祭りでもないのに!? いまどき珍しい富山市まちなかの屋台グルメ【たこや】石倉町延命地蔵の前 名水で作るたこ焼きとはしまき
富山市のまちなか、石倉町の延命地蔵尊と言えば、水。
いたち川のそばで豊富に湧き出る水は「万病に効く霊水」とも言われ、毎日、多くの人がペットボトルやポリタンクを手に水を汲みに訪れます。
名水で知られることもあって地域の人のいたわりも強く、堂の中は常に掃除が行き届き、花や供え物も欠かされません。
そんな延命地蔵尊の向かい、5本の道が交わる角に、今どきあまり見かけなくなった小さな屋台があります。
2008年から営業するという店の名は、「たこや」。
倉庫を改装して作られた簡素な作りですが、お参りや水汲みの際に立ち寄る客でにぎわいます。
名水で作るたこ焼きとはしまき。常にお祭りのような屋台グルメ
「たこや」で販売しているのは、たこ焼きとはしまきの2つのみ。
どちらも延命地蔵の水を使用して作っています。
たこ焼きは作り置きを一切せず、注文を受けてから焼き上げます。
「アツアツのできたてを食べてもらいたい」という店主のこだわりです。
このたこ焼き、延命地蔵の水を使用する以外にもうひとつ、作り方に特徴があります。
それは、生地を焼くときにマヨネーズを入れること。
これによって、たこ焼きのアツアツ感が長く持続するんだとか。
家に持ち帰ってから食べる人にも、できるだけあたたかいものをおいしく食べてほしいという思いやりから生まれたアイデアです。
焼き上がりを待つ時間も楽しみのひとつ
もうひとつのメニュー、はしまきは、九州・中国地方ではお祭りの定番だというグルメ。
お好み焼きを割りばしに巻いて作る食べ物で、食べ歩きにもぴったりなため、近年は徐々に関東の祭りなどでも見られるようになりました。富山の祭りでも食べたことがある人はいるかもしれません。
どんどん焼きに近く、富山でもよく売れるというはしまき。
こちらも作り置きは一切なしで、注文を受けてから一つひとつ焼いてくれます。
天かす入りの生地を焼き、箸にくるくるっと手際よく巻かれていくのを見ながら、待つこと約5分。
じっと待っていると手持ち無沙汰な感じもありますが、焼き上がっていく様子を見ているのも楽しいものです。
仕上げに、ソースとマヨネーズ、そしてベビースターラーメンを散らすのがたこや流!
パリパリの食感がアクセントになって、とってもおいしいんです。
週末は各地の祭りにも出店。タイル職人から屋台の店主へ
元はタイル職人だったという店主の吉田凌晟さん。
屋台の手伝いをしたことをきっかけに、退職後の2008年から「たこや」の営業をはじめました。
小さな子供や学生にもおなかいっぱいになってほしいという想いから、できるだけ価格を抑え、生地を甘めに作っているんだそう。
作り置きをしないため、「うちの味が好きで、待ってでも買ってくれるお客さんのために努力しないとね」と笑顔で語ります。
週末は各地のお祭りへ出向いて店を出すことが多いんだとか。
そんな時は、石倉町の店は休みになることも。
1年中食べられる「たこや」のたこ焼きとはしまき。
ちょっと強面な吉田さんとは裏腹に、地蔵のようなやさしさとほっとする味わいに満たされます。
出典:KNBテレビ「いっちゃんKNB」
2024年8月1日放送
記事編集:nan-nan編集部
【たこや】
住所 富山県富山市石倉町1-16
営業時間 11:00~19:00
定休日 不定休