『らんま1/2』強くて可愛いシャンプーの魅力を探る! 原作&平成版アニメの中から注目エピソードをご紹介
週刊少年サンデー(小学館刊)にて1987年36号〜1996年12号まで連載され、単行本の累計発行部数は5500万部(2021年6月時点)を突破している高橋留美子先生の漫画『らんま1/2』。
10月4日(土)からはアニメ第2期もスタートし、令和になってもその人気は衰えません!
本稿では、2019年にNHKで実施されたアニメ投票企画「全るーみっくアニメ大投票」で、『らんま1/2』のキャラクターとしては最高位の4位を獲得するほどの人気を持つ「シャンプー」の魅力を探っていきます。さらにシャンプーの魅力が分かる原作&平成版のシャンプー登場回と注目エピソードもご紹介していきます!
※本稿には、『らんま1/2』の一部ネタバレが含まれます。
※「乱馬」は男性、「らんま」は女性の姿を指します。
【写真】『らんま1/2』シャンプーの魅力解説|注目エピソード紹介
シャンプーの魅力
シャンプーってどんな人?
中国奥地の村で暮らす武闘民族・女傑族(じょけつぞく)の少女。紫よりの青色の髪色でロングヘアー。普段はチャイナ服を着ており、かなりの美少女。スタイル抜群でらんまに匹敵するプロポーションを持っています。
幼馴染にはムースがおり、幼い頃から求愛されていますが、冷たくぞんざいに扱っています。しかし本当に嫌っているわけではなく、恋愛対象として見ていない模様……。
乱馬との出会い
乱馬との出会いはシャンプーの故郷・中国。実はシャンプーが最初に出会った乱馬は女性の姿をしていました。
女傑族の村で行われていた格闘大会でらんまと戦い敗北してしまったシャンプーは、女傑族の掟「負けた相手が女なら地の果てまで追って殺し、男なら結婚する」に従い、らんまを殺すために日本にやってきました。しかし日本で今度は乱馬に敗北。
「殺したい女(らんま)=結婚したい男(乱馬)」が同一人物ということを最初は理解できず、しかも「本当は女で男は仮の姿なんだ」と乱馬に嘘を告げられてしまい、涙を流して中国語での別れの言葉「別了(ビエラ)」と残し、一度は乱馬のもとを立ち去りました。掟に従うのであれば、殺さなければいけない相手ですが、それは自分が愛した男性。シャンプーの気持ちを思うと非常に切なくなりますよね……。
そして掟を守れなかったシャンプーは曽祖母のコロンに呪泉郷で修行をつけられ、その際に猫溺泉(マオ・ニーチュアン)に落ちてしまい、水をかぶるとネコになる特異体質になってしまいました。
乱馬への一途な愛!
シャンプーの魅力はたくさんありますが、私が思う魅力は「乱馬への一途な愛」だと思います。フィジカルもメンタルも強いシャンプーは、乱馬が女だろうが男だろうが関係ないと吹っ切れたのか、乱馬の都合は関係なく自転車で乱馬の顔を踏みつけて突撃したり、会うたびに抱きついたりの猛アピール!
あかねという許嫁がいようが、乱馬から無下に扱われようが、ムースからしつこく求愛されようが、乱馬への愛は変わりません。そして乱馬が猫嫌いなのを知っていながら、猫の姿になって気絶させてスリスリ頬ずりをしたりと策士な面もあって、そのずる賢さもまた可愛いなぁと思ってしまうのでした。
意外とドライな性格?
自身が働く猫飯店では看板娘ということもあり、愛想が良く接客も良いシャンプー。また乱馬のことが大好きで常にニコニコしている印象ですが、実は自分の興味のないものには非常に冷たい態度を取っています。
その最たる例がムースへの態度。幼馴染でシャンプーのことが大好きでずっと求婚しているムースですが、全く相手にされていません。相手にされないどころか、バカにされる一幕も。しかし、そんなムースを本気で心配する場面も見受けられるので、ムースはやはりシャンプーにとって特別な存在だと思われます。
第2シーズンでのシャンプーとムースの絡みが楽しみですね!
担当声優・佐久間レイさんの声が可愛い!
シャンプーの声を担当する佐久間レイは旧作から引き続き新作でもシャンプーの声を担当されています。あの可愛い声が令和でも聞けるなんて、夢のようです。
あの、なんとも言えないイントネーションが最高、中華娘の喋り方の原点となっているのではないかと思うほど、この喋り方がアニメ業界に浸透しているように思います。新作アニメのイベントで佐久間さんは、新作ではかなり厳しく中国語の指導をされて苦労しているとお話をしていました。令和になってよりパワーアップしたシャンプーの声をたくさん聞けるなんて本当に幸せです。
シャンプーが登場する注目エピソードをご紹介!
らんま1/2 〔新装版〕 4巻 第8話「必殺シャンプー」・第9話「ブレンドナンバー119」、新作アニメ 第1シーズン 12話「必殺シャンプー」
1つ目は新作アニメでも放送された、あかねの頭をシャンプーで洗って乱馬の記憶を消すエピソード。らんまと同様シャンプーから“死の接吻”を受けてしまったあかねはシャンプーに狙われてしまい、乱馬の記憶だけを消されてしまったのです。
シャンプーがあかねにかけた技は“洗髪香膏指圧拳”(サイファイヘンゴウしあつけん)。特別に調合した漢方液(シャンプー)を使い、頭のツボを押すことにより記憶操作をおこなう恐るべき拳法だったのです。
本気であかねを殺そうとする冷たさ、そして中国らしい拳法で記憶を消すという恐ろしい技を使うことからシャンプーの強さが垣間見えますよね!
らんま1/2 〔新装版〕 14巻 第2話「怪談 猫魔鈴」・第3話「恐怖 化け猫の花嫁」、 らんま1/2 デジタルリマスター版 第2シーズン 72話「フィアンセは化け猫」
2つ目は伝説の鈴、「猫魔鈴(マオモーリン)」が登場するエピソードです!
シャンプーが持ってきた中国土産「猫魔鈴」は、大小2つの鈴をペアで持つと縁が結ばれるという縁結びの鈴。乱馬が無理矢理渡された大きな鈴からあかねは、夜中に不気味な音を聞きます。すると鈴が突然現れ、「嫁になれ」と迫ってくるのです。
あかねは乱馬が部屋に忍び込んでプロボーズをしたと思いましたが、なんとその正体は鈴に宿った化け猫。猫嫌いの乱馬は大きい猫を前に気絶してしまいます。
化け猫から話を聞くと、小さな鈴を持った人物と自身が結ばれるということ。タイミングよく現れたシャンプーに求婚しますがシャンプーは「乱馬と付き合っている」と化け猫に伝え、何故か乱馬と化け猫が戦うことに……。
シャンプーが化け猫をボコボコにする場面も面白いですが、乱馬から「愛してねぇ、このワガママ猫娘」と言われたときの上目遣いで涙を溜めているシャンプーの表情が非常に可愛らしいのです!(可哀想ですが、そんなことではめげないところがシャンプーの魅力の1つ)
また、乱馬の必殺技である“猫への恐怖心から逃れるために自らを猫化して戦う”「猫拳」が登場する回でもあるので、新作アニメに期待したいエピソードとなっています。
らんま1/2 〔新装版〕 22巻 7話「突然大嫌い!!」、8話「好きだと言え!!」、らんま1/2OVA「シャンプー豹変! 反転宝珠の禍」
3つ目はシャンプーが持っていた「反転宝珠」というアクセサリーがハプニングを起こすエピソード。乱馬のことを純情一途に想ってきたシャンプーが乱馬を嫌いになってしまうというお話です。
コロンが娘時代に使っていた「反転宝珠」というブローチ。このブローチを身に着けたシャンプーは今までの乱馬への愛が嘘かのような冷たい態度を取るようになってしまったのです。それもそのはず、このブローチは人間の愛情をあやつる妖かしの石。正位置につければ愛は豊かになるだけですが、ひとたび逆位置につけた時、愛は憎しみに変わるという恐ろしい代物だったのです。
ナルシストで負けず嫌い、そして根に持つタイプの乱馬からしてみれば、シャンプーのこの態度が気に入らないようで、「意地でももう一度おれを好きにさせてやるーーー!」と何故か意気込んでシャンプーへのアプローチを始めるのでした。
いつも乱馬を大好きなシャンプーから一転、乱馬への常に冷たい態度・視線のシャンプーが見られるお話ということで、本作の中でもかなり珍しいエピソードとなっています。クールな表情のシャンプーもとっても可愛いのでシャンプー好きからは堪らないのですが、乱馬のクズっぷりも見られるオモシロ回なので是非新作アニメ化をよろしくお願いいたします!
結論・シャンプーは可愛い!
ここまで多くを語ってきましたが、一言「可愛い」! コレに尽きます。見た目の可愛さ、雰囲気、破天荒さ、すべてが可愛いのです!
新作アニメの第1シーズンでもすでに大暴れのシャンプーですが、第2シーズンからもたくさんのハプニングを起こし物語を盛り上げてくれることでしょう。
[文/五反田ちさと]