自家用車で「ざまパト」 大学院生ら活動開始
座間市の大学院生・守屋朋龍(ほうた)さん(緑ケ丘在住・24歳)がこのほど、自前の青パトを使った団体「ざまパト」を立ち上げた。地域の安心を守ろうと思い立ち、10月から約20人の仲間と活動を続けている。
きっかけは、夏ごろに報道を通じて知った広域強盗事件の増加。近所の自治会員も少なく、「防犯のために自分にできる事は何か」を考えた。普段は大学院生として社会学を学び、地域コミュニティなどを研究、その他の時間を使った青パト活動を思い立った。
青パトは青色警光灯を装備する車を使った自主防犯パトロールの総称。座間市内では市役所や防犯協会による青パトが活動しており、これまで一般市民による自家用車を使った青パトはなかった。一般車に警光灯をつけて活動するためには、警察署に申請などを行い、車検証も変更しなければならない。
守屋さんたちは座間警察署に相談し、10月に活動の委嘱を受け、署員による車両運用法などの講習も受けてきた。同署生活安全課では「自主防犯活動がさらに広まってくれれば」と話す。
活動には守屋さんの家族をはじめ、知人の武道経験者や看護師、医学生など20人が加わる。そのほとんどは座間市民だ。パトロールは重点地域を日によって変えて行い、朝夕は小学校の通学路に立ち、子どもたちが車やバイクとのすれ違いなどの際には「気をつけて」と呼び掛ける。夜も相模川河川敷の不法投棄場所などを巡回し、青い光で犯罪抑止を目指す。
「ざまパト」活動ではガソリン代も自費でまかなうが、両親がサポートしている。父・朗さんがオフロードタイプのジムニーを提供し、パトロール中と見てわかる外装に変えた。無線やヘルメット、盾、防具などの備品も揃えたほか、メンバーが着用できる記録カメラを寄贈してくれた。
「犯罪の数を大きく減らすのは難しいかもしれないが、市民の安心感につながれば」と守屋さん。今後は拡声器を使い、特殊詐欺への注意も呼びかける予定だ。