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【実は日本発祥?!】その定義から開発まで、クリームシチューの歴史を追え!

TBSラジオ

日々の天気や街のトレンド、おいしいゴハンに大人の悩み、社会の仕組み・・・1日イチ「へぇ~」なトピックスを。
新進気鋭のコラムニスト、ジェーン・スーが、生活情報や人生の知恵をナイスなミュージックと共に綴る番組。

今週は、1週間・番組丸ごと「生活はクリームシチューで踊る!」と題して、毎日クリームシチューにまつわる情報や生活の知恵をたっぷりご紹介していく予定ですが・・・ 今回はハウス食品さんのホームページを元に、クリームシチューの歴史をまとめました。

クリームシチューの「定義」とは??
鶏肉や豚肉などの肉とジャガイモ、タマネギ、ニンジンなどの野菜を煮込み、ホワイトソースを加え、牛乳やスープでのばして仕上げた料理である。そしてホワイトソースとは、鍋でバターと小麦粉を炒めながら練って牛乳でのばし、クリーム状にしたもの。

Q.クリームシチューって、「どこの料理」?
クリームに限らず、そもそものシチュー全般の発祥は、16世紀~17世紀のフランスとされています。しかし、「シチュー」だけでなく、「スープ」や「煮込み料理」など、世界各国にはさまざまな料理があり、正確な情報は掴めないのが実情。ただ、「クリームシチュー」だけに限って言うならば、実は・・・日本発祥で独自の発展を遂げた料理と言われています。

Q.日本ではいつ頃から食べられているの?
日本では、明治時代の中ごろから、レストランメニューとして「シチュー」が定着しはじめたんだそう。1900年代初頭に刊行された料理書『新撰 和洋料理精通』に「かぶのスチウ(シチュー)」としてレシピが紹介されていますし、『滋味に富める家庭向西洋料理』という本にはクリームシチューのような食べ物が登場しています。

「日本クリームシチュー昔物語」

今や冬の定番料理として、確固たる地位を築く、クリームシチュー。その存在が爆発的に広まったのは、戦後のことだった。まだ食糧事情がよくなかった1947年、政府は、「学校給食」に、クリームシチューを導入。子供たちの栄養不足を補うため、脱脂粉乳を使ったシチューは、当時「白シチュー」と呼ばれた。これは、現在のような姿で、私たちの食卓に定着するまでの軌跡を追った、クリームシチューの物語である。

・当時は、既製品のルウが登場する前だったので、ホワイトソースも全て手作り。
・子どもたちのカルシウム不足を補うために、脱脂粉乳を盛んに使っていたのですが、それが、次第に牛乳が使われるようになって、現在のようなクリームシチューが出来上がっていったんだそうです。

そんなクリームシチューが、「家庭料理」として食卓に広まった背景には、ハウス食品の存在がありました。1966年、ハウス食品から、顆粒タイプのシチューの素『シチューミクス』が発売!つまり、現代の我々にとっては当たり前となった「ルウ」の開発という、企業のすさまじい努力があった、というわけです。

ハウス食品の「シチューミクス」。その開発は、とある社員の懐古の念から始まる。
「昔、給食で食べていた、あの“白いシチュー”のルウを作りたい!」

ハウス食品は、当時の学校給食で人気だった“白いシチュー”を、家庭で簡単に作れる粉末製品として再現した。開発に当たって参考にしたのは、「アイリッシュ シチュー」。アイルランドの伝統的な白いシチューだ。それゆえ、発売当時のパッケージには、「アイリッシュシチュー 欧風煮込み料理」という文字が、小さく入っていたという。

「発売時には、スーパーマーケットなどで、試食をしてもらいました。でも、まだ一般の家庭には馴染みのない料理だったので、最初は、なかなか試食皿を受け取ってもらえませんでしたね」

最初こそ、そんな感じだったが、試食をした人からは「おいしい!」と大好評。こうして、「シチューミクス」の発売以降、どんどんファンが増えていき、クリームシチューは、日本の食卓に広く浸透していったのである。

さらに、開発秘話として、こんな話もあります!
日本人の主食である「ご飯」のおかずになるシチューを。毎日の食卓に、違和感なく溶け込むシチューを。そんな想いのもと、開発された「シチューミクス」。そのため、「うま味」と「乳」の絶妙なおいしさが味わえるようになっている。

ホワイトソースは、作る過程で小麦粉がダマになってしまうなど、家庭で作るのは意外と難しい。だが、ハウス食品の開発者の熱い想いや、努力のおかげで、私たちは今、家庭で手軽にシチューを食べることができる。

日本の学校給食に着想を得て、「シチューミクス」が誕生し、そして「家庭料理」として浸透していったクリームシチュー。こうした所以から、クリームシチューは、日本発祥で、独自の発展を遂げた料理と言われているのだ。

ちなみに、クリームシチューといえば、「ご飯にかける」か「かけない」か論争が勃発しがちであるが、ハウス食品さんによれば、「クリームシチューはビーフシチューと違い、外食ではあまり見られず、それぞれの家庭内で独自の進化を遂げてきた、ある意味"ガラパゴスメニュー"です。製品自体はご飯とわけても、かけてもどちらでもおいしく召し上がっていただけます」とのこと。

→つまり、クリームシチューは、それぞれの家庭や地域で独自の進化を遂げていった結果、自分たちの当たり前が違って論争が起きやすい。とも言えるのである。

クリームシチューを食べたり作ったりする際には、ぜひ、今回ご紹介したクリームシチュー物語に想いを馳せてみてください。

(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)

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