【体験談】11ヶ月健診で「1歳までに立てなければ紹介状」と言われ焦り…「様子見」をやめて療育を考えた理由
監修:室伏佑香
東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科/名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
11ヶ月健診で示された、ひとつの「期限」
たまおの成長はゆっくりでしたが、第1子ということもあり「これもこの子の個性かな」と漠然と考えていました。そんな中、11ヶ月健診でお医者さんから「1歳までに立てないようなら、専門の先生を紹介しますね」と告げられました。
1歳まで、あとわずか。急に具体的な期限を示されたことで焦った私は、「とにかく練習をさせてみよう!」と、祈るような気持ちで動き始めました。
おもちゃや遊具を使った、家での練習
それからは、たまおの好きなおもちゃを少し高い場所に置いたり、室内用のジャングルジムを使ったりと、家の中でつかまり立ちの練習を繰り返しました。
「頑張れ」と声をかけながら見守る中で、やってみると意外とできることもあるのだな、という発見もありました。親子で試行錯誤を続ける日々が続き、たまおもそれに応えるように少しずつ力をつけていきました。
1歳直前の達成と、医師の判断
練習の甲斐もあってか、たまおは1歳になる直前になんとか自力でつかまり立ちができるようになりました。その様子を報告すると、お医者さんからも「これなら1歳半までは様子見でいいでしょう」という言葉をいただくことができました。
目標としていた「1歳」をクリアできたことで、私もひとまず安心しました。きっとこの先も、この子なりのペースで進んでいけるはずだと、当時は信じて疑わなかったのです。
1歳5ヶ月、集団の中で気づいた違和感
その後、コロナ禍による自粛も落ち着き、1歳5ヶ月になった頃にようやく児童館のイベントへ参加しました。そこで初めて同世代の子たちと過ごした時、私はそれまで気づかなかった「違い」を目の当たりにすることになりました。
家の中でたまおだけを見ていた時には分からなかった、周囲との反応や動きの差。その光景をきっかけに、私は「様子見」の時期を終える必要性を強く感じ、「療育(発達支援)」という次の一歩を考え始めることになったのでした。
たまおが療育に繋がるまでについては、また別の機会にお話しさせていただきます。
執筆/くら
くらさん、つかまり立ちができるようになるまでのたまおさんのご様子と、児童館でのイベントで感じられたことをご共有いただき、ありがとうございました。コロナ禍の時期は、ほかの子どもたちと触れ合う機会が少なく、成長の違いに気づきにくかったというお声は、とても多く聞かれます。特に通園をしておらず、初めての育児の場合、家庭の中だけで見ていると、なおさら分かりにくいものです。共感された親御さんも多いことと思います。
「1歳までに立てなければ紹介」という言葉に、不安やプレッシャーを感じられたこともあったのではないかと思いますが、おもちゃや遊具を使って関わられたことは、その子がもともと持っている力を引き出すための「環境づくり」であり、素晴らしい関わりでしたね。療育もまた、特別なことをする場というより、楽しみながら、その子一人ひとりが持っている力を少しずつ発揮できるような関わりや環境づくりを重ねていくものです。くらさんがご家庭で続けてこられた試みは、すでに療育的な関わりの始まりだったのだと思います。(監修:東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科 小児科専門医・指導医/小児神経専門医 室伏佑香先生)