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八王子市 独自の救急搬送体制構築 小児けいれんに迅速対応

タウンニュース

新しい救急搬送体制の第1号になった石川町の東海大学医学部付属八王子病院

八王子市は小児のけいれん発生時に迅速かつ適切な対応を行うための新たな搬送体制を構築し、4月18日から運用を開始した。患者の搬送先を三次救急病院(救命救急センター)だけでなく、受け入れ体制の整った「かかりつけ医療機関」へ救急搬送できるようにした。都内で初の試み。

救急医療では、患者の重症度や緊急性に応じて医療機関を「初期(一次)」「二次」「三次」の3段階に分けている。三次救急は高度な処置が必要な重篤患者に対応する医療機関で、市内には館町の東京医科大学八王子医療センターのみ。近隣では独立行政法人国立病院機構災害医療センター(立川市)や、日本医科大学多摩永山病院(多摩市)などがある。

都の救急活動基準では小児のけいれんが発生した場合、原則として三次救急病院(救命救急センター)へ搬送する。搬送先病院の状況などによって二次救急病院に転送される場合もあるが、「まず三次へ」がルールだ。一方でけいれんは30分を過ぎると後遺症が残るとも言われている。

「現在の都の救急活動基準では、たとえ二次救急病院の前で小児けいれんが発生しても、まず三次救急病院へ搬送しなくてはならない」。昨年4月に行われた市長と八王子市医師会の意見交換会で、医師会の小児科部会から出た提案がきっかけとなり、早期にけいれんを止めることを目的とした市独自の仕組みづくりが市と医師会、患者を搬送する八王子消防署の3者で話し合いを重ねて進められた。実現を受け、初宿和夫市長は「子どもの命を最優先に、救急現場に混乱をきたさず、柔軟かつ迅速に対応できる搬送の仕組みを構築できた。今後も子どもたちが必要な医療を受けられる環境整備に取り組んでいく」とコメントしている。

東海大が第1号

二次救急病院だが三次と同様の対応ができる体制を整えた東海大学医学部付属八王子病院(石川町)が対象医療機関の第1号となった。

てんかんで同院に継続診療している市内在住の小児患者に対し、事前に主治医の名前や服用している薬などの情報が記載された「小児かかりつけ患者救急搬送カード」を配布。カードを所持している患者がけいれん重積状態になった場合、かけつけた救急隊が三次救急病院とかかりつけ医療機関のどちらへ搬送するか現場で判断できるようになる。八王子消防署は「署としても患者に寄り添い、市や地域の関係機関と連携して医療機関への迅速な搬送に取り組んで参ります」と語る。

対象医療機関となった東海大八王子病院は「都のルールを変えることなく、ようやく長年の懸案事項を前進させることができた。院内でしっかりと体制を整えてかかりつけ患者を受け入れ、子どもや保護者の安心につながれば」と話している。

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