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においで探し出す 5頭を警察犬に 釜石署嘱託 震災不明者の捜索にも活躍

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 釜石警察署管内で2024年の岩手県警本部嘱託警察犬に選定された5頭の嘱託書交付式が1月25日、釜石市中妻町の釜石署で行われた。田中洋二署長が指導手3人に高水紀美彦県警本部長の嘱託書を交付。5頭と指導手は警察署の出動要請を受け、今年1年、犯罪捜査や行方不明者などの捜索活動に協力する。

 民間で飼育、訓練し、事件捜査で活躍するのが「嘱託警察犬」。今回嘱託を受けたのは、釜石市箱崎町の自営業金野伸明(のぶはる)さん(73)が所有するエミー・フォン・ノルトリッヒト号(シェパード、雌4歳)、大槌町大槌の自営業中村光高さん(44)所有のイカルス・フォン・ミナト・ツネイシ号(同、雄8歳)、大槌町桜木町の自営業佐々木光義(みつぎ)さん(55)が所有するマリア・フォン・ゴオード・アイランド号(ゴールデンレトリバー、雌2歳)、フルマー・フォン・ヨコハマ・シゲリ・ジェイピー号(同、同10歳)、アビアトリックス・オブ・ファースト・リレーション・ジェイピー号(ホワイトスイスシェパード、同9歳)。

 いずれも昨年秋の県警本部審査会の実技で指導手の技量、犬の能力が認められた。機能別4部門があり、エミー号とイカルス号は足跡追及部門。佐々木さん所有の3頭は捜索部門で、フルマー号とアビアトリックス号は災害救助犬の認定も受けている。

釜石警察署で行われた警察犬嘱託書交付式


嘱託書を持つ(左から)佐々木光義さん、中村光高さん、金野伸明さん


 金野さんは昨年、3件の捜査・捜索活動に出動したほか、釜石署が震災の月命日となる11日前後に行う行方不明者の集中捜索にも相棒とともに参加している。警察犬の育成を続け半世紀。要請があればいつでも出動できるよう準備を整えている。「現場でビタッと探し出し、力を発揮できるよう、日々訓練を欠かさない。積み重ねが大事だ」と気を引き締めた。
 
 今回初めて嘱託を受けたマリア号は遺体捜索犬としても活躍すべく、訓練を始めた。元日に発生した能登半島地震でも救助犬が活動したが、佐々木さんは東日本大震災の経験から「生きた人を探すことで終わりではなく、そこから先がある」と改めて痛感。「レベルを維持しながら技術を上げたい」と力を込める。中村さんもやはり訓練は怠らず、「少しでも手助けできれば」とうなずいた。

式を終え、釜石署前で記念撮影をする警察犬と指導手ら


 指導手に嘱託書を手渡した田中署長は能登地震の被害を踏まえ、「いつ何時ということがある。引き続き、協力を」と期待を寄せた。
 

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