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大黒摩季シングル売上ランキングTOP10 〜 優しさと力強いヴォーカルに身をまかせ

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1995年02月20日 大黒摩季のシングル「ら・ら・ら」がリリースされた日

都市伝説は生身のアーティストに! デビュー30周年の大黒摩季


大黒摩季は1992年5月27日にデビュー。今年2022年、30周年を迎えました。

既に1989年にオーディションで合格していたビーイングからコーラスや、ゲストヴォーカルとして、CDの音源は世に出ていましたが、長い下積みを経てシングル「STOP MOTION」でデビュー。今でこそ、テレビに出ずとも音楽活動が行える時代ですが、当時はタイアップや、数少なくなったとは言え、歌番組に出てビッグヒットに繋げていくのがセオリーでした。

実際にはタイアップや楽曲作成、レコーディングのスケジュールが非常に過密であったために、テレビでの歌唱よりも作品のクオリティーを上げるために “出るタイミング逃した” だけでしたが、「ジャケットやPVの大黒摩季」「歌詞を書く大黒摩季」「歌う大黒摩季」をはじめ「大黒摩季は複数人存在する」や「コンピュータのプログラミングで活動している」など都市伝説化した存在になっていたのを覚えている方も多いのでは無いでしょうか?

結果的に、大黒摩季はデビューから1997年8月1日に行われたレインボースクエア有明特設ステージで約5万人の観客を動員して行われた『LIVE NATURE #0 〜Nice to meet you〜』のテレビ生中継で、都市伝説の女から生身のアーティストとして認知されました。

シングルの総売り上げ枚数は約1164万枚。アルバムの総売り上げも1107万枚という、90年代に社会現象を起こした大黒摩季のシングル売上上位10作品をランキング形式で振り返ってみましょう。

10位:白いGradation


1994年1月29日リリース。売上48万枚。7thシングル。スキー用品店「Victoria」のCMソング。

タイアップのために作られた1曲で、大黒摩季のシングル曲の中で “爽やかさ” を感じさせるのは、白いゲレンデをイメージさせたかったから。歌詞に出てくる女性像も、大黒摩季の作品の中では、最も真っ白なピュアなイメージに仕上がっています。

他の大ヒットシングルを抑えて10位にランクインしたのは、90年代のスキーブームが要因かもしれません。

9位:別れましょう私から消えましょうあなたから


1993年4月28日リリース。売上66万枚。4thシングル。テレビ朝日系『ネオ・ドラマ』主題歌。

当時のビーイングのB'zや、WANDSなど所属アーティストが立て続けに発表していた “サビ頭をそのままタイトルにする” 長文タイトル。大黒摩季も20文字という長さで、発表されました。

この曲は、大黒摩季自身の失恋をテーマにして作られました。惰性で付き合いを続けているのは、1人になる “怖さ” なのか。ただ「このまま続けても先が無い」ならば、自分で終わらせる決意を固める “力強い女性像” は、大黒摩季のイメージとピッタリです。

サビに「Sex」という単語が出てくるのは、当時も今も、本音をさらけ出すインパクトを強く残し続けています。

8位:永遠の夢に向かって


1994年10月5日リリース。売上79万枚。9thシングル。TBS系『COUNT DOWN TV』オープニングテーマ。

この曲のキモは、歌詞に出てくる「何かが違う…」。
―― 90年代は、第二次ベビーブーム… いわゆる団塊ジュニアが受験や、社会人へと新しい扉を開けるなか、バブル経済崩壊の影響をモロに受け、先行きがハッキリと見えず不安感を抱く若者たちが青春を過ごした時代です。

不安を払拭するのには、流行りの洋服を買ったり、友達との長電話、もちろんカラオケなど、話題の共有感がポイントでした。そんな日常に流されながらも、ふと考えます。「自分のやりたかったことってなんなんだろう?」現実と、抱く夢のギャップにもがく人の背中を押してくれる曲です。あなたは「永遠の夢」、まだ追いかけてますか?

7位:熱くなれ


1996年7月8日リリース。売上83万枚。14thシングル。NHKアトランタオリンピック放送テーマソング。

あまりの熱量と勢いに圧倒されそうですが、「熱くなれ」は大黒摩季流のラブソング―― 恋愛応援ソングです。大黒摩季が唄う楽曲の主人公のほとんどは “恋愛至上主義” であると同時に、世間に対する “生きづらさ” を感じさせます。

 これこそはと信じられる
 何かを探していたけれど
 正義が社会を救えないなら
 愛しかないでしょう

いろいろな社会への不満や苛立ちを乗り越えた時、そこに残るのは “愛” だという結論に至る過程に、自然と胸が熱くなる曲です。

6位:チョット


1993年2月10日リリース。売上84万枚。サードシングル。テレビ朝日系月曜ドラマ・イン『いちご白書』オープニングテーマ。

ほとんどの楽曲を作曲している大黒摩季にとっては珍しい、織田哲郎が作曲を担当。

大黒摩季の楽曲の主人公の女性はとにかく “一途”。好きな人への想いが重すぎるといっても過言では無いキャラクターです。この曲の主人公も、せっかく相手が綺麗な別れ方を選んでいるのに… 引き摺るから“傷付けて欲しかった”。…なのに、なんで別れ際まで、あなたは優しいの? そこへ「チョット待ってよ」… とツッコミから入る失恋ソングです。あなたがもし別れる時、傷付けられたいタイプですか? それとも優しくしてほしいタイプですか?

5位:いちばん近くにいてね


1995年5月3日リリース。売上86万枚。11thシングル。明治「アメリカンチップス」CMソング。

ラテン、サンバのリズムと大黒摩季のパワフルなヴォーカルがマッチした “夏ソング”。陽気なリズムで、ハッピーなラブソングと思いきや、そこは大黒摩季。主人公の濃い過去を滲ませます。Aメロでは、

 ギラギラの太陽と
 ピチピチのON THE BEACH

 トけちゃうような
 甘いKISSして
 
 サンバ・ランバダ・ボサノバ
 はじけちゃうよ

… など、恋愛の始まりのキャピキャピ感を脳天気に詰め込むだけ詰め込みながら、Bメロで素顔を見せます。

 前の人 一緒にいすぎて
 愛が生活に負けたから

 優しさに つい身を任せて
 ありのまま 見せすぎて嫌われた

… と、笑顔の裏をさらけ出し「最後の最後に結ばれる日まで」で締め括る、ハッピーな恋の始まりに潜む “本音” が詰まった曲です。

4位:夏が来る


1994年4月23日リリース。売上97万枚。8thシングル。TBS系『COUNT DOWN TV』オープニングテーマ。2011年にはサッポロビール「サッポロ アイスラガー」CMソングにも使われました。

同じ事務所で、時を同じく活動していた“ZARD・坂井泉水”。ZARDと大黒摩季の大きな違いは赤裸々な女性の内なる思いに共感した同性の、特に大黒摩季と同じ世代の女性からの支持が大きかった点です。

ひょっとしたら女性同士だけのカラオケでは今でも “大黒摩季” を全員で熱唱することも多いのではないでしょうか? 特にこの「夏が来る」は、カラオケの十八番にされている女性も多いのでは?

その理由として、「真っ白な馬に乗った王子様」を、今でも待ち続ける乙女が多いからでは… と推察します。結婚適齢期を迎え、“結婚はどうするのか?” と聞かれる時期は誰しもあったはず。結婚を選んだ人も、していない人にも…。今も “絶対に白馬の王子様が…きっと来る!” と信じる全ての乙女たちのアンセムです。

3位:DA・KA・RA


1992年9月23日リリース。売上105万枚。セカンドシングル。マルちゃん「ホットヌードル」CMソング。

ガールポップ全盛期だった90年代初頭。大黒摩季は、橘いずみや鈴木彩子といった “ガールロック” のアーティストとしても注目されていました。デビューから4ヶ月後にテレビから流れてきたCMソングに「え? 誰!?」と耳を奪われた人も多かったのではないでしょうか?

大黒摩季の作るメロディーは意外にもロックだけではなく、16歳の時にジャケ買いし、リスペクトし続けるアレサ・フランクリンなどの、ソウルミュージックやR&Bといったメロディーも生み出しています。そこに、ビーイング特有のロックサウンドを軸に、スクラッチやシンセの音色やラップを取り入れ、90年代のサウンドに作り上げたのが葉山たけしでした。

大黒摩季の成功には、さまざまな音楽に影響を受けた大黒摩季のメロディーを、うまくまとめた “葉山たけし” との相性が良く、この曲が収録されたアルバム『DA・DA・DA』以降、2000年過ぎまでの作品の、ほぼ全ての編曲を葉山たけしが担当することになります。

2位:あなただけ見つめてる


1993年12月10日リリース。売上123万枚。6thシングル。テレビ朝日系アニメ『SLAM DUNK』エンディングテーマ。

アニメとは全く関係がない内容にも関わらず、当時の大黒摩季の人気と、絶大なるアニメの人気で、若い学生層にも購買層を拡げミリオンセラーを記録した楽曲です。

この曲の主人公は “男性至上主義” です。好きな人に依存し、染まっていきます。 “これだけ貴方に尽くしてるんだから、愛してくれるよね…”と言わんばかりの内容が描かれています。モラハラな彼と、依存性の彼女のお話で終わるのかと思いきや、最後の最後に、大黒摩季が、

 行けっっ!! 夢見る 夢無し女!!

… と絶唱します。叫びにも似たこのフレーズの歌唱によって、“イイのか? このままで私って…” と、まるで頬を引っ叩かれたような感覚を覚えます。こうして目が覚めるような思いにさせられるのは、“ヴォーカリスト・大黒摩季” の芯の強さが溢れているからこそです。

1位:ら・ら・ら


1995年2月20日リリース。売上134万枚。10thシングル。テレビ朝日系ドラマ『味いちもんめ』主題歌。

大黒摩季のシングルで最も売れた楽曲は、誰もが口ずさむ事ができる「ら・ ら・ら」でした。

誰もが気軽に鼻歌を歌える楽曲を作りたいと思っていた彼女の “優しさ” が詰まったメロディーが印象的です。最近でこそ結婚しないことも一つの選択肢として認められる時代ですが、90年代は、まだまだ “結婚” がカップルのゴールと考える人が多い時代でした。

未婚。結婚適齢期。家族や社会からプレッシャーをかけられた時代。優しさ溢れるメロディーとは裏腹に、楽曲の主人公は “不安” を抱いています。

 好きになるのは簡単なのに
 輝き持続するのは…

 こんな年齢(とし)だし、親も年だし

 これから私 何をどうして
 生きていけばいいんだろう

… と30歳前後に、誰しもが向き合わなければならない “将来” への漠然とした悩みを、まるで親友にボソッと打ち明けるかのように歌われます。この曲を聴いた時に “自分だけが悩んでる訳じゃ無いんだ” と励まされた人も多いのでは?

ドラマのタイアップや、誰しも抱く不安への共感、そして何より “好きなことを貫き通す強さ” を幅広い世代が支持。今もなお歌い継がれる「ら・ら・ら」が大黒摩季のシングル売上1位に輝きました。

―― 以上10曲、「大黒摩季シングル売上ランキングTOP10」でした。改めて聴いてみると、今でも口ずさめる大ヒット曲のオンパレードですね。また同時に、90年代の女性の恋愛スタイルの一部を垣間見ることが出来る10曲とも言えます。

昭和の流行歌に比べれば、赤裸々に、女性の “裏の顔” や本音が綴られ、さらに令和の時代にはコンプライアンス的に使われない単語も出てくる、“大黒摩季の歌詞”。文字を追えば、女性の胸の内を曝け出しただけのようにも読めますが、大黒摩季が歌うことによって、歌詞の内容以上の力強さや気持ちの揺らぎ、そして温かさを感じさせてくれます。

いろいろな壁にぶち当たっても歌い続けたのは、大黒摩季こそが多くの人の背中を押すことが運命づけられた歌手だから… なんだろうなと改めて実感しました。

大黒摩季デビュー30周年の今年(2022年)は、“Best Live” と銘打たれた『大黒摩季 全国47都道府県ツアー “MAKI OHGURO 30th Anniversary Best Live Tour 2022-23 -SPARKLE- Powerd by CHAMPAGNE COLLET”』が開催されます。大黒摩季のライブパフォーマンスは、CDよりもパワフルで、心に迫る “熱さ” を感じます。ぜひ直接あなたの耳と心で受け止めてみては如何でしょうか?

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