平塚市大庭さん 老人ホームで50年慰労 アコーディオン奏でる
平塚市土屋にある特別養護老人ホーム「ローズヒル」と軽費老人ホーム「つちやホーム」には、50年前からアコーディオンの音色と歌声が響き渡っている。
演奏するのは西八幡に住む大庭昌子さん(87)。月に1度施設を訪れ、20〜30人の利用者を楽しませている。取材した6月26日は、『星影のワルツ』や『有楽町で逢いましょう』など1950年代の曲を選曲。手を叩いてリズムをとる人や、大声で一緒に歌う人もいた。『東京行進曲』のメロディが流れた際、105歳の男性が「昭和の初めの曲だね」とうれしそうに反応した。
大庭さんは19歳の時に独学でアコーディオンを始めた。「職場の集会で伴奏を頼まれるようになったので、メロディだけで覚えた曲を弾いていた」と振り返る。出産で仕事を辞めた後、37歳の時に「好きな懐メロをお年寄りと歌いたい」という思いから同施設にボランティアを申し出た。
同施設職員の鈴木淳さん(48)は「先生のファンがいるほどみんな楽しみにしている。親しみやすい曲を用意してくれるので参加しやすい」と話し、大庭さんは「アコーディオンは私のハート。5年位前から思う通りに動いてくれる。利用者のみなさんと気持ちよく歌えた時は最高です」とほほ笑んだ。