愛情込めたバラ、今年も咲き誇る 手入れもやりがい 宇陀市の植田さん
今年も手塩にかけたバラが奇麗に咲き誇る、宇陀市榛原天満台西の植田精一さん(73)方の庭先。大切に育てられた色とりどりの花と香りは、家族だけでなく訪れた人たちも癒やしている。
定年を迎えた12年前、各地のバラ園を訪れ、珍しいバラを集めて育て始めた。淡いピンク色の「バレリーナ」「宇部小町」や黄色の「エバーゴールド」など、現在は80種100株ほどあり、うち8割が鉢植え。植田さんは「ラブリーブルー」「清流」など、淡い紫色が好きだという。
「咲いたら豪華だが、育てるのはとても苦労する」と植田さん。夏は朝晩の水やりが欠かせない。虫と病気に弱いため、月に2、3回、約1時間半かけて消毒する。つる状に伸びるツルバラは栄養が行き渡るよう誘因作業をする。
中でも一番大変なのは植え替えだ。根づまり解消のため3、4年で鉢を替えていく必要があるそうで、秋の終わりはこの作業で疲弊するそう。更に、冬は冬で本格的なせん定がある。ただ、苦労が大きいほど、咲いたバラを見ていると楽しいそうだ。
毎年3月には接ぎ木に挑戦しており、今年は「バレリーナ」と「アンジェラ」が同じ個体にたくさん咲いた。「咲きかけたころに大雨が降った。バラは雨に弱いので困った。大雨が一番大敵」と植田さん。「知識と愛情が必要なバラ栽培。接ぎ木にも挑戦し続け、来年はもっと上手に育てようと毎年思い、楽しくやりがいがある」と笑顔を向ける。
最近は四季咲き種が多く、11月後半まで花を堪能できるそうだ。