花優書道教室 ~ 自分の字を好きになってほしい。子どもから大人まで、書く楽しさを伝える書道教室/倉敷市
パソコンやスマートフォンが普及した今でも、字を書く機会は意外と多いものです。
「もう少しきれいに書けたら」と思うことはもちろん、「字を書くことが苦手」と感じている人もいるのではないでしょうか。
倉敷市にある「花優(かゆう)書道教室」は、きれいな字を書くことだけでなく、自分の字を好きになり、書くことを楽しんでほしいという思いを大切にしている書道教室です。
教室を始めて15年。子どもから大人まで、一人一人のペースに寄り添いながら地域で教室を続けてきました。
書道を通して伝えたい思いや、これからの展望について、師範の花優先生に話を聞きました。
花優書道教室の概要
花優書道教室は、倉敷市福田にある書道教室です。
花優先生が教室を開いてから15年。
当初は実家のある備前市でスタートし、結婚を機に倉敷へ移りました。地域の施設などを借りながら活動を続け、2022年に現在の教室を構えました。
少人数での教室作り
現在は年長から小学6年生まで約40人が通っています。一人一人を丁寧に見られるよう、平日の夕方を中心に1回5〜6人の少人数で教室を開いています。
月謝・硬筆コース
60分:4,400円
・硬筆・毛筆コース
60分:5,000円
上記の月謝の他、道具や本代などの諸経費がかかります。
また、子どもとの関わり方を学ぶため、イギリス発祥の保育資格「チャイルドマインダー」の資格も取得しました。書道の技術だけでなく、子どもの個性や気持ちに寄り添いながら、それぞれのペースを大切にした関わりを心がけています。
花優書道教室が大切にしているのは、「きれいな字を書くこと」だけではありません。字を書くことを通して、自分の字に自信を持ち、書くことそのものを好きになってほしい。そのような思いで日々子どもたちと向き合っています。
大人向けの企画も
近年は大人向けの取り組みにも力を入れています。
2026年1月からは月に一度の「写経の会」を開催し、文字を書くことで心を整える時間を提供しています。さらに同年7月からは、大人向けの「大人書道部」もスタートしました。
料金表・写経の会(道具代込、おやつもしくはお弁当付き)
初回:3,000円もしくは4,000円
2回目以降で筆ペン持参の方は500円引き
・大人書道部
回数券:3回9,000円
※2026年10月より一般向けを開始。
2026年7月〜9月はモニター期間のため、詳細はお問い合わせください。
書道を学ぶ場としてだけでなく、世代を問わず地域の人が自分と向き合い、心豊かな時間を過ごせる場所を目指しているそうです。
花優先生へインタビュー
地域の子どもたちに字を書く楽しさを伝えてきた花優(かゆう)先生。
書道を始めたきっかけやこれから目指す姿を聞きました。
──書道を始めたのはいつからでしょうか?
花優(敬称略):
小学生からです。
友達が習っているのを見て「こんなのがあるんだ」と興味を持ち、習い始めました。当時私が通った書道教室は時間の決まりがなく、納得いくまで何枚でも書いていました。
失敗しても「いつか書ければいい」と思えたのが私には合っていたんです。何度も書いて、できるようになって、賞をいただくと少しずつ自信にもつながっていきました。
──教室を始めて、今の教室になるまでの経緯を教えてください。
花優:
早島町にある「関西書道専門学校」へ通った後、最初は実家のある備前市で教室を始めました。
結婚を機に倉敷へ来た時は、教室をやめるつもりでした。長く教室を続けている先生方を見ていると、自分に続けられるだろうかという不安がありました。
でも倉敷でできた新しいつながりから「書道をやっているなら教室を開いてほしい」と声をかけていただき、もう一度やってみようと思えるようになりました。
──教室で大切にしていることを教えてください。
花優:
きれいな字を書くことだけでなく、自分の字を好きになってもらうことです。
私自身、書道教室の先生との出会いのおかげで、書道を好きなまま続けられました。振り返ると、その先生はあまり細かく口を出さず、黙々と書いている様子を見守ってくださる方でした。
「これ、いいね」と認めてもらえるのがうれしくて、自然と続けられたんだと思います。だから私も、子どもたちが自信をなくすような教室にはしたくありません。
「字を書くことが苦手」「自分の字が嫌い」と思っている子にも、書くことを楽しめるようになってほしい。そのきっかけをつくれたらうれしいですね。
──その思いを、普段の関わりではどのように大切にされていますか?
花優:
一人一人のペースを大切にしています。
先生の言うとおりに進めるというより、自分で選んでもらうことを意識しています。書道は正解が1つではないので、一緒に考えながら進めていきたいんです。
基本の練習中でも、「この漢字を書いてみたい」と言われたら、できるだけその気持ちを大切にしています。
自分で「やりたい」と思って始めたことは、本当に楽しそうに取り組むんですよ。
──大人向けの企画も始められましたね。
花優:
2026年から写経の会を始めました。
私自身以前からやってみたかったことで、大人の方にも文字を書くことを楽しんでほしいと思ったんです。
7月から始まった「大人書道部」は、部活やサークルのようなイメージで開催しています。書道部では、書道だけでなく、読書会を開いたり、自分を大切にするための時間を一緒に作ったりできたらと思っています。
写経の会は、自分と向き合う「静」の時間。
一方で書道部は、おしゃべりを楽しみながら書く「動」の時間です。
それぞれ、自分に合った形で参加していただけたらうれしいですね。
──今後の展望を教えてください。
花優:
これからは、大人向けの朝活を少しずつ増やしていきたいと思っています。朝に活動すると、その日一日が充実した気持ちになりますよね。書道をきっかけに、そのような時間を作っていただけたらうれしいです。
写経の会も12月で1年になります。参加してくださった皆さんと、お寺へ遠足に行くような企画も面白そうだなと考えています。
他には書道パフォーマンスにも挑戦してみたいです。私は伝統的な書道を学んできたので未知の世界ですが、新しいことを企画するのが好きなんです。
失敗しても大事にならなければ大丈夫くらいの気持ちで挑戦しています。
そのような姿を見て、「自分も一歩踏み出してみよう」と思ってくださる方が増えたらうれしいですね。
おわりに
取材時、生徒たちの作品をうれしそうに紹介する花優先生の表情が、とても印象に残っています。
取材前は、書道教室というと、きれいな字を書くことが何より大切にされる場所というイメージがありました。しかしお話を聞くと、「自分の字を好きになってほしい」という思いを軸に、一人一人に寄り添う温かな教室でした。
子ども向けの教室はもちろん、大人向けの写経の会や書道部も、書道を通して自分の時間を楽しめる場として広がっています。
書道を始めてみたい方も、久しぶりに筆を持ってみたい方も、一度訪れてみてはいかがでしょうか。