画像 「ポスター貼っとくだけ知育」で偏差値70を実現した3つのコツ低学年にそれいっちゃダメ! 発達段階に合わせたほめテクニック
小学校低学年と高学年では、身体的な差だけでなく、精神面や思考力でもかなりの違いがあります。
ベネッセコーポレーションの通信教育「進研ゼミ」で添削指導をする赤ペン先生のテクニックには、発達段階に合わせた伝え方もあります。
「子どもが低学年の場合、『前も間違っていたよ』『ミスが続いているよ』という指摘は原則として行いません。
ひとつには、低学年の子どもにとって『前』という時間は、たとえば1ヵ月前でも大人が感じるよりもずっと昔の出来事だからです。毎日の新しい学びに一生懸命なので、以前の細かいミスを覚えているとも限りません。
また、低学年の子に『また同じところがダメ』とミスした部分を指摘すると、子どもは『自分はダメな子だ』と感じてしまいます。
ネガティブな感情が残ると、『どう直せばいいのか』という次の一歩が頭に入ってこなくなるため、指摘をするにしても引きずらないような声かけをします。
毎回、漢字のはねができていなかったのなら、『ここまでは完璧だけど、最後ははねるよ』という具合です。横棒が毎度、一本足りないなら、『惜しい! ここが一本あれば完璧だったね』といってあげましょう」(佐村先生)
低学年は、メタ認知(自分の思考や行動を客観的に把握して、適切に調整する力)が未発達なため、過去を引き合いに出して改善させるよりも毎回、新しい気持ちで答案と向き合ったほうが子どもにいい影響を与えます。
指摘のやり方次第で「そっか、じゃあ、ここさえ直せば自分は完璧なのか!」と、子ども自身が学びに対してポジティブになれます。
中学年や高学年の伝え方のポイントとは?
「まず、中学年も高学年も、『ダメじゃん!』『また間違えてる、どうしてできないの?』と、その子を全否定するような言い方はNGです。
4年生以上ならメタ認知能力が育ちつつあるので、低学年と違って過去の失敗に触れることもできますが、それでも『惜しい! ミスが続いているよ』という柔らかい表現で伝えましょう。
その上で、『ゆっくり書いてみよう』『ここに注目すれば問いの文が見つかるね』など、ミスを繰り返さない具体的な方法を示してあげてください」(佐村先生)
低学年と中・高学年で多少、対応方法に違いを持たせなければなりませんが、全学年に共通していることは、『ダメ』のひと言で済ませないこと。子どもが学びに対してポジティブになれる言葉を選ぶことです。
「勉強すると嫌な気分になる」という気持ちよりも、「勉強するといろいろできるようになる、わかることが多くなると楽しい」という気持ちを子どもの中に育ててあげましょう。
「それ、教えて」の言葉は、子ども自身の学び直しのきっかけにもなります。 写真:アフロ
自ら勉強する子になる「2つの魔法の言葉」
赤ペン先生には、子どものやる気を引き出す言葉がたくさんありますが、その中でも子どもに効く2大ワードを紹介。
子どもとの日常のやりとりの中で何気なく使ってみましょう。勉強嫌いの子だけでなく、すべての子どもにいい変化が訪れるはずです。
自ら勉強する子になる2大ワード ①「それ、教えて!」
子どもが習ってきたことに対して、「それ、教えて!」とおうちのかたが伝えてみましょう。子どもは張り切って計算や漢字など、いろいろなことを教えてくれます。
普段は「教わる立場」の子どもが、大人に対して「教える立場」になれることは誇らしく、うれしい体験であるとともに、人に教えることで子ども自身の学び直しにもなります。
勉強を楽しむことにつながりますし、親子で学び合うことで深い信頼関係も築くことができる、とっておきの言葉です。
自ら勉強する子になる2大ワード ②「間違えても大丈夫!」
普段のテストだけでなく、中学受験のための塾の課題など、子どもが答えを間違えると怒ってしまうおうちのかたがいます。しかし、ミスは次に進むためのものです。
そこで責めるような言葉を子どもに浴びせると、子どもは学ぶことが苦しくなってしまいます。そうならないためにも、なぜ親である自分は怒っているのだろうかと客観的に分析して心を落ち着かせ、子どもの立場になって「間違えても大丈夫だよ」と声かけをしてあげてください。
また、「進研ゼミ」では、「間違えたくなくて答えを書かなかった」という子もいます。前述しているように、ミスは次に進むためのものですから、赤ペン先生はそんなとき「間違えても大丈夫! 漢字をこんなに頑張っている○○さんなら、次はできるよ」と言い切りのコメントをします。
「失敗すると取り返しがつかない!」と子どもが思わないように、どうか安心感を与えてあげてください。ミスをしてもいいと思えると、子どもは学ぶことに対して前向きになれます。
赤ペン先生のテクニックを家庭で取り入れるメリット
赤ペン先生と受講する子どもとは、月に1回しか接点がありません。しかも、直接のやりとりではなく、答案というテキスト上でのコミュニケーションに限られています。
この点を考えると、親子間では毎日のようにほめるタイミングがあり、いくらでも子どもを伸ばす機会があります。
「赤ペン先生と添削指導をしている子どもは月に1回、答案上でのやりとりしかありません。また、その子を担任できるのは1年間と決まっています。いろいろな意味で制限があるのです。
しかし、ご家庭では毎日一緒にお子さんと過ごされて、その様子をつぶさに見ることができます。『えんぴつを握りしめて考えていた』『何度も書き直しながら問題を解いていた』『問題を声に出して読んでいた』など、その頑張りを目にすることができます。
そのため、赤ペン先生よりも、子どもの様子に合わせてタイミングよくほめることができるはずです。
勉強というものは、『勉強ができたらほめる』のではなく『ほめるから勉強ができる』ものです。ほめられて自分のことが好きになれば、子どもは自然に勉強が好きになります。
どうか、結果だけにとらわれずに努力した過程をほめる、学びに向かう姿勢をほめる、子ども目線でほめるという『ほめ方の3原則』を基本に、我が子を否定しない視点に立ってほめてみてください。
子どもの学ぶ姿勢が次第に変わって、子ども自身が自分の成長を感じるようになり、勉強に対して前向きに取り組めるようになります」(佐村先生)
赤ペン先生は、何があっても子どもたちを絶対に否定しません。「教えてあげる」「指導してあげる」「評価する」という上からの目線も持ち合わせておらず、常に子どもの目線に立って、ほめてその子を伸ばすというスタンスです。
子どもが持ち帰ってくるテストの結果を見て親はガッカリしたり、怒りが込み上げてきたりすることもありますが、そんなときこそ子どもにはポジティブな言葉を投げかけてみてください。
おうちのかたの言葉や反応が変われば、子どもの勉強に向かう姿勢はみるみる変わってくるはずです。
取材・文/梶原知恵
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◆佐村 俊恵(さむら としえ)
進研ゼミ「赤ペン先生」全国代表。長女が小学生時代に「進研ゼミ」を受講したことをきっかけに「赤ペン先生」と出会い、その指導姿勢に深い感銘を受ける。2004年からベネッセコーポレーション・進研ゼミ小学講座の赤ペン先生としての業務を開始。以来20年以上にわたり、同講座の添削指導に携わる。現在は添削指導だけでなく、「赤ペン先生の先生」として全国の赤ペン先生からの質問・相談対応も担当。小学生向けのオンライン授業講師やフリースクールのメンターなど多方面で活躍中。1男1女の母。