幼稚園存続で保護者が署名提出 市が認定こども園化検討 伊賀
三重県伊賀市が幼保連携型の認定こども園化を検討している桃青の丘幼稚園の保護者ら約20人が12月12日、唯一の公立幼稚園の存続を求める1138人分の署名を稲森稔尚市長に提出した。
署名は保護者有志で今年5月に結成した幼稚園教育を考えるサークル団体が呼び掛け、10月9日から収集を始めた。園の方向性を決めるときは保護者や教職員の声を聞いてほしいと訴えている。
趣意書を代表して読み上げた同市柘植町の丸柱真優佳さん(38)は「こども園を否定しているわけでない。今の幼児教育を継続するには人材や空間も必要。一度立ち止まって、そこから慎重に考えてもらいたい。私たちの思いや話を聞いてほしい」と要望した。
市は検討の目的について、0歳から2歳の保育の受け入れ不足に対する対応や待機児童の解消などとしている。署名簿を受け取った稲森市長は「決めたことを押し付けるのではなく、説明して一緒につくっていくことが大事。待機児童も解消したいし、桃青の丘の幼児教育も守っていきたい」と話した。
保育幼稚園課によると、庁内で認定こども園化の具体的な検討を始めたのは2023年1月。保護者には同年6月にアンケートを実施したが、これまでに直接説明したことは1度もない。