生産者とお客さんがライブで会話?アプリで直送?
浜松にあるスーパー、マックスバリュ新橋店で、農産物輸送などを行う企業と共に、今年の3月から、今の時代ならではの新しい取り組みをスタートさせ、 好評だと言うことでお話しを伺いました。やさいバス株式会社 黒澤久美子さんのお話しです。
ライブで会話
やさいバス株式会社 黒澤久美子さん
今年の3月から、スーパーの青果売り場で地元産の果物や野菜の魅力を直接お客様に伝えてもらおうと生産者さんとお客様をオンラインで繋いで、交流してもらう取り組みを始めました。店舗の方に小さなカメラを設置して、リアルタイムで繋いでいます。生産者さんに聞いたところによると、売上が1・5倍にアップしたり、あとお店がロスも減ったというふうに聞いております。やはり生産者さんに直接野菜のことについて聞けると安心もしますし、売り上げが上がる。例えばいつもだったらあの野菜を嫌いで食べないっていうお子さんが直接そのビデオを通じて生産者さんとお話したことで魅力を聞いて、食べたいと言って買っていっていただいた。そんなこともありまして、お母さんが驚いていたりもしました。
いわゆるズームのビデオ通話のような形で、双方向にコミュニケーションを取れる仕組み。
最近はよく店内に、生産者さんの顔やプロフィールが貼り出されているスーパーも多いですが、ライブのメリットとしては、「直接質問が出来る」とか「写真では伝わらない生産者さんの人柄が見えて安心に繋がる」など消費者としてもメリットがある。
また、お店としても野菜の売り上げが上がったことで、ロスが減ったり、生産者にとっても売り上げが1・5倍アップしているところもあるなど、皆から好評だと言う。
黒澤さんは、「こういったライブを通じたコミュニケーションをきっかけに、推し農家などを作ってもらってより多くの人にお野菜に興味を持ってもらえたら」と言う思いもあって、 こういった「双方向のコミュニケーション」の取り組みを広げていけたら、とコメント。今のところ、こちらは、マックスバリュ新橋店1店舗のみの取り組み。 ただ、スマホさえあれば誰でも簡単に、同じ体験が出来ちゃうんです。「ポケットマルシェ」と言うアプリサービスを提供する株式会社 雨風太陽 高橋博之さんのお話しです。
スマホで直送
株式会社 雨風太陽 高橋博之さん
ポケットマルシェは全国北海道から沖縄まで8000人の農家さん漁師さんがその時々の旬の食材を直接売る産直EC。ポケットに入ってるスマートフォンで遠隔の離れてる生産者から直接旬の食材をそのまま買えるとということで喜んでもらってます。どの地方でも食べ物を作ってる人が食べれないっていう悪い冗談のような話で全然儲からなくてみんな都会に出てって地方が今過疎でどこも苦しんでるので今まではその値づけできなかったんですよ生産者が、なので生産者が自らプライシング値付けして、自分たちの納得できる値段で売れればやめることはないんじゃないかということで始めました。今までマーケットに出してる値段の3倍ぐらいで売ってる生産者が結構いますね。
スマホで無料でアプリをダウンロードしたら、アプリ上で、全国およそ8000人の生産者とやり取りが出来て、かつ、直接買うことができる。商品は家に届く便利なアプリサービス。
生産者にとって、自分たちが作ったものを市場に出すと、物の善し悪しに限らずに、とにかく数をさばける。直販の場合は少量でもちゃんといいものをその価値を理解した人たちに、適正な価格値段で売れるというメリットがあるので、ポケットマルシェとうまく使い分け、二刀流で生計を立てている人が多いそう。
物によっては市場の3倍の値段で売れる物もあると言うのだから生産者としてはかなり大きい。
また、こちらも双方向でコミュニケーションが取れるので、自分達の野菜や魚などの購入者、いわば嫁ぎ先から「美味しかった!」などのごちそうさま投稿といったフィードバックも送られてくるのでモチベーションにもなるそうです。
ちなみにユーザーはどのくらいいるのか伺うと、80万ダウンロードもされている人気ぶり。ユーザーにとってどんなメリットがあるのか?詳しいお話しを再び高橋さんに聞きました。
株式会社 雨風太陽 高橋博之さんのお話しです。
圧倒的に鮮度がね、だって直接、漁師が獲ってきた魚海から送ったり、農家が朝採れでトウモロコシ取ったのを下手したら次の日の午前中に届くので鮮度が良くて美味しいと。とうもろこし生でかじって、フルーツみたいな甘いトウモロコシしかも生で食えるとうもろこしがあったのかっていうのは僕はポケットマルシェで知ったことですけど。これは普通スーパーでは売ってない流通に乗せられない、採れたてのやつすぐ送ってもらわないと食べれないので、僕の息子も、このトウモロコシ以外食べれない!ってなっちゃった。直接生産者とやり取りするので仲いい生産者もできる。推し活っていうか、仲良くなると、やっぱその生産者がいつも買ってくれてるからっておまけ入れてくれたりするんですよ。子供生まれたなんて聞くと出産祝いにリンゴ二つおまけで入れてくれて。あとお魚頼んだ人が網にカニもかかってたから、おまけに入れといたよ、みたいなやり取りが生まれるんですよねリピーターさんと。昔地域でやってたことを、全国規模でインターネットを使ってやってる感じですよ。
コロナ、ステイホームの時に爆発的にユーザーが増えたと言うポケットマルシェ。今では昔、地域の八百屋さんや魚屋さんなどにあったような温かいコミュニケーションがスマホから生まれる。都会だけでなく、スマホで都会と地方も繋ぎ、地方の生産者さんを始めとして、地方を元気に盛り上げていきたいとのお話しでした。
(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』 取材:竹内紫麻)