甘くて しょっぱくて 酸っぱい!? 新しい富山名物“こんぶおはぎ”【くれは製菓】地元の呉羽梨を使った最中も人気の和菓子店
富山を代表する食材と言えば… 何を思い浮かべますか?
富山湾のシロエビやホタルイカ、冬の寒ブリや米など、さまざまありますが、地元の食文化に浸透しているのが昆布と餅。いずれも家庭での購入量が全国トップクラスで知られ、地魚の旨みを引き出す昆布〆や県産のもち米「新大正糯」を使ったかき餅などは県民が愛してやまないグルメです。
今回ご紹介するのは、そんな昆布と餅がコラボレートした和菓子。
特産品を生かした和菓子作りを得意とする富山市呉羽の「くれは製菓」が生み出した、新しい富山の名物です。
地場食材で和の甘味 富山市呉羽の菓子店「くれは製菓」
富山と高岡を結ぶ県道44号、通称「旧8」の呉羽本町交差点すぐ近くに店を構える「くれは製菓」。創業は1966(昭和41)年で、地元の特産品である呉羽梨を贅沢に使った和菓子や洋菓子、富山ならではの餅を求めて、早朝から客が訪れます。
店で扱う餅は「できたて・つくりたて・おいしさそのままを届けたい」という想いから毎朝丹念につきあげて、自慢の餅菓子に仕上げています。
小豆よりもほっくりとした食感のささげ豆を手摘みのよもぎを練りこんだ餅にまぶした「ささげ餅」は、北陸ではなじみ深い郷土菓子。
醤油ベースのみたらしではなく、ぷるぷるの黒糖だれを使った富山名物の「あやめだんご」も並びます。
草大福には、呉羽丘陵で育ったものを使用。
地元の自然の恵みをたっぷりと使い、地域に根付いた風習や食文化も大切にしながら、日常使いの菓子から冠婚葬祭には欠かせない餅やおこわなど、数多くの菓子を揃えています。
看板商品は地元名産の呉羽梨で作る最中「華乃長十郎」
店の看板商品は「華乃長十郎」。地元特産の呉羽梨を使用した最中で、梨の形に似せたまんまるい最中がかわいらしいお菓子です。
中には、白あんをベースに梨を練りこんだあんがたっぷり詰まっています。
1週間かけてじっくり蜜漬けにした梨は、濃厚でありながら上品な味わい。さっぱりした甘さで、梨のさわやかな風味を感じる呉羽ならではの逸品です。
商品名の「長十郎」は、かつて呉羽一帯で栽培されていた梨の品種に由来しているのだそう。
呉羽で梨作りが始まったのは、明治の終わり頃。当時の人たちが苦労や試行錯誤を重ねて、現在の呉羽梨の礎となる「長十郎」を栽培したんだとか。
今では長十郎は栽培されていないため、最中のあんには主力品種の「幸水」が使われているそうですが、呉羽の地に梨作りを根付かせた「長十郎」の名前はそのままに最中を作り続けています。
昆布のおにぎり、ならぬ「おはぎ」
そんな「くれは製菓」で人気の餅菓子のひとつが「こんぶおはぎ」。
昆布が食文化に根差した富山では、海苔で巻く代わりにとろろ昆布をまぶしたおにぎりが名物ですが、「くれは製菓」ではおはぎの表面にとろろ昆布をまぶしています。
見た目はおにぎりにそっくり。でも、割ってみると、しっとりと甘いあんこが詰まったおはぎなんです。
丁寧に炊いたこしあんを包むのは、蒸したもち米を半分つぶす、富山弁でいうところの“半殺し”。
もち米の粒感がほどよく残っていて、もっちりした甘みと粘り、なめらかな食感を楽しめます。
甘み、塩味、酸味の三位一体 繊細なバランスの絶妙な味わい
あんを包んでまんまるに形を整え、自家製の黒とろろの昆布をまとわせたら完成。
あんは甘く、とろろ昆布はしょっぱくて酸っぱい。絶妙な味わいのバランスは、材料が1g変わるだけでも崩れてしまうのだそう。
和菓子というには奇抜な印象がありますが、実は京都には「青のりおはぎ」という和菓子があるんだとか。
店主の米田さんはそれを真似て店に並べてみたものの、売れ行きは思うように伸びませんでした。「それならば!」と、富山県民が大好きなとろろ昆布でおはぎを作ったところ評判がよく、店名物の「こんぶおはぎ」が誕生したのです。
富山を代表するふたつの食材「昆布」と「餅」の組み合わせから生まれた、この土地ならではの和菓子。「県民の皆さんに愛されるスイーツになれば」と米田さんは意気込みます。
県内の人はもちろん、県外の人にも楽しんでほしい富山の味です。
出典:KNBテレビ「いっちゃんKNB」
2025年12月9日放送
記事編集:nan-nan編集部
【くれは製菓】
住所 富山県富山市呉羽本町2951
営業時間 8:00~19:00
定休日 木曜