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野良猫を保護する時に注意することはある?10のポイント

ねこちゃんホンポ

野良猫の保護は安易な気持ちで行わないで

野良猫が自宅の庭で子猫を産んでしまった、道端で汚れた子猫がひとりで寂しそうに鳴いていた、毎日顔を合わせていて仲良くなった野良猫がいる等々。そういう子達に目がいく方は、おそらく動物好きで心の優しい方々なのだと思います。

しかし、後先を考えずに「可哀想だから」という思いだけで野良猫を保護してしまうのは、あまり感心できることではありません。保護した子が最期を迎えるその日まで、家族の一員として一緒に暮らしていくという気持ちがないのであれば、保護された子も保護した方も、共につらい思いをすることになるかもしれません。

保護した子がどのような健康状態や性格であっても、最期までお世話するという決意の下で保護することを前提に、野良猫保護の際の注意ポイントをご紹介します。

捕獲前の注意点

1.本当に野良猫か

まず、保護しようとしている猫が本当に野良猫なのかどうかについて確認しましょう。たとえ野良猫のように見えても、迷い猫で飼い主さんが探していたり、地域猫としてボランティアさん達のお世話になっているというケースもあります。

保健所や警察署に届けが出ていないか、地域猫の印の耳カットが無いか、迷子札やマイクロチップが装着されていないか、SNSでの呼びかけがないか等を確認しましょう。マイクロチップは、保健所や動物病院で確認してもらえます。

2.付近に家族がいないか

1匹しかいないと思っても、付近に母猫や兄妹達がいる可能性も否定できません。生活場所を変える場合、母猫は子猫を1匹ずつ咥えて移動するため、しばらく子猫が取り残されるという場面が生じることがあります。

捕獲時の注意点

3.捕獲器の入手

ある程度親しくなって慣れてきている野良猫の場合は、直接捕まえることができるかもしれませんが、大抵の場合は捕獲器を仕掛けて捕獲します。しかし、今後も野良猫の保護活動を続けようというわけではありませんので、捕獲器の購入は躊躇してしまうでしょう。

しかし、捕獲器は日本動物福祉協会や捕獲器を扱っているレンタル業者等から借りられますので、調べてみましょう。

4.ご自身のケガ予防

もともと猫は警戒心が強いですが、野良猫の警戒心は飼い猫の比ではありません。捕獲する際に引っ掻かれたり噛みつかれたりすることも十分考えられます。猫の口内や爪には雑菌が多く、猫から重篤な感染症をうつされる可能性もあります。肌を露出しないような服装と厚手の手袋で、しっかりと対策をしてください。

捕獲後の注意点

5.健康チェックと寄生虫駆除

当たり前ですが、野良猫はワクチン接種も寄生虫予防もしていません。まず野良猫を捕獲したら、できる限り速やかに動物病院に連れて行き、健康状態のチェックと寄生虫の駆除をしてもらいましょう。エイズや白血病の検査も可能であればお願いしましょう。

その際に年齢も確認してもらい、去勢・避妊手術をしていない場合はその日程も決めると良いでしょう。

6.先住猫から隔離する

先住猫がいる場合、捕獲した猫の健康状態が明らかになるまでは、部屋を隔離して決して直接接触しないようにしましょう。そうすることで、先住猫を危険な感染症から守れます。

また健康状態に問題がない場合でも、お互いに警戒しあって喧嘩になる可能性が非常に高いため、対面は時間をかけてゆっくりと慣らしながら行いましょう。

生活における注意点

7.焦らずゆっくり慣らしていく

先住猫に慣れるまでにも時間がかかりますが、それ以上に時間がかかるのが、飼い主さんとの関係です。外で人間を警戒しながら暮らしていた野良猫は、なかなか人に懐きづらくなっていると考えられます。焦らずに、根気強く信頼関係を築いていきましょう。

8.トイレのしつけは根気よく

野良猫は、これまで自由に排泄をしていました。そのため、なかなか猫用のトイレに慣れないかもしれません。ソワソワしだして排泄しそうな気配を感じたら、すぐにトイレの中に入れるということを根気よく繰り返しましょう。

9.脱走予防の徹底

野良猫でしたので、今まで自分の縄張りだった外の様子が気なるのは猫として当たり前の本能です。そのため、すぐに外に出たがるかもしれません。窓や玄関の開け閉めには十分に注意し、脱走させないように気を付けましょう。

10.刺激ある暮らしの提供

とにかく、今までよりもずっと狭くて刺激の少ない環境で生活することになります。できるだけ猫の習性にふさわしい環境で、刺激的な生活を送れるように環境を整えましょう。そのためには、飼い主さんが毎日猫じゃらし等のおもちゃを使って遊んであげることも必要です。

まとめ

野良猫を保護する場合、健康面に問題を抱えていたり、なかなか慣れてくれずに問題行動がおさまらなかったり、性格が凶暴でお世話が全くできないなどと、通常よりも苦労を抱え込む可能性が高いです。しかし、野良猫も家猫になれば穏やかになり、昔から家猫だったかのようになる子もたくさんいます。

なにより、事故や病気、飢えの苦しみから解放され、平均寿命を全うしてくれることでしょう。しかし、その時の感情や安易な気持ちで保護してしまい、結局世話をしきれずに再びその子につらい思いをさせることになる可能性も否定できません。

野良猫を保護しようと決める場合には、先のこともしっかりと考えてください。そして、それでも保護しようと決めた場合は、上記でご紹介したような注意点を参考に、保護した猫も先住猫も、そして飼い主さんやそのご家族も、皆が幸せで快適に暮らせるようにしてあげましょう。


(獣医師監修:平松育子)

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