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骨折や火傷も平気、痛みを感じない9歳男児 母親が「痛みは大切」と切ない訴え(英)

Techinsight

痛みを感じないザック君(画像は『The Mirror 2022年4月25日付「Boy, 9, who ‘can’t feel any pain’ walked with broken leg for THREE DAYS」(Image: Donna Skitmore)』のスクリーンショット)

骨折しても火傷しても全く痛みを感じないとしたら…それは「まるで夢のよう」と思う人もいるかもしれない。だが痛みは「あなたの体には特別なケアが必要」と教えてくれるシグナルであり、生きていくには非常に大切なものである。このほど痛みを感じない稀な疾患「先天性無痛症(CIP)」を患う男児の母が、病気や痛みの大切さ、悩みなどについて『The Mirror』に語った。

英ノーフォーク州ワイモンダム在住のスティーブさん(Steve、53)とドナ・スキットモアさん(Donna Skitmore、46)夫妻の息子ザック君(Zach、9)は、非常に稀な難病「先天性無痛症(CIP)」を患っている。CIPは文字通り痛みを感じない遺伝性の病気で、ザック君は両親2人から変異遺伝子を受け継いだことで発症した。

ザック君がCIPと診断を受けたのは6歳の時で、夫妻は「私たちの4人の子供のうち、CIPを患うのはザックだけ。診断されて初めて、自分たちが変異遺伝子の保因者だと知ったの」とかなりの衝撃を受けたことを明かし、このように続けた。

「医師からはアメリカでは約60例が報告されていること、CIPを発症する割合は100万人に1人いるかいないかという稀な病気であるとの説明を受けたけど、リサーチするまでCIPについては全く知識がなかったの。でも私が最初におかしいと思ったのは、あの子が生後9か月の時だったわ。」

「ザックは赤ちゃんの時、注射を受けても泣かなくて。看護師に『こんな赤ちゃんは初めて見た』と言われたのよ。」

「1歳の時は私たちが気付かぬうちに舌を噛み切っていたし、4歳ではお城の形をしたエア遊具の中で遊んでいて股関節を脱臼したの。医師は『普通なら酷い痛みで座っていられないはず』と、最初は息子が脱臼したことを信じてくれなかったくらいよ。医師が外れた骨を元の位置に戻す時も、あの子は全く平気な顔をしていたわ。」

「普通の子は熱すぎるとか痛すぎると感じたら、そこには近づかないでしょう。でもザックは痛みを感じないから、危険を回避することができないの。それで気が付いた時には、とんでもない怪我をしているのよ。」

痛みを感じないために限度を知らないザック君は、3~4週間に一度は病院の緊急外来を訪れていたそうで、ドナさんは「医師らは私たち夫婦のことを疑いの目で見ていたわ。それに私が『息子が痛みを感じない』と主張しても誰も信じてくれなかった。ザックが診察を受けたほとんどの医師は、CIPの患者を診たことすらなかったのよ」と当時を振り返り、こう明かした。

「そして6歳の時、ケンブリッジにあるアデンブルックス病院でCIPとの診断を受けたの。足を骨折し、3日間歩き続けた後だったわ。」

診断がついてホッとしたのも束の間、夫妻はすぐにCIPの治療法が確立されていないこと、現在は対症療法しかないことを知り愕然とする。ドナさんは病気への対処法や悩みについてこう述べている。

「痛みを感じないことはスーパーヒーローのように感じるかもしれないけど、それはたくさんの危険を伴うということ。私たちはザックが火傷をしないように、食事から風呂の熱さまですべてをチェックする必要があるわ。それに息子は体の接触があるサッカーやラグビーといったスポーツや、エア遊具やトランポリンなどは危険すぎてできないの。」

「心配なのはあの子が中学生になった時、病気を知ったクラスメートが息子の限界を試したりしないかということね。それに『怪我をするかもしれないから』と常に子供を守ることで、私たちの気が滅入ってしまうこともあるの。」

なおザック君はこれまで、火傷、股関節の脱臼、頭の怪我、足の骨折数回、骨髄炎などで入退院を繰り返してきたそうで、現在は「シャルコー関節(神経病性関節症)」という関節の変形や破壊が急速に進行する病気を発症し、足首や膝の変形がみられるという。これを治療せずに放っておくと、一生車椅子生活を強いられたり足の切断に繋がるため、夫妻はクラウドファンディングサイト『GoFundMe』で手術のための寄付を募っている。

ドナさんは「私たちは痛みを感じることで身体の叫びに気付き、治療ができる。また痛みによって怪我を防ぐことも可能よ。だからできることなら、あの子が痛みを感じることができるようにしてあげたい…」と切ない気持ちを明かし、こう続けた。

「イギリスの国民保健サービス(NHS)の医師には、『ザックにはもうできる限りのことはした。これ以上できることはない』と言われたわ。ただ私はそれを受け入れることはできないし、病気の進行を止めるために必要な治療なら、どんなことをしても受けさせてあげたいの!」

ちなみに夫妻は、アメリカの整形外科医フェルドマン氏(Dr. Feldman)のもとで手術を受けることを希望しており、『GoFundMe』には目標額約805万円(5万ポンド)に対し、日本時間5月7日で約58万6000円(3640ポンド)の寄付が集まっている。

画像は『The Mirror 2022年4月25日付「Boy 9 who ‘can’t feel any pain’ walked with broken leg for THREE DAYS」(Image: Donna Skitmore)(Image: Albanpix.com)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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